表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/155

二日酔いジェラシー(5)

「ああ、矢城さんとは食堂で一緒にお昼を食べていたんだ」

「昼?」

「そう。さっきメールしたろ。サンドイッチを買ったから、食べれそうなら持って行くって」

「あ、ああ。サンドイッチな……」


 その会話を聞いて、私は思わず呟いていた。


「あ、じゃあさっきメールしてたのは……」

「うん。史郎に」


 白谷吟がニコニコと笑う。その答えを聞き、私は心底感心した。てっきり仕事のメールだと思っていたのだが、まさか、シロ先輩へ連絡していたとは。


「そうだったんですね。白谷先輩は優しいですね」


 私がそう言うと、白谷吟は何故か苦笑した。


「昔から史郎の世話を焼いていたから、習慣だよ」


 そう言って肩をすくめている白谷吟を見て、この二人は本当に仲が良いのだなと思った。その後、白谷吟はシロ先輩にサンドイッチを押し付けると、私に向かって軽く手を振り、自分の部署へと戻って行った。


 残されたのは、私とシロ先輩だけだ。シロ先輩は何か言いたげな様子だったが、結局何も言わずに歩き出した。慌てて後を追う。


 オフィスに戻ると、シロ先輩は自分のデスクに着いた。パソコンの画面に向かうシロ先輩の横顔をじっと見つめてしまう。やはり顔色が良くなっている気がする。良かったと思うと同時に、シロ先輩の仏頂面が気になった。


「シロ先輩。なんでさっきから不機嫌なんですか? せっかく白谷先輩がサンドイッチ届けてくれたのに」


 シロ先輩はちらりとこちらを見る。それから、ぶすりとした顔のままサンドイッチを開封し、食べ始めた。


「別に不機嫌じゃない」


 口をモグモグと動かしながら、ボソリと言葉を発したシロ先輩に思わずツッコむ。


「いや、でも、いつもより眉間にシワ寄ってますけど」

「……そんなことない。気のせいだ」


 シロ先輩は再び視線を画面に向けると、サンドイッチを咥えたままキーボードを叩き始めた。私は首を傾げるしかなかった。


 午後の仕事が始まった。


 相変わらず隣から放たれるイライラオーラのせいで、仕事に集中できない。先ほどから、シロ先輩がちらり、ちらりと私を見ているのを感じる。


 もしかして、私に苛ついているのだろうか。そうだとすれば何故だろう。正直、苛立たせることをした覚えがない。


 そう思ってシロ先輩の方を見ると、彼と私の目が一瞬だけ合った。すると、シロ先輩は小さく舌打ちをした。


……だから! どうして私を睨んでるんですか!?


 分からない。全く理由が思いつかない。


 私は意を決して、隣の席の人を見据える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ