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寂しがる生き物の筆頭格は

作者: 小英惟初

結局はみんなそれぞれ欲するものが別のもの

なのに無理して手を取り合ってわかり合おうと

法の下我慢して生きていく

なんという寂しがり屋な生き物でしょう


人付き合いが厭になったら言語も笑いも捨ててしまって

山ででも焚き火をすればいいというのに

心の内でそんなことは楽しくないと損得感情で反発をする


人間は夢を見て日付け数えて損得計って一喜一憂

もしもその次の瞬間、人間が世界に自分だけとなったら

生きられないと口にする

動植物にまねた理由を持ち出しながら

確かに自分以外がいないと食に困るさ

けど彼彼女らは単体で肉に噛み付き虫を誘い世を渡る

生きるため


対して人はそのような夢を見はせずに

誰かにまたは誰かを必要とされたがりまたはしたがり

欲のまにまに自己顕示して独占もして

かったるい術を用いて世を渡る

そんなにもして他人に選ばれまた選び

自分を貴重な意味にしたがる

なんという寂しがり屋な生き物でしょう


(そもそも今の環境を選んだのさえ

寂しいことが第一じゃない

生まれまた育ちさえ選択できた覚えはないし

別段ここで他人と一緒にいたがっている訳でもない

山で焚き火をする決心も欲しくない

人付き合いや社会生活の気詰まりなのは苦しいけれど


別の場所では尊敬しているあの人が歌っていて

それを観れたら「これでいいか」と

諦観じゃない

これこそ自分の欲しいものなのだから

人が集まり働いている社会へやはりまた回帰する


みんなの欲しいものが違う

だからこそ諍いが起き苛立ったり

蟠り悲しくなったりするけれど

寂しがり屋のみんなとだから付き合いを断つのは難く

また損得はお互いが両方を同等に持っていないと

釣り合い悪くなってしまう


みんなの欲しいものはそれぞれ違うというのに

寂しがり屋で厄介なんだ

けれどそれぞれ欲するものがあるからみんな生きている

嗚呼なんて面倒くさい生き物でしょう)

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