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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
災禍の討滅者編
98/140

隼80機はどこへ?

なんとか間に合った。

評価、感想ありがとです。

楽しんで頂ければ幸いです。


--------------------

【報告】可変戦騎 隼80騎が納入されました。


【報告】中型有人船コイン→860メートルファーネ級有人武装船を受領しました。

--------------------


「珠ちゃん、80騎、だよ。」

 俺の周回軌道をグルグル回っていたタマゴがピタリと止まり、そう告げてくる。


 うむ、確かに受け取ったのであるな。

 さらなる増産をお願いするのである。


「任せて。」

 再びタマゴが回りだす。


 そんなタマゴの様子を鑑賞しつつ、俺は受領したファーネ級有人武装船のカタログスペックを確認する。

 全長860メートル、全幅550メートル、全高600メートルの長方形型。

 装甲は泊地同盟艦と同じく、1次装甲をナノマテリアル装甲とした複層式3層構造。

 主砲は8メートル口径連装レーザー砲塔8基16門を船体前部の上下面に4基づつ。

 粒子ビーム砲4基を艦首に横列配備しているのであるな。


 それ以外だと、艦対艦ミサイル発射管を2基づつ計4基を船体両舷に、防衛砲台が20基程をバランスよく配置しているようである。

 船体後部下面には離発艦用ハッチがあり、そこから続く格納庫には航宙機20機と戦騎5騎を収納可能。

 乗員は100名、最大3000名が収容可能であるか。


 有人武装船としては、よい仕上がりではなかろうか。

 ただ通常航行だけならば無人でも出来るが、戦うには乗員を最低10名を配置せねばならないのが問題であろう。

 予定通り、ネージュ大提督に預ける事にするのである。


 そして、ようやく納入された初期ロットの隼80騎であるが、これも問題があった。

 搭載予定の扶桑級重戦艦は遠くGP6衛星軌道上である。

 そして輸送任務を果たすはずだったパシオン級機動母艦は、マテリアル装甲不足で出撃不能である。現状は運ぶ母艦がないのであるな。


「あら、丁度いいではありませんか、この80騎を重戦闘母艦に搭載しましょう。」


 ルル大提督の提案に俺は頷く。

 ついでに80機の可変戦騎【隼】を編成するのであるが、悪い予感しかしないのであるな。


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【成功】可変騎中隊3隊からなる可変騎大隊を編成せよ。を達成しました。(158/160)

報酬として、功績点50点、隊長Sコインを受領しました。


【依頼】可変騎大隊3隊からなる可変騎連隊を編成せよ。が発令されました。


【成功】戦騎中隊3隊からなる戦騎大隊を編成せよ。を達成しました。(159/160)

報酬として、功績点50点、隊長Sコインを受領しました。


【依頼】戦騎大隊3隊からなる戦騎連隊を編成せよ。が発令されました。

--------------------


 ピ―――。・・・・・・返事がない、只の屍のよう―――。

 一瞬の迷いもなく、ルル大提督の拳が突き刺さる。


「貴方、おはようございます。良くお休みでしたわ。」

 うむ、おはようである。

 グルグル案件などなかったのである、悪い夢など忘れて、仕事を進めるのであるな。


「そうですわね、グルグル案件はまた今度、水資源の採掘は終わりましたわ。」


 モニターに映るすべての輸送艦に満載を示すFULLのマークがついていた。


 遂に採掘が完了したようであるな。

 リーフ艦長、いつでも出撃出来るように準備せよ。

 リーフ艦長?

「・・・・司令官、少しボリューム下げてください。頭に響きます・・・。」

「まさか、二日酔いなのっリーフ、しっかり立ちなさいっ。」

「ルルさんも、声押えて・・・響きます。あ・・あれ?司令官に船をもらってから、デイジーに捕まって・・そこから記憶がない・・。」

 ずっとデイジーと飲んでいたようであるな。


 俺はリーフ艦長の行動ログを遡り、結論だけを告げた。


「ずっとですか?」

 ずっとである。


 俺の言葉が信じられなかったのであろう、リーフ艦長が聞き返す。

『珠ちゃん、酔って乱れたリーフちゃんの映像、こっちにプリーズ♪』

 うむ、了解である。

 俺はアオイ艦隊長が映るモニターに、要請された映像ログを転送―――。

「ダメです、絶対ダメですからっ!つう・・・。」

 リーフ艦長が、がっしりと俺に掴まって、データの転送を実力で阻止するが、自分の大声で同時にダメージも受けていた。

「ううう・・・司令官、メデカルケアをお願いします。」

 了解したのである。しばらく休息するとよい。


 俺は使い物になりそうもないリーフ艦長を、円筒形のメデカルケースに収めて、彼女にセルフチェックとセルフリペアを始めさせる。

 なにかと反抗する問題児であるが、こういう時は素直であるな。


 しかし、ずっと飲み続けているはずのデイジーが平気そうなのであるが、大丈夫なのであろうか?

 デイジーもそろそろ船に行くと良い、デイジー?。

「う、う、マイヤさんの馬鹿―っ!禁酒命令なんて絶対いやーっ!」


 どうやら、マイヤ嬢の勘気に触れたらしい酔いどれデイジーは、彼女の指揮官権限により、禁酒令という強制命令が実行されたらしい。


 これは自業自得であるな、同情の余地はないのである。

「それを貴方がいいますか?随分とグルグル案件が溜まっているでしょう。」

 ルル大提督、それは個性である。

 誰にでも得手不得手があり、好悪の感情があるのである。

 俺がグルグル案件を拒否するのも個性であるぞ。

「はいはい、でも貴方、その理屈ですと、私が貴方にグルグル案件をさせるのも、私の個性ですわよね。」


 ルル大提督の言葉に、そうであるなと俺は消極的同意を返した。


 ヴィオラ提督。

『はい、こちらヴィオラです。艦隊は警戒活動中、いつでもどうぞ。』


 俺の呼びかけに即座に応え、モニターが開く。


 うむ、ヴィオラ提督は引き続き、GP6周辺宙域の警戒を厳とせよ。ただし敵女王級発見時には貴艦隊が討伐の主力となる。

 よって戦力の温存に留意せよ。

『了解です。お任せください。』


 教授。

『儂をお呼びかのう。』


 新たに開いたモニターに、うねうね動く触手とピンクの海月もどきが映る。


 うむ、教授は継続して基地建設を進めてもらいたい。

 そちらの受け入れ態勢が完成しだい、要撃艦隊を展開するのである。

『了解じゃ、楽しみに待っておるぞ。』


 チェリー艦隊長、プラム艦長。

『お呼びですか、司令官さん。』

『こっちはいつでもいけるよ、司令官は待たせすぎっ』

 うむ、両名に告げる。

 現在貴官等が搭乗予定のシサク重戦闘母艦の完成度は72%である。こちらの計算によれば、この往路の護衛任務中に完成が予想されるため、貴官等は速やかに泊地に帰投。戦闘準備を整えられたし。

『本気ですか司令官さん。それでは護衛戦力が足りなくなります。』

『えーまだ暴れてないのに、何もせず帰れって、ちょっとひどくないですかーっ』

 ぐぬ、ふたりの不平不満も分かるのであるが、貴官等も新型艦を受領して女王級討伐に参戦されたし、である。


 チェリー艦隊長とプラム艦長が見つめ合い、そして同時に頷いた。


『『了解しました。』』


 これでよかろう、ルル大提督、増援艦隊の準備はどうか?

「はい貴方、2個要撃艦隊の補給は完了していますわ。いつでもいけますわよ。」

 ならば作戦を開始せよ。


 俺は作戦開始を告げた。



有人船と無人艦の違いのひとつに、艦の運用に対してどちらに主導権があるかでしょう。

泊地同盟にはソウルコアという人の代用が出来る部品があり、有人船は人によって操作される。

システムとしてどちらが優れているかは、賛否両論ありますね。


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