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安宿暮らしの大魔王。~転移した大魔王は異世界を自由に楽しみます~   作者: ねこまじん
1部 3章 王都にて遭遇するものは~その1
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15話

 「支配人、彼らを神殿にまで運びたい。よろしいですか?」

 メルウィは支配人のラドにそう訊ねる。


 「え、ええ。承知しました・・・!」

 支配人は怯えてしまっているようだった。


 その後、神殿の馬車を手配し、倒れている2人を中に運び、神殿まで輸送した。俺たちは神殿に戻るまで無言だった。




 神殿に辿り着くと、


 「テラさん、お疲れ様です。」

 と、カーンが大きく汗をぬぐう。


 「ああ。カーンもお疲れ様。」

 俺が着ている神官の服もいつの間にか、汗でぐっしょりだ。


 正直、精神的にどっと疲れた。2人で衣装と防具を脱いでいると、


 「テラ、カーン、お疲れ。」

 トムとマーガレットに付き添っていたメルウィが戻ってくる。


 未だ黒い審問服を着たままだが、黒いフードとマスクは既に取り外していた。


 「あの2人はどうなった?」

 俺がに訊ねると、


 「医官に預けてきた。だが子どもの方は・・・」

メルウィは目を伏せる。


 「そうですか・・・」

 カーンが表情を暗くする。


 「テラ、約束の報酬だ。少し色をつけておいた。」

 そう言って、金貨と大銀貨をそれぞれ1枚ずつ手渡される。


 「ああ、助かるよ。」

 素直に礼を言う。


 「オレは、今日はもう部屋に戻るよ。じゃあな。」

 そう言うと、メルウィは少し(うつむ)きながら、足早に去っていった。


 「カーン、俺も今日は疲れた。これで帰ることにする。」


 「ええ、お疲れ様です、テラさん。」






 俺は宿に戻ると、ベッドにダイブする。


 ーだが、俺にはまだやるべきことが残っている。ステータスの履歴を見る。


 ――そこには確かに情報があった。


 検体14号 好感度:不明 状態:衰弱

 

 ―誰だよ、こんなもの作ろうとしたのは。


 「あー・・・。」


 精神的に疲れる仕事だった。

 異端審問官という仕事はとてもではないが、俺に務まる仕事ではないな。


 ―そうだ、採掘をしよう。こんな時は無心に採掘をするに限る。


 そういえば、リアリトアは? 彼女と一緒にいた時間は俺にとっての癒しの時間だった。


 ―ステータス・オープン

 緑色。特に異常はないようだった。


 夜は酒でも飲みに行こう。そう考えて一眠りするのだった。





 ーーその日の夜、俺は王都の酒場に来ていた。


 隅っこでちまちま酒を飲んでいると、酒場の中央で何かがどっと盛り上がりをみせる。


 見ると、吟遊詩人の音楽に合わせ、酒場の中央で女が歌い、くるくると踊っている。


 ――見事なものだ。


 「おおー、さすが異世界。」

 酒が進むねえ~。つまみも美味い。



 「―なあ、聞いたか?例のベルフェンの街の金級冒険者。確か遥かな風だったか?デュエイの盗賊討伐に失敗して全滅したって話だ。」

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