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クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


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むかし歩いた道(1)

 シロヤギさんと再会しているかも知れないと言われても、ピンとこない。


 私は、昨日の萌乃の言葉を思い出していた。何故そう思うのかと尋ねてみたが、萌乃は、ただ、直感的にそう思ったのだと言った。その割には妙に確信めいた言い方が気になったが、それ以上追及しても答えてくれなかった。


 どこか訳知り顔で私を見てくる白谷吟にも、もしかして何か知っているのではないかと尋ねてみたが、彼は、微笑むだけで何も答えようとしなかった。


 結局昨日は、その後しばらく他愛もない雑談をして解散となった。


 しかし、萌乃の言葉が頭から離れなくて悶々とした私は、休日を利用して実家へ帰ってきていた。昔よく歩いた道を散歩がてらブラついていれば、シロヤギさんのことについて、そのうち何か気がつくかもしれないと思ったからだ。


 シロヤギさんを連れて歩いていたあの頃の道程を辿るように歩く。見覚えのある景色が通り過ぎていく。


「懐かしいなぁ」


 独り言のように呟く。幼い頃の記憶が呼び起こされるようだった。


 しばらく歩いていると、思い出の神社が見えてきた。ふと視界の端にポッカリと空いた空間が映る。どこか記憶と違うその風景に、私は首を傾げる。


「あれ? こんな更地みたいなところだったっけ?」


 記憶の中の光景と目の前の風景が重ならないことに違和感を覚えた。


 私が最後にここを訪れたのはいつのことだっただろうか。確か高学年くらいまではここを訪れていたはずだ。その後は、足が遠のいてしまったけれど……。そんなことを思い返していた時、後ろから声をかけられた。


「クロ?」


 突然聞こえた聞き覚えのある声に振り返ると、そこにはシロ先輩がいた。私は驚いて目を見開く。


(どうしてシロ先輩がここに?)


 そんな疑問が顔に出てしまっていたらしい。同じように驚きの表情を見せていたシロ先輩だったが、すぐにプッと吹き出した。


「なんだ? そのマヌケ顔」


 笑いながら問いかけられた言葉に、私はまだ固まったままだ。


「お前、こんなところで何やってるんだ?」


 シロ先輩はそう言うと、私の隣までやってきて立ち止まった。


「何でシロ先輩がここに?」


 驚きのあまり、シロ先輩の質問には答えずに質問を返した私に、シロ先輩は呆れたような視線を向けてきた。


「俺はこの辺りに用事があって来たんだよ。そうしたら、お前がボーッと突っ立ってるもんだから、ビビったわ」


 シロ先輩はそう言って、私の方を見る。


「で、お前はこんなところで何してたわけ?」

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