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クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


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行ってみっか(5)

 驚きを隠せない私の様子に、由香里がクスリと小さく笑う。


「ということは、こんなところで油売ってる場合じゃなさそうだね」


 由香里の言葉にハッとする。私は、由香里に別れを告げると、急いで自分の部署に向かうことにした。


 エレベーターを待つ時間すら惜しくて、階段を駆け上がる。フロアに着くと、既にシロ先輩の姿はなかった。課長と共に先方との打ち合わせに入っているようだ。


 仕方がないので、フロアに残っていた社員を捕まえて、新規クライアントについて尋ねた。どうやら由香里の話は本当のようだった。


 プロジェクトリーダーになるだろうシロ先輩はまだ戻って来ない。とりあえず、私はパソコンを立ち上げて、その会社のことを少しでも調べることにした。


 その会社はホテル業を中心に様々な事業を展開している企業だった。ウェディング事業に参入したのは比較的最近のことのようだ。ブライダル部門に力を入れているようで、挙式のプランが充実している。


 ふと、頭に理沙の顔が浮かぶ。新しい物好きの理沙のことだ。きっと、こういう新しくて豪華なチャペルで式を挙げたいと言ったのだろう。


 そんなことを考えていると、打ち合わせが終わったのか、ぞろぞろと営業部の社員たちが戻ってきた。その中に、シロ先輩もいた。私は、早速、シロ先輩に声をかける。


「お疲れ様です」

「おう。マジで疲れたわ」


 疲れた表情を見せるシロ先輩だったが、その顔にはウキウキした様子が滲み出ていた。これからの仕事に対する期待感だろうか。珍しいこともあるものだと、私は内心驚いた。


 しかし私は、何食わぬ顔を装いながら、話を切り出す。


「新規プロジェクトって、ウェディング関係なんですね」


 私の質問に、シロ先輩は得意げに口角を上げる。


「お! 耳が早いな。そうそう。うちの会社にマーケティングと企画の依頼が来た」


 シロ先輩はそう言うと、持っていた資料の中から一枚の紙を取り出す。そこには、ターゲット層や将来的な方向性、予算などのデータが書かれていた。私はその内容を目で追っていくうちに、あることに気付く。


 それは、チャペルの収容人数だ。チャペルの収容人数は200人と書かれている。理沙の結婚式はそれほど大規模に行われるのだろうか。私が不思議に思っていると、シロ先輩が説明を始める。


 今回、依頼されたプロジェクトは、ホテルの婚礼メニューの拡充を目的としているようだ。まずは、ウェディング業界での知名度を上げたいとのことらしい。

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