出会った
お待たせして申し訳ございません。思い出しながら続き書きます。
なんということだ。
町に人がびっしりだ。スタビに住んでいる人は全員来ているのではないか。ピーク時でも、周りと一メーゼくらい距離を置けたのに、今は少しよそ見をしたらすぐに人とぶつかりそうだ。
「箒で来て正解でしたね‥‥‥。」
「だね‥‥‥。」
しかし、あまりに人が多すぎて、着陸できない。このままだと魔力が尽きて落下する。
「受付、めっちゃ人いますね。どうします?」
「着陸できそうな所まで移動しよう。できれば、行列の近くに。」
「だとすると、あそこだな。」
師匠が指差した先は、四百メーゼはありそうな行列の最後尾からさらに離れた、夜の店だった。
いや、ないだろ。ネーシェがいるんだぞ。
「いや、シギンとネーシェがいるんですよ。」
すごい。タンプさん、殆ど同じことを言った。
「ネーシェ大丈夫だもん。」
「いや、でもな。」
「大丈夫!」
ネーシェは箒に触って、動かそうとしている。師匠が持っているので、びくともしないが。
「いいんじゃない?まだ昼過ぎだし、そんなに人はいないでしょ。」
「いや、でも。」
「子供たちの目は私たちでふさいで、シドスさんが箒全部動かせばいいんじゃない?」
とんでもなくハードなことをカーネさんが言った。
確かに、師匠の魔力量は今から三人分動かすには足りるだろうけど、子供の目をふさぎながらは結構大変だと思うのだが。
と思っていたら、箒が誰かに引っ張られた。さらに視界が誰かの手で覆われた。やるのかよ。
あと想像以上に怖いな。
地上を歩けば恐怖心は薄れるかと思ったが、そんなことはなかった。
行列に着くまでずっと目をふさがれたままだった。見えていないのに変な目で見られている感覚に陥った。
こんなに早く終わってほしいと思った時間は現世では今までなかっただろう。
結局行列に並んだのは師匠とカーネさん(とネーシェ)だけで、他の皆は町を廻っておけ、と言われた。
でも、別に行きたい所なんてないし、俺も並ぼうか。
「シギン行くところないねよしお父さんと一緒に行こう。」
「え?いや俺、てうおおおおおお!?」
いつの間にかタンプさんに手を握られていて、引きずられる。
なにこれ、全然反抗できない。魔法を使えばどうにかなるかも知れないが、するなと言うオーラを感じる。
「父さん、せめてどこ行くかは教えて!」
「場所取り。」
「場所取り?」
「鬱憤上げのろうそくが一番よく見える所を取る。早く箒上げて。」
ずいっと、箒を顔の前に出されて、思わずたじろぐ。
怖い。やる。やるから。血走った目に無表情の顔で見つめないでくれ。
「そう、そこ。その辺り。多分、そこが一番綺麗に見えるよ。」
箒を飛ばした先はいつもルーシェと魔法の実践をしているときの草原だった。
しかしいつもと違うところが一つ。人がまばらに見える。タンプさんの言動からして、鬱憤上げんを見に来た人だろう。それで、場所取りにきたと。
布をつぎはいで作った大きい布を地面に敷くのを手伝いながら疑問を口にする。
「ルーシェに頼んでこういう場所を確保してもらえばよかったのに。」
「自分の力でやるからこそ意味があるんだよ。」
「息子の力は自分の力か。」
「そこは人脈ってことで。」
「じゃあルーシェに頼むのも人脈だよ。」
「う、そっそうだ。お礼になにか買ってやろう。何がいい?」
「特にない。」
「じゃあ、してほしいことは?」
「一人にさせて。」
「はいわかりました。」
タンプさんは表情一つ変えずに布から離れていったが、歩き方がとぼとぼとしていた。
確かに、トゲのある言い方をしてしまった。鬱陶しいと思ったわけでも、嫌っているわけでもなかったのだが。本当に一人になりたかっただけだ。
というのも、飛行でだいぶ魔力を消費していた。ボーッとして、魔力を回復させたかったのだ。
今日は風がほとんどない。そして晴れている。日向ぼっこには、最適の状況だ。
陽光を全体で感じたくて、体を倒す。心地良い。
日が眩しくて、いつの間にか瞼を閉じてしまった。
「‥‥‥ん。」
目を開くと、視界に朱が差していた。どうやら寝てしまっていたようだ。
見知らぬ女が俺の顔を覗きこんでいる。
え?
「おはよう。」
「は!?」
そんな挨拶されても警戒心は薄れない。誰だ。
手をよく見てみると、指が六本あり、長さが一緒だ。もしかして。
と考えていたら、視界が一気に変化した。
「起きたか。紅茶飲むか?」
師匠が俺の顔を覗きこんでいる。ビックリするからやめてほしい。彼の左手には皿が握られている。
「紅茶って、何ですか?」
ものすごく驚かれた。
「紅茶は標高が高いところで取れる葉から取った飲料だ。飲んだことないのか?」
「飲み物は水しか飲んだことないです。」
「今度サンス大陸連れてってあげなよ。美味しいよ。」
「ええと、あなたはどなたでしょう?」
「私?私はね‥‥‥。」
彼女はその場でぐるぐる回り始めた。
あ、止まった。と思ったらまた回り始めた。
特徴的な挨拶をしたいタイプのようだ。
「ストップって言ってやれ。」
「ストップ。」
「カニスだよ。」
何もないんかい。
「見てわかる通り、ディーダ族だよ。そして、シドスと同じように、ディーダ族の魔法を広めてるよ。私は留まって教えるタイプじゃなくて、旅しながら広めてるけどね。気になってくれた人がいたら、移住してる奴らに流す感じで。」
「それでこの町に来たと。」
「正解。いやー、テシスの飯はうまいねえ。」
「来るなら事前に言ってほしいものだ。」
「それじゃサプライズにならないでしょ。」
それから二人は話し込んでしまった。見てて感じるが、とても親しげだ。まあ、同郷の人と会っていなさそうだったからな。弾む話もあるだろう。
紅茶、変わった味をしているが上手いな。ちょっと舌がヒリヒリする。
「こっちにタンプがいると思っていたんだが‥‥‥。」
「あ、一人にさせてほしいとどこかへ行かせてしまいました。」
「そうか‥‥‥。まあ戻ってくるだろう。」
師匠は布に腰をおろした。カニスさんに手招きをしていた薦めていたが、断られた。
「私はまた違うところで見ようと思う。」
カニスさんがゆっくりこっちに近づいてくる。笑顔で。背筋がなぜかぞわりとする。笑顔が妙に作り物っぽいからか?
「ねね、ユナガって知ってる!?」
ユナガ?ユナガって彼か?俺の奴隷で、俺を殺した。
「奴隷解放をした奴でね、すんごく強くて速いの!当時シュタルツっていうゲスの奴隷だったんだけどね、そいつとを殺して、ディティールっていう奴隷商のトップを殺して、そいつの首を王の前に持っていって『奴隷商売をやめないとこの国を滅ぼす』って宣戦布告してね、それを実際にやったんだよ!」
ああ、やっぱりあのユナガだ。どうやら本当にディティールに復讐したようだ。この口ぶり、カニスさんはユナガを尊敬しているようだ。
対して俺はゲス呼ばわりか。まあ、そりゃそうだな。いくら奴隷とはいえ、人としてありえない扱いをしてきたからな。
「それでユナガはね、そのあとギリットの近衛騎士になってね、セドヤの反乱を」
「ストップ。シギンが混乱しているだろう。こいつ、ユナガという歴史上人物が好きでな、会う人全員にこの話をしているんだ。」
「なんだよ~。シドスも同じロディム人として誇らしくないのかよ~。」
「望んでもいないのにする話ではないだろう。」
「いえ、俺も面白いと思いました。カニスさん、続けてくれませんか?」
二人の反応は真逆だった。師匠は目を丸め、カニスさんは輝かせた。
「やっぱり気に入った~!?では、最初から、ユナガは‥‥‥。」
そこからは怒涛のマシンガントークで語られた。俺は一字一句聞き逃さないよう努めた。
ユナガの出生から死亡まで、関わった人物や影響など。知っていること知らないこと、彼女は語ってくれた。
ユナガは復讐を終えた後、騎士に志願し、近衛騎士にまでのぼりつめた。反乱を仲間と協力して沈め、復興に尽力した。
そして、友人に囲まれ、満足した顔で逝ったそうだ。
同じ復讐を誓った人生でも、俺とは真逆だ。
復讐が全てではなく、世界に続きを見出だしていた。他のことに目をやれていた。
本当に真逆だ。
俺も今度はそんな人生を歩みたい。
今俺が彼に抱いている感情は、尊敬だろう。
「それで、ユナガの技の‥‥‥。」
「あの、シドスさん、シギン、その方は?」
聞きなれた声がした方向に目をやる。
もう日が完全に落ちてしまってよく見えないが、ルーシェだ。ルーシェが立っていた。首をかしげて、疑問を顔に掲げている。
「おや、誰かなこの可愛らしいお嬢さんは。」
「こ、こんにちは。ルーシェ・マネットといいます。この二人と懇意なのでしょうか?」
「マネット‥‥‥!?失礼しましたああ!」
カニスさんはスライディングで土下座をした。なんて素敵な土下座だ。思わず見惚れてしまう。
「伯爵令嬢だとはいざ知れず‥‥‥。深くお詫び申し上げます!」
「え、いや、謝って欲しかった訳ではなく‥‥‥。」
しばらく、お詫びと許しのループが続いた。
なんでも、カニスさんは昔マネット家の分家に舐めた態度をとり、痛い目を見たのだとか。それで、また痛い目を見ると思ってスライディング土下座をやったそうだ。
「なんと心の広いお方!感激で前が見えません!」
「は、はあ。」
カニスさんの謙遜にルーシェはタジタジだ。相手に媚びているようだが、逆効果である。
おっと、ルーシェがモジモジしている。
「あの。」
「なんでしょう!」
「シドスさんのように、ディーダ族流の魔法が使えるのですよね?」
「もちろん!」
「では、見せてもらえませんか?」
「もちろん!」
「ここでやるのは迷惑ですよ。」
「確かに。では空でやりましょう。」
カニスさんはどこからか箒を取り出し、ゆっくり浮上していった。夕日をバックに杖をかまえる姿は以外とカッコいい。
「この力は、顕現して初めて猛威を振るうだろう。穢れ大き愚者を焼き払う烈火の源をここに。ファイヤーボール。」
出現した炎を魔力視を開いて見る。おお、魔力濃度がほぼ均一だ。
「でも、無詠唱じゃないんですね。」
「当たり前だよ。無詠唱で魔法使える奴なんて世界で五十人くらいしかいないよ。」
「ん?でも、この町だけでもシギンとシドスさんが使えますよ?」
「え?まじで?少年無詠唱魔法使えるの?」
「ええ、失敗するときもありますけど。」
「マジかあ~。少年に魔法の腕を抜かされるとは~。」
カニスさんは、分かりやすく落胆した。でも飛行が全く乱れていないところが見事だ。
「いや、無詠唱魔法が使えるかどうかだけが魔法の腕ではないですし。」
「でも、使えた方がいいに決まってる。私、上級魔法までしか使えないし‥‥‥。」
十分すごいと思うが。俺はいまだに攻撃魔法使えないし。
「よし、頑張って将級魔法取得しますか。んじゃ、私はそろそろ行くよ。上から鬱憤上げも見てみたいし。」
「もう行ってしまうのですね。ユナガの話、聞かせていただいてありがとうございました。」
「うん。また会ったら続きしてあげるよ。シドスも元気で、って、いないじゃん。」
「「え!?」」
驚きながら振り返る。確かに、そこに師匠はいなかった。
「はあ、まあいいや。んじゃあね。」
「魔法、また見せてください。」
「‥‥‥ご希望に沿えるよう尽力いたします。」
そう言って、カニスさんは箒に乗ったままお辞儀をし、町の方面へ、進んだ。
‥‥‥なんか逃げるように去って行った気がしなくもないが、まあいいだろう。
ユナガの話、聞けてよかった。続きは自分で調べてみようか。
もう何にも見えなくなってしまった。というわけで、光属性魔法を使う。
「シドスさんはどこに行ったのかな。」
「父さんたちと合流してるんじゃないか?そういえば、よくルーシェはこれたな。」
「まあ、放任主義な家だからね。私が何をしたいと言っても『いいんじゃない?』としかいわないし。」
「でも、護衛くらいは付けるだろ、普通。」
「お前はそんじょそこらの奴より強いから必要ないだろって。」
適当すぎる。
まあ、確かに六歳前後で将級魔法が使えるのはかない強い方に分類されると思うが。
「自分の子供に何かあっても気にならないのか?」
「気になるような子は別荘に送られないよ。」
ルーシェの顔が曇った。しまった。
「まあ、家庭の事情に部外者が口をはさむべきではないよな。ごめん。」
「ううん、気にしてないよ。」
「あ、三人とも。」
視線の先にはカーネさんとタンプさん、師匠がいた。
「あ、みんな。やっぱり、師匠が呼んできてくれたんですね。」
「ああ。タンプが、『シギンが一人にさせてって言っていたので行けません!』と言っていたから大変だったぞ。」
「ああ‥‥‥すみません。」
「ちょっとシギン~、ルーシェちゃんと二人きりになりたかったんならそういってくれればよかったのに~。」
タンプさんがにやつきながら言った。とてつもない勘違いである。
「父さん、ル」
突如、視界が光に覆われた。
鬱憤上げのろうそくが上がりはじめたのだ。草原を囲うように設置しているらしく、草原の中心は闇に包まれている。
十メーゼ辺りまで浮いたところで、ろうそくが横に移動し始めた。全て中心に向かっていくが、少しずつ等間隔に止まっていき、まだ移動しているものは上昇もしていた。
これだけの念力魔法、いったい誰がやっているのだろうか。会ってみたいものだ。
「これだけの念力魔法、誰がやってるのかな!?会ってみたい!」
ルーシェと考えてることが一致していたようだ。ちなみに声のトーンは全然違う。
「いや、会ったことあるぞ。ついさっき。そして今、会っているぞ。」
「え?‥‥‥まさか、お二人が動かしているんですか?」
「お前たちと合流する前に、ろうそくに魔力をこめた。その魔力で今動かしている。」
「これ、どれくらいの人数で?」
「三桁はいくと思うぞ。」
この町って、そんな財力あったのか。まあ、伯爵の領地だからあるにはあるか。
「お前にも手伝ってもらうつもりだったのだが、とても気持ち良さそうに眠っていたものだから、起こせずにいたんだ。」
「う。す、すみません。そういうときは、何をしてでも起こしてくれて構いませんから。」
「なぜ私を呼んでくださらなかったのですか?」
驚くほど低い声がした方向に振り向くと、ルーシェが悲しみと怒りと悔しさと‥‥‥とにかく負の感情を根こそぎ取り入れたような目で睨んでいた。
怖い。
それは師匠も同じだったようで、ひきつった笑顔で諭すように、
「‥‥‥ルーシェは伯爵令嬢だ。そんな身分の高い者に、このような雑用をさせるわけには‥‥‥。」
「嘘です。嘘の声色です。いえ、嘘というより、今考えた言い訳でしょうか。外国出身のあなたなら、この国の貴族の立場の弱さ、ご存知だと思いますが。まあ、誰だって貴族の家に無断で入るのは嫌ですよね。」
ルーシェは機嫌が悪そうにそっぽを向いてしまった。この国の貴族の立場の弱さは師匠からよく聞いているが、家に無断侵入は平民相手でも犯罪だ。さすがに平民より弱くはないだろう。
「す、すまない。今度は誘うから‥‥‥。」
「ふーんだ。」
完全に不貞腐れてしまっている。ここは俺がどうにかするか。
「ルーシェ、ここら一帯を歩きながら観ないか?また違う景色が見られるかもしれないよ。」
「‥‥‥いい。」
「今度、上級治癒魔法教えてあげるから。」
「‥‥‥わかった。行ってあげる。」
案外早くつれた。まだ機嫌は悪いようだが、綺麗な景色を見ていたら直るだろう。
そういえば、師匠はいつになったら将級治癒魔法を教えてくれるのだろうか。戻ったら聞いてみよう。
「それじゃ行こう。」
「待って。子供だけで行動させられないよ。私も行く。」
「分かった。それじゃ、まずはどの辺りに行こうか。中央?」
「シギン‥‥‥いつも好きなものは最初に食べてるもんね‥‥‥。お母さんはそれは最後にみたいなあ。」
「母さんはとっておきは最後に食べる派だからね。よし、ここはルーシェに決めてもらおう。」
「私も最後に食べる派。」
中央に行くのは最後になってしまった。
このろうそくのドームは半球に広がっており、端から中心に向かって渦を巻くように歩いて行くことになった。
というわけで、まずはドームの端へ。カーネさんが真ん中、俺が左でルーシェが右で三人横になり、手を繋いで歩く。少し恥ずかしい。
「この辺は誰もいないね。」
「ここからだと中心みえないからな。」
人が見えないくらいドームが大きかったら、この景色を三人占めできているような雰囲気になれるのだが、残念ながら、視界には不特定多数の人間が入っている。
やっと端まで行けた。
ここからの景色も、なかなかにいいものだ。中央ほどの迫力はないだろうが、さっきよりもろうそくを立体的に見れる。
いつまでも足を止めていては終わらないので、顔は中央に向けながら上がっているろうそくに沿って歩く。
ふと、カーネさんをはさんで歩いているルーシェの足が止まった。
「ん?」
「どうした?」
「人の臭いがする。こっちに向かってきてるみたい。私たちみたいに、ぐるぐる廻って見る人かな。」
目を凝らす。確かに、人影がこっちに移動しているのが確認できる。反対方向に進んでいるのだろうか。
すれ違えられるように右に半歩移動する。
しかし、すれ違うことはなかった。
「‥‥‥!?‥っだ!」
男は、ルーシェに向かってナイフを投げてきた。しかし、カーネさんが左肘で受け止めた。よく見えないが、おそらくナイフは貫通している。
「う‥‥‥二人とも、逃げて!」
カーネさんが歯を食いしばりながら叫んだ。
俺はルーシェの手を取って走り出した。
「待って。私は大丈夫だから。」
「大丈夫って‥‥‥。」
そんなわけないだろうと言いかけて、詰まった。
ルーシェの顔に動揺は見られなかった。
「こういうのには慣れてる。多分、私でも対処できる。」
「多分って‥‥‥。」
「じゃあ、絶対。それより、ほら。カーネさんが今襲撃者の腕を掴んで引き留めてくれてるけど、あの人は構わずこっちに来てる。あの人の堪忍袋の緒が切れたら、殺されるよ。私があの人どうにかするから。」
「分かった。じゃあ、俺は防御魔法を張るから、意識をそらしてくれ。」
「うん。」
ルーシェが頷いたのを確認して、俺はカーネさんのもとへ駆け出した。




