ポンコツと化してしまっている
ならば俺がする事は一つである。
「………分かった。では、俺の夫人については全てリーシャに任せよう」
「わたくしの我儘を聞いて下さってありがとうございます、クロード殿下」
それはリーシャに全てを任せて、男らしくどしっと構えて受け入れてあげるのみである。
そしてこの話は終わりである。
全く、この俺よりも王族として生きる意識があるとはさすがリーシャと言うべきか何と言うべきか。
欲を言えば第二、第三の夫人や愛妾を取らないで欲しいと言って貰いたかったのだが、その欲求はリーシャの頭を乱暴に撫でワタワタして抗議の声を上げるも振り払おうとする手は力弱く、その顔は真っ赤に染まっているリーシャの反応を楽しむ事で良しとする。
「さてと………待たせて悪かったな、シャルロットよ。そして我の婚約者であるリーシャがそなたに粗相を働いてしまった事を謝罪しよう。申し訳なかった」
「あ、頭をお上げ下さいっクロード殿下っ!私はこの通り大丈夫ですからっ!」
いきなり頭を下げた俺にあたふたとしながらもジャージの袖をまくって力拳を作って問題ない事をアピールするシャルロット。
「そうは行かぬ。この場合は関係者の中で一番上の者が頭を下げなければ追々面倒くさい事になるものであるからな。後で謝罪を嗜めた手紙をシャルロットの父上であるモンテール侯爵へとお送りさせてもらうとしよう。その謝罪の手紙を持って───」
「だっ、大丈夫ですわっ!べ、別にお父様にリーシャ様へ冷たく接していた事がバレてしまうどころかクロード殿下に謝罪をさせた事がバレてしまうと間違いなく火山が噴火するかのごとくお怒りになりきっとこの学園もリーシャ様やクロード殿下にご迷惑をおかけする位であれば行かない方がマシだと退学させられますわっ、とかちっともこれっぽっちも思ってないですわっ!そしてこの場でこの私がクロード殿下ひいてはリーシャ様を許して差し上げましてよ……………す、すみませんっすみませんっ!私如きがクロード殿下のお言葉を遮ってしまいましたわっ!ど、どうしましょうっ!?死罪だけはお許しをっ!!」
「あっはははははははははっ!!?そうかそうかっそう言う事にしといてあげようではないかっ!それと我の言葉を遮ったからと言って何も罪には咎めぬから安心したまえっ!!」
そして俺はなぜかポンコツと化してしまっているシャルロットの、普段間違いなく見せないであろうテンパってしまった姿を見て久しぶりに、はしたなくも大声で笑ってしまう。




