第17話 悪役熟女令嬢達 Villainous Mature Ladies
王都の虐殺、争乱から3日後 学園都市スカラル 街外れの森
「アイン 本当なのね?」
「あぁ、キヨマサの肉体をここに戻す。
あと数分でセルベスとベルゼブの魔術が解けるからな。
契約者ならこの星系にいれば手元に戻すのは可能だ。」
「3日後か、蘇生は絶望的だな。」
「分かってる」
大気圏外
セルベスとベルゼブが魔術の解除されそれと同時にキヨマサとテレシアを覆っていた土が崩壊し、
黒い水が辺りに飛散していく。
「・・・」
キヨマサの肉体のみが瞬時に消え去った。
王都の虐殺、争乱から3日後 学園都市スカラル 街外れの森
キヨマサの肉体がアインの足元に転移した。
「――」
「だめか」
キヨマサの肉体からは完全に鼓動が失われていた。
「――いや、これなら
ベルゼブ、アイン 手伝え」
「何をする気なの?」
ソルティが不安そうに3人を見る。
「蘇生だよ。
脳と神経だけエスキートのせいか生きてやがる。」
「――どういうこと?
2人の術式は完全にエスキートも魔術も無効化するはずじゃ」
「アインの時空魔術か?」
「あぁ、初めてあった時に口から仕込んでおいた。
心停止した際には私の霊術が発動し、時間の流れを限りなく遅らせる。」
「それじゃあ」
「それでも脳細胞の一部は死滅してるだろうから、
完全復活とはいかないが
少なくとも蘇生は可能だ。」
「うっ うぁぁ」
ソルティが膝から崩れ落ちる。
「良かったですね。」
ベルゼブがソルティを抱きしめる。
翌日 外れの森
「寝てないんだろう
大丈夫か?」
セルベスがソルティの肩を叩く。
「えぇ。魔素を保つだけだから。」
アインの張った時空魔術をソルティが維持し、
セルベスとベルゼブがキヨマサの肉体蘇生を進めていた。
損傷した部位の修復と、蘇生術式の構築を並行して行っていた。
「出来たぞ。
あと必要なのはお姫様のキスだけだ。」
セルベスがソルティに笑う。
生きている脳に最も近い箇所から魔素を送り込む。
口づけという意味をソルティは理解した。
「私達っていつもこんな感じよね。キヨマサ」
ソルティがキヨマサに口づけする。
ソルティの魔素がキヨマサに流れ込み、
キヨマサの肉体に刻まれた術式が次々と発動していく。
「ソルティ、すまない」
「どうしたの」
キヨマサから口を話したソルティがセルベスに振り向く。
「キヨマサの魔術の力は完全に失われた。
恐らく3日前ほどの魔術の高速展開はもうキヨマサにはムリだろう。
それにこの分だと記憶も3割失われている。」
「そんなこと?」
ソルティが笑う。
「だってこうして」
「げほっ げほっ ごぶっ」
「生きてるじゃない」
口から水を吐きながらキヨマサが眼をうっすら開ける。
「あなたは・・・」
キヨマサがソルティを見る。
「私?
私はあなたの婚約者で」
ソルティが涙をぬぐって笑う。
「私達は極悪令嬢よ。ちょっぴり年配のね。」




