表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロとシロと、時々ギン  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/155

シロヤギさんにまた会えた?!(3)

 きっと、今の私は茹でダコのように真っ赤になっていることだろう。


 そんな私は、慌てて取り繕うように言葉を発した。


「元通りって……、別にいつもはこんなこと……今日は、たまたまというか……」


 焦りのあまり、声が裏返りそうになる。


 落ち着け、私。冷静になるのよ。


 自分に言い聞かせながら、必死に平静を装うが、上手くいかない。


 私とは対照的に、シロ先輩は落ち着き払っていた。シロ先輩は、動揺することもなく、涼しげな顔でビールを煽る。そんなシロ先輩の横で、白谷吟が可笑しそうに笑っている。


「今日の矢城さんは、なかなか積極的だから」

「もう、白谷先輩まで、辞めてくださいよ。さっきのは、つい、ですよ。つい!」


 白谷吟の言葉に、私は慌てて否定をする。白谷吟は、それ以上は何も言わずニコニコと私とシロ先輩を交互に見ていた。


 その視線が、居心地悪くて仕方がない。恥ずかしさを誤魔化すように、残りの唐揚げを口いっぱいに頬張って咀しゃくするが、先ほどまでと違い、味がよく分からなかった。


 相変わらず澄まし顔のシロ先輩を横目に、チラリと見やる。


 シロ先輩だって、本当は困ってるんじゃない?


 そう思うのだが、当の本人は、そんな素振りは一切見せない。それどころか、何事もなかったかのように、黙々と食べ進めている。シロ先輩が、何を考えているのか、全く分からない。


 私は、モヤモヤとした気持ちを抱えたまま、無心で食べ物を口に運び続けた。無反応になった私を見て、萌乃は不思議そうな顔をした後、苦笑いを浮かべた。そして、軽くため息をつくと自分の食事に戻った。


 気まずい空気が流れる。


 どうしよう。


 私は、いたたまれない気分になりながらも、ひたすら無言で箸を動かし続けた。


「何だか、場の雰囲気が悪いし、もっかい乾杯でもしとくか」


 意外にも沈黙を破ったのは、シロ先輩だった。シロ先輩は、おもむろに空のジョッキを持ち上げてそう言う。シロ先輩なりのフォローだと気が付いて、私は、慌てて自分のグラスを空ける。


 シロ先輩が、店員を呼び止めて注文をするのに続いて、私も新しい飲み物を注文した。程なくして、飲み物が運ばれて来ると、もう一度仕切り直しとでもいうように、シロ先輩が音頭を取った。


「えーっと、じゃあ、改めて。プロジェクトの終了、おつかれ!」


 シロ先輩の掛け声に合わせて、皆でグラスを合わせる。カチンッと小気味良い音が響くと同時に、ゴクッと一口飲む。冷たい液体が喉を通り抜けていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ