逆立幸運機会! ~逆立ち女子とあなたがつながった姿は、耕運機とそれを持つ農作業員のようになる~
登場人物が中学生なのか高校生なのかは明言しませんでした。高校生が長めのスカートの中にハーパン穿いてるなんてあり得ない! そう思う方は中学生として、お読み下さい。高校生で長めのスカートの中にハーパン着用してるの萌える! そう思う方は高校生設定でどうぞ。
学校の卒業式が終わり、後は下校するだけになる。
「今日で会うのも最後になるのかな」
それなりに仲の良かった女子と、男子のあなたは教室で話をしていた。
黒髪を三つ編みにしたブレザー姿の彼女とは、進路が異なる。卒業後は会う機会が減るだろうし、下手をしたら、もう再会はないかもしれない。
最後ならば……と思い、あなたは旧校舎に行こうと彼女を誘った。
「……うん。いいよ」
それから二人で、人があまりいない旧校舎の最上階に向かう。その間、お互いにほとんど言葉を交わさない。
誰もいない空き教室の中に、あなた達は入った。
「もしかして……。ここで……、エッチなことを、したりするの?」
半分恐れるように、三つ編み女子は近くで聞いてきた。真面目そうな子がそんなことを自分から言い出すとは思わなかった。
あなたは、そうではないと否定し、逆立ちをしてもらいたいと返した。
「え、逆立ち? ここで?」
突拍子もないことを言われた女子は、困惑の顔を見せる。
「私、やったことないんだけど……」
彼女の運動神経は悪いほうで、体育の成績も低い。
ちゃんと手伝うから大丈夫だと、あなたは彼女を安心させるように伝えた。
「どうして逆立ちなの?」
ごもっともな質問をされたので、あなたはこう話す。普段やらないようなことをやってもらって、その三つ編みが床に垂れるなんて姿を見たら、ずっと記憶に残るような思い出になるんじゃないか、と。
「……うん。確かに、その通りかも。じゃあ、やってみるね」
女子はその場で四つん這いの姿になった。
「私の足を持ち上げてくれる?」
あなたは彼女の後ろ側に回った。しゃがんで、彼女の両足首をつかんだ。
彼女は痩せた容姿だけれども、やはり持ち上げるのは重い。上部に足を引っ張りながら、あなたはゆっくりと立ち上がる。
逆立ちの途中の段階で、長めのスカートの中が紺色のハーフパンツだと分かった。もしハーフパンツを穿いていなかったら、全力で逆立ちを断られたかもしれない。
彼女が逆立ちの格好になれば、当然スカートも真っ逆さまになる。ハーフパンツ全体が、あなたの視界に入る。
あなたには、彼女のお腹周りも見えてしまう。スカート内側にあった白いブラウスの裾も、下へと向かう。
逆立ち彼女とあなたが一体化した姿は、耕運機で畑を耕す農作業員のような姿に近い。
足元を見下ろすと、彼女の前髪が真下に垂れている。一本の長い三つ編みの先端が、床に触れている。
普段とは上下が反対になった彼女の顔が面白い。胸部は大きくないので、強張った顔がしっかりと見られる。
それだけじゃない。ハーフパンツ内側の隙間から、普段ならまず見られない、奥にある白い下着が目に入ってしまい、興奮してしまった。
思っていた以上に新鮮で、心の高ぶりを感じずにはいられない光景を、ずっと眺めていたかった。
「あの……。いつまでこうしていればいいの?」
彼女は辛そうな声を出す。
あなたが手伝っているにしても、細い両手で体を支えるのは疲れる動作だと言える。長時間やらすのも申しわけないので、あなたは丁寧に両足を下ろし始めた。
両足が床に着いたところで、あなたは手を離す。彼女は体を起こすと、手の平や三つ編みの先端が汚れてしまったことを気にしていた。
この先、二度と見られないような、貴重な思い出を最後にありがとう。あなたは彼女へと感謝した。
「……最後だなんて、言わないで」
彼女は悲しげだった。
「これからも、出来れば定期的に会いたいよ。……私のこと、嫌い?」
この女子のことが、かつてない程に愛しく映った。
感情を揺さ振られるあなたは、我慢出来なくなっていた。
最後になんて、したくない。
最後を回避するための、――つなぐための行動を、おこなう。
あなたは彼女へと口づけをした。
彼女の驚いた瞳を少しの間、見つめ続けて、そっと顔を離す。
「いきなりキスをされるなんて……びっくりだけど……、今のが答えだと受け取ってもいいんだよね? 私も、あなたのことが好き。――卒業しても、おつき合い、よろしくお願いしますっ!」
顔が真っ赤だった彼女は、最後に恥じらいを振り払うように大きく頭を下げた。
こうして、卒業式を迎えた日は、仲の良い女子からの卒業日ではなく、彼女との交際が始まる日になった。
また逆立ちをしてもらう気はないけれど、彼女の心はつかんだままでいたい。逆立ちの時につかんだ足首のように。
(グッドエンド)
今回のコンセプトは、逆立ち書きたい、でした。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。