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私の好きになった人は、着ぐるみさんです。

作者: 七瀬




私の好きになった人は、着ぐるみなんです。


何と言っていいのか?

着ぐるみの中身がいない着ぐるみなんです。

着ぐるみ姿ではなく、着ぐるみそのものなんです!


しかも、、、?

めちゃめちゃクレイジーなロッカーなクマ男クンなんです!

激しい顔に、革ジャン姿のイカツイクマ男クン。



でもなぜか、、、?

憎めない、可愛らしいクマ男クン。


私は彼に、ぞっこんでメロメロなんです!



彼と出会ったのは、、、?

さびれた、いつ? なくなってもおかしくない遊園地でした。


彼がそこで、ドデカイギターをエアーで弾きながら爆音でロックが

後ろのデッキから流れていて、激しく彼が踊るといったモノ。



これが演出なのか? 彼が好きでやっているのか?

私には、分からないのですが、、、。


私は、そんな彼に心を奪われてしまいました。



寂しげにも、笑顔にも見える彼の顔がまた愛おしい。



私は時間があれば、彼に会いに行くようになりました。

彼の姿を一目見たくて...。


私の時間は、彼にすべて捧げようと心に決めました。



・・・でも?

ある時、私は彼の正体を知ってしまったんです。


彼が着るぐるみの頭を取った時、、、。

中には、人が入っていない事を、、、!!!


彼の中身は、いなんです。

では、彼は何者なのでしょう?


それでも、私は彼を好きな気持ちが変わる事はありませんでした。


私にとって、彼が何者なのかは関係のない事なのです。

ただただ、私は彼の事が大好きだから。



私は、彼と仲良くなり二人で話す事も増えて、、、。

とうとう、私はその事を彼に話してみました。


そうすると彼は、、、?


『あぁ~見られちゃった! そう! 僕は着ぐるみそのものなんだよ!』

・・・彼は、そう笑って私に答えてくれました。



その時の私は、話せた事で少しホッとしていたんです。

“彼は彼なのですから。”


私の気持ちは、1ミリも変わる事はありません、、、!!!


そしてその後、私は彼にこう言いました。


『クマ男クンが何者でも構わない! 私はクマ男クンが大好きなの!』

『嬉しいよ! ありがとう!』


彼はそう言って、私を優しく抱きしめてくれました。

私のクマ男クンに対する気持ちは大きくなるばかりです。


『ずっとこうして、私と一緒にいて欲しい、、、!!!』

『すまない! 僕にはクマ子という許嫁がいるんだ!!!』

『えぇ!?』

『僕とクマ子は、心から愛し合っているんだよ!』

『どうして? 私じゃダメなの? そんなにクマ子さんがイイの?』

『ごめんよ、百合奈!』

『もぉ~! クマ男クンなんか、大嫌い!!!』

『・・・百合奈、』




こうして、、、。

私とクマ男クンとの恋は終わってしまったのです。


クマ男クン!

クマ子さんと、幸せになってね!





最後までお読みいただきありがとうございます。

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