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クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


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二日酔いジェラシー(1)

「おはようございます!」

「クロ〜、朝からでかい声出すなよ……」


 出勤し朝の挨拶をした私に、弱々しい声でシロ先輩が抗議する。デスクには、相変わらず山のような書類に紛れて、いつもはない二日酔いを軽減させるための薬が置かれていた。昨日のシロ先輩の酔い姿から、もしかしたらとは思っていたのだが、どうやら案の定だったようだ。


「シロ先輩、二日酔いですかぁ? 昨日はグデングデンでしたもんね。先輩、あんまりお酒強くないんだから、ちゃんとセーブしないと」


 ニヤリと笑ってみせた私に、シロ先輩はチッと舌打ちをして、私の方を睨んだ。私はクスクス笑いつつ、手にしていたコンビニの袋をガサゴソと漁り、買ってきたばかりのフルーツのパックをシロ先輩に押し付ける。


「はい! これ食べてシャキッとしてください。二日酔いにはビタミンCですよ〜」

「お前は元気そうだな……。俺がこんなになってるっていうのに……ズルいだろ……」


 恨めしげに私を見るシロ先輩。私は、その視線をスルーしつつ、シロ先輩の右隣の自分の席に着くと、パソコンを立ち上げた。


 程なくして、フルーツの甘い香りが隣から漂ってくる。シロ先輩は、早速フルーツに手をつけている様だ。これでしばらくすれば仕事が出来るようになるだろうと安堵しつつ、私は業務メールのチェックを始める。カタカタとキーボードを鳴らし、何件かのメールに返信をし終えたとき、隣の席のシロ先輩が話しかけてきた。先ほどまでの不機嫌はどこに行ったのかという程に、ニコニコしている。フルーツ効果か。


「なあ、クロ。昨日、白ヤギがどうとか言ってなかったか?」


 シロ先輩の問い掛けに、私はキョトンとしてしまう。確かに言った。だが、そのときシロ先輩は酔いに負けて寝ていたはずだが。


「先輩、酔って寝てたんじゃないんですか?」


 私が問うと、シロ先輩は首を傾げる。


「ああ、ほとんど記憶ない。だけど、そんな事を話したような気がするんだ。あれ? 夢だったか?」


 どうやら記憶が曖昧らしい。


「まあ、白谷先輩と少しそんな話しましたけど、でも、なんで急に?」

「いや、なんか、引っかかっただけ。だって、白ヤギなんてワード、普段の会話で出てこないだろ」


 言われてみれば、そうかもしれない。


「そういえばそうですね。でも、それがどうかしたんですか?」

「いや、別になんでもないよ」


 そう言うと、シロ先輩は再び、頭痛がしたのか顔を顰めた。もうしばらくは、二日酔いに苦しみそうだ。

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