1話
いつの間にか俺は、トアレの遺跡まで転移したようだった。辺りはもうすっかり日が暮れている。
ん? ?
遺跡の方を見ると何か違和感がある。
見ると、遺跡の入り口の瓦礫がなく、下に降りる階段が見えている。
トアレの遺跡は枯れた遺跡だと聞いたよな?
―ちょっと中に入ってみるか。
なぜこんな場所にいるのか? といった疑問がありつつも、好奇心に駆られ、俺は遺跡の中に足を踏み入れようとする。
―スキル:アナライズを獲得しました―
久しぶりのメッセージボイスを耳にした。
鑑定か!? 期待しつつ、さっそくスキルを見てみる。
アナライズ:対象の好感度を測定できる。1日3回。
―また使い勝手の悪いスキルを。
「何に使うんだよ、これ。」
一応、敵味方を区別することはできそうだ。場合によっては有用だろう、多分。
俺はそのまま遺跡を降りていくことにする。
―静かなものだ。
通路には発光植物が生えており、とても幻想的な光景である。植物から発せられる淡い光によって、先に進むことができる。今のところ、魔物の姿は見かけていない。特に魔物と出くわすわけでもなく、どんどん先に進んでいく。
ある程度先に進んできたな、そう思ったころだった。
これは、ゴラムの遺跡でも見たな。祭壇がある。
ただし、魔族の像ではなく、天使? か何かの像だ。禍々しい雰囲気はない。いわゆる女神というやつだろうか?
しばらく周囲に何かないか探ってみるが、特に何か仕掛けがあるわけでもなかった。
―が。
あれは? ?
女神像の方を見ると、どことなく見覚えのあるロケットペンダントが掛けられている。
「こいつは? 」
見覚えのあるそのペンダントを開けてみると、とても懐かしい1枚の小さな写真があった。
―まさかこんなところにあるとは。
と、上からいくつかの声が聞こえてきた。少し呆気にとられていたようだ。
階段から上を見ると、女? と多数の騎士の恰好をしたやつらが降りてくるところだった。
「待って。」
女が俺を見てそう言う。
俺は女を見る。女のまわりにぼんやり白く輝く光を見た。
こんなやつに出会うとは!
くるっと180度回転し、下へ駆け降りる!!
あれは魔族の敵だ。聖光気である。
俺の目に見えるほどの。そして、あれでもおそらくは力をセーブしているのだろう。
直観的にそう感じた。
逃げよう!!!
―しかし、ほどなくして、光の壁が出現し、壁に逃げ先を阻まれる。
「どこへ行くの? 」




