表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/155

二日酔いジェラシー(7)

「ならいいが。あまり無理をするなよ。それでなくてもお前には色々と負担をかけてしまっているからな」

「いえ、ありがとうございます」


 シロ先輩がぺこりと頭を下げると、課長は軽く頷いて去って行った。他者に声をかけられて冷静になったのか、シロ先輩はチラリとこちらを見だだけで何も言わなくなった。


 その後シロ先輩は何事もなかったかのように仕事を再開した。私もそれに習って仕事に戻る。


 そして結局、シロ先輩の不機嫌の原因がよく分からないまま仕事は終わってしまった。


 仕事帰りに、スーパーに寄って食材を買う。今日のメニューは豚肉の生姜焼きにするつもりだ。なんだか気持ちがモヤモヤとする日は、自炊をしてストレスを発散しようと決めている。


 材料を次々と買い物かごに入れる。豚肉をどれにしようかと悩んでいると、スマホが短く鳴った。確認すると、シロ先輩からメッセージがきていた。


“今から会えないか?”


 買い物の後は特に予定もない。だが、今日は自炊をすると決めている。それに、シロ先輩とは気まずいまま会社を出てきてしまったので、会いづらい。しばらく迷った末に私は、返事を返した。


“すみません。このあと用事があるので。明日ではダメですか?”


 送信ボタンを押してから、少し後悔した。断るための嘘にしては、少々ストレート過ぎたかもしれない。


 シロ先輩からの返信はすぐに来た。


“そうか。まぁ、大した用事でもないから。また、明日”


 そんな淡白な文面に私は違和感を感じた。どうしたものかと考える。


 正直、まだシロ先輩との気まずさを引きずっていて、彼と面と向かって話したい気分ではなかった。けれど、彼は普段用事もないのに連絡はしてこない。大したことではないと言っているが、それなりに重大な要件なのではないだろうか。


 少しだけ考えて、私は返信の文字を打つ。


“すみません。シロ先輩が連絡をくれるということは急ぎの用事ですよね? 会社へ戻れば良いですか?”


気になるものは仕方がない。私はシロ先輩に会うことに決めた。シロ先輩からはすぐに返信がきた。


“予定があるんじゃないのか?”


 本当は無いので、別に問題は無い。安直に返信してしまったことを若干後悔しつつ、文字を打ち込む。


“予定変更したので大丈夫です”


 そう送ると、すぐに既読がついた。


“じゃ、待ってる。◯◯駅を出たところにある喫茶店で”


 返ってきた文字に目を見張る。どうやらシロ先輩は、私の家の最寄り駅まで来ているようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ