第1話 ぶっ壊れスキル
俺は化学が得意な普通の高校生、神田元太。
早く帰って、ゲームをしないければ。
今日は楽しみにしていたイベントがついに始まるのだ。
楽しみすぎて、授業も上の空だったな...
そこは反省点...
まぁゲームが出来ればあとは...
突然体に衝撃が走る。
時間がゆっくりと流れ始め、体が宙を舞う。
痛い...一体何が起こった?
女性の悲鳴が耳を劈く。
周りを見ると1台のトラックが信号を無視して横断歩道を横切っていた。
どうやらこのトラックに轢かれたらしい。
死ぬ...のか?
いや、このまま死ぬわけにはいかない。
ゲームのイベントをまだまわしていない...
こんな死に方、ラノベでしか見ないぞ。
死ぬに死にきれん...
たが、トラックに轢かれて生きていられる方が不思議だ。
ならばせめて、次の人生では悔いのない人生を送りたい。
どうせなら、神にでもなってみたいな。
この世の物を統べる者...
死に際に何考えてんだか...
母さん、父さん、ごめん...
そこで俺の意識は途切れた。
しばらくして俺は目を覚ました。
真っ暗でひんやりとした空間。
見た感じ洞窟...というより洞穴?
たしか死んだはず...なんで生きてるんだ?
転生か?それはないかさすがに。
にしても不思議だ。
とりあえず出てみるとスライム発見。
ゲームか何かの世界?やっぱ転生?
にしても数が多いな...
倒さないと先へは進めなさそうだ。
「戦闘要素があるということはステータスもあるのか?どうやってみるんだ?」
<ウィンドウと言えば見られます。>
え?誰?どこから話してるんだ?
<これは世界の声です。制限付きではありますが、ほとんどの質問に答えられます。>
え、チートじゃん...ぶっ壊れかよ。
もはやなんでもありだな…
ウィンドウ!
お、これがステータスか。
えっと...
体質:???
能力:水素、世界の声
スキル:なし
ん?何だこのしょぼい能力...
てかスキルなしってなんだよ。
おい、世界の声どうなってんだ?
<能力とは、あなたが持つ力です。この世界には雷、炎、水、創造、もしくはその派生系の体質があり、それに付随した能力を保有します。そして、その能力を使った技がスキルです。これは自作なので、似た能力を持つ者同士でも異なることがあります。>
なるほど...
だけど、なんで体質が分からないんだ...?
まさか俺って体質ないのか...?
なんで見れないんだ...1番それが聞きたかったのに...
まぁ細かいことは気にしていられない。
どうにかしてこのスライムを倒さなくては。
水素でどうしろと...うーん...
あ、そういえば核融合反応なんてものがあったな。
試してみるか。
「多重水素発生!融合!」
<初級スキル多重水素発生を獲得。さらに中級スキル融合を獲得、スキルの統合を行います。超級スキル水素核融合を獲得。水素核融合を発動します。>
そう言い放つと、目の前で大爆発が起こった。
その反動で後ろに2mほど吹っ飛ばされた。
「し、死ぬかと思ったー。しばらく封印しよう。」
威力高すぎて使い勝手悪いやつだ...これ。
<スライムを5体討伐、レベルが上がります。それに伴い、能力にヘリウムを追加。>
さっきから情報量が多いな...
「なぁ世界の声、超級スキルって言ってたけど、何段階あるんだ?」
<スキルには初級、中級、上級、超級、神級があります。階級が上がることに、獲得難易度や威力、性能が上昇します。>
うわ...まじかよ。
既に超級所持とか、システムバグってんだろ。
まぁでもあの威力なら納得はいく。
「さらに質問だ。この能力ってレベル制なのか?」
<はい、能力を使用したりモンスターを討伐したりするとレベルが上がり、新たな能力を得られます。>
あ〜、よくあるやつね。
じゃああんまり苦労しなさそうだな。
てか、俺の2回目の人生開始早々忙しないな。
せっかく転生したんだし、名前も変えてみようかな。ゲームで使ってた名前にしよ〜っと。
今日から俺はハイド・エレメントと名乗ることにしよう。
こうして俺はトラックに轢かれて死んで、異世界へと転生を果たした。
作者の音遠と申します。
今回はご愛読ありがとうございました。
処女作になりますので、拙い文章だと思いますが、
今後もぜひ異世界無双をよろしくお願いします。