表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/155

二日酔いジェラシー(4)

 そんなことを言いながら、白谷吟は唐揚げを一つ、私のお皿の上に乗せてくる。


「え?」

「やっぱり、女の子の食事を見てると、少ないなぁと思っちゃうんだよね。だから、お裾分け。ここの唐揚げ美味しいから食べてみて」


 笑顔でそういう白谷吟の顔を見ながら、絶対に少なくはないと思いつつも、唐揚げは好きなのでありがたくいただいた。サクッとしていて美味しい。


 そんなこんなで、しばらく二人で昼食を食べた。白谷吟は、本当に良く喋った。


 まるで、以前から知り合いだったかのように気さくに話しかけてくれる。彼の話はとても面白くて、私はすっかり聞き入っていた。


 おかげであっという間に完食してしまった。ふと時計を見ると、休憩時間も残り10分になっていた。白谷吟もサンドイッチを残して、他は食べ終えている。


 そろそろ戻ろうかという話になり、私たちは席を立つ。返却口にトレイを置いて、食堂を出る。白谷吟の手には最後まで残されたサンドイッチがあった。


 そのまま一緒にオフィスに戻り、課の違う白谷と別れようとしたときだった。


 ちょうど廊下の角から出てきた人物にぶつかりそうになった。咄嵯に避けようとするが、相手の動きの方が早かった。腕を掴まれ、引っ張られる。バランスを崩した私は、倒れそうになるのをなんとか堪えて踏ん張り、体勢を整えようとしたが遅かった。次の瞬間、誰かの腕の中にいた。


 何が起きたのか分からず、混乱する頭の中で、抱きしめられているということだけは分かった。目の前にあるスーツからは、嗅ぎ慣れた香りがする。


 恐る恐る顔を上げると、そこにはシロ先輩がいた。彼は私を抱きとめると、すぐに手を離した。そして、驚いたように目を見開いている白谷吟と向き合う。私もまた、驚いて彼を見上げていた。どうしてここにシロ先輩がいるのだろう。


 白谷吟は、私とシロ先輩を見比べるようにして見ていたが、やがてシロ先輩に問いかけた。


「やぁ、史郎。体調はどうだい?」


 その言葉に、私はハッとする。シロ先輩の顔色は午前中よりも良くなっていた。それどころか、頬に赤みすら差しているように見える。午前中の青ざめた顔が嘘みたいだ。私が密かに安堵していることなど知らないシロ先輩は、白谷吟の問いに対して、答える代わりに眉をひそめて私を見た。


「吟……と、クロ? なんで一緒に……?」


 声音には微かに困惑が滲んでいるような気がした。一方、白谷吟は、そんなシロ先輩の様子に構わず、ニヤリと笑う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ