表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/155

シロヤギさんにまた会えた?!(6)

「まさか文通って……同じクラスの男子と交換日記……なんてオチじゃないだろうな」


 そう言ってシロ先輩はじっと私を見つめてくる。いつも通りの落ち着いた目だけれど、どこか探るような色を帯びている気がする。


「もう、何なんですか。シロ先輩まで」


 シロ先輩の妙に真剣な態度に戸惑ってしまう。何とか話を逸らそうと試みるが、二人とも引いてはくれなさそうだ。


 こんな状況を作り出した白谷吟を恨む気持ちを込めて睨んでみるが、彼は、気にも留めずに平然と笑っているだけだ。


(まったく、何を考えているのやら)


 諦めムードで私が溜息をついていると、またもや白谷吟が爆弾を投下した。


「でも、交換日記っていうのは、当たらずも遠からずって感じだよねぇ」


 そう言いながら愉快そうに笑う。シロ先輩と萌乃は、驚いた顔で同時に私を見た。私は、恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、慌てて首を横に振る。


「いや、あの……交換日記っていうか、メ、メモのやり取りをしてただけですよ……」


(何これ。何の罰ゲーム?)


 頭の中でぐるぐると疑問が渦巻き、羞恥心で体が熱くなっているのを感じる。いや、体が熱いのは酔っているせいもあるかもしれない。


 とにかく、何とかこの状況から逃れたい。しかし、私の願いとは裏腹に、萌乃の興味は止まらない。


「へー、どんな内容の交換日記だったんですか?」

「だから、交換日記じゃないから。本当にちょっとしたやりとりだったの。今日の体育の授業が嫌だったとか、ピーマンを残して親に叱られたとか、そんな些細な日常の愚痴みたいなものを書いていただけなの」


 私の説明に、萌乃は不満げである。頬を膨らませて、本当にそうなのかと訴えるように白谷吟を見る。


 萌乃の無言の圧力を受けても、白谷吟は、涼しい表情でニコニコと微笑んでいる。この人のマイペースぶりには、感服してしまう。その隣でいつの間にか口をつぐんだシロ先輩は、少し考え込むようにして顎に手を当てていた。


 私は萌乃を諦めさせるため、仕方なく詳細を掻い摘んで話すことにする。


「子供の頃、私は大切にしていた物を落としてしまった事があるの。次の日探しに行くと、それは少し高い位置に拾い上げてあったの」

「誰かが拾ってくれたんですね」


 萌乃の言葉に、私は軽く頷いた。


「そうなの。とても大切な物だったから、拾ってくれた人は誰だか分からなかったけど、私はお礼が言いたくて、それが置いてあった場所にメモを残したの。見つけましたって」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ