閑話
プロミア聖王国
そこには各地にある神殿の総本山がある。その役割は様々である。
まず、各地に散らばる神殿や冒険者ギルドに神官を派遣し、治療師として働いたり、冒険者を補助したりする。
加えて、神殿騎士を保有しており、対外的・対内的な治安の維持や補佐を行う。
また、異端審問官という、人間の敵対勢力に対抗するための役職もある。しかし、私は異端審問官については、ほとんど関わりがないため、詳しいことはあまり知らない。
だが何といってもやはり、神殿といえば聖騎士である。これは各自が文字通り一騎当千の実力を持ち、対魔族専門の部隊である。聖騎士は神殿騎士の小部隊を伴い、任務にあたることが多い。
―私の名はユミル。聖騎士アリル様の補佐を行う神殿騎士である。
その日、トアレの遺跡で消息を絶ったリアリトア様の行方を追いかけていた私たちは、ゴラムの方向に魔族の気配を察した。
魔族は門からやってくるが、現在判明している門は全て神殿が押さえてある。
にも拘らず、まれに魔族が現れるのは、ダンジョンに転移魔法陣が存在する場合があるからである。
――このダンジョンにある転移魔法陣はどういうわけか、人間の侵入を拒む。
転移魔法陣への入り口は人間には固くその門を閉ざすのである。
しかし、私たちも単に手をこまねいているわけではない。
魔族が出現すれば、巫女がそれを感知することができる。
また、聖騎士の技能や魔法によっても感知することができ、各地で任務を行う聖騎士に伝達され、討伐にあたるのだ。
アリル様はついに、魔族を発見したという。が、私の鑑定では、アリル様が魔族であると主張する者は、【人間】という鑑定結果であった。
驚いたことに、リアリトア様もその者が魔族であることには同意している。
アリル様が、結界の中でその魔族を討伐したということをリアリトア様に伝えたところ、リアリトア様は俯いて、そう、とだけ言ったようだ。
元々、口数が少ないお方であるが、以前はもっと気丈に振る舞われることが多かったように思う。
リアリトア様は謹慎中である。だが、もうしばらくすると、聖騎士による審問会議が行われる予定だという。
アリル様はリアリトア様のことを、随分と気にかけておられるようだった。
「――ユミル、ちょっといい?」
そんなことを考えていると、アリル様から声がかかるのだった。
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