王妃になる事を誓った
そして、毎日律儀にクロード殿下へ恋文を渡しては嬉しそうにそれを受け取る二人を見て、もしわたくしが手紙を渡せていたのならば、今アイリーンがいる場所にはわたくしが居たのかな?などとありもしないもしもの展開を想像しては胸が痛む。
しかしながら未だわたくし以外に婚約者を作ろうとしないクロード殿下は周りから次の婚約者をと言われ始めているのも実際問題としてあるわけで。
その事からも平民のアイリーンを妻として迎える言は出来なくとも愛妾として迎えるまたとないチャンスなのでは?とも思ってしまう。
そう思う度にわたくしは『そんなのは嫌だっ!クロード殿下はわたくだけのクロード殿下のままでいて欲しいっ!』と強く思ってしまうわたくしが顔を出す。
その二つの感情。
王妃としてのわたくしと一人のリーシャとしてのわたくしの感情が、乖離していればしている程わたくしを苦しめる。
しかし、我慢する事などわたくしはとうに慣れている。
こんな事くらい、我慢する事などいくらでもして見せましょう。
わたくしはクロード殿下唯一の婚約者、未来の王妃であるのだから。
クロード殿下とお会いしたあの時にわたくしはわたくしに対して胸を張れる王妃になる事を誓ったのだから。
クロード殿下に胸を張れる王妃を、貴族令嬢達へ胸を張れる王妃を、国民達に胸を張れる王妃を演じるまでである。
そしてわたくしは自分の心に蓋をし、今やるべき事としてわたくしはアイリーンさんへ愛妾として必要最低限の教養を口煩いくらい、しかしながら過去の自分の気持ちを鑑みて、そしてクロード殿下がわたくしに優しくし接してくれた様に、アイリーンさんが傷つかない様に細心の注意を払いつつ、アイリーンさんが粗相をする度に指摘して行くのであった。
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「今日も相変わらず可愛く、そして美しいですねアイリーン。俺はアイリーンの様な女性を近い将来娶る事が出来ると言う幸せを今、噛みしめているところだ。昨日やっと俺の両親が折れてな、平民であるアイリーンを妻に迎える事のお許しが出たのだ。今日のダンスパーティーで俺の両親も来るのだが、この妖精の様に美しく、そしてそれに負けぬドレスを着て宝石を散りばめた今のアイリーンを見ればきっと俺の両親も心の底からアイリーンを我が家系にと思うであろう」
「あー、そうね、ハイハイ」
「あ、アイリーン?どうかしたのか?具合が悪い様であったのならば無理をする必要は無い。両親との顔合わせは別の日にすれば良いさ」
「あっ、ち、違うのっ!体調は万全だからっ!ちょっと緊張しているだけだからっ!」
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いや、お待たせし過ぎたかもしれませんっ!
何がとは言いませんが、エックスデーでございますっ!




