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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
大宇宙の囚われ人編
9/140

君の名は

ブックマークと評価ありがとうございます。しばらく一日二話ずつあげられそうです。

行間修正。

「オッケー、マイヤっ早くこっちに来るじゃん。大将が話を聞いてくれるじゃん。」


「ありがとうございます、鉄拳娘さん。あの、ホントに大将でいいの?」


「大将は大将じゃん、気にしなくて良いじゃん。みんな適当に呼んでるじゃん。」


「マイヤ・・・頼む。」


「はい、頑張ってきます。」


 生き残った仲間達に見送られ、マイヤは大きく息を吸って吐く。


 艦長も先任士官の先輩もいない。お父さんみたいな軍曹もいない。


 今の指揮官は彼女だった。


 それは生き残った乗組員の中でマイヤの階級が一番高いからであったが、たとえ職業軍人でなくとも、マイヤが士官である事は間違いない事実だったからだ。


「よし、助けて頂きありがとうございます。自分はアリゼ連邦調査開発局所属のマイア・ユースティティア調査技官です。あの、大将さん、実はお願いがあります。」


 鉄拳娘に指示されたカメラのレンズに向かって、マイヤは喋る。


「私達の船の修理と当面の食糧と水を譲って頂けませんか、対価は必ずお支払いします。今は無理でも、必ず支払いに戻ってきますっだから・・・・・。」


 相手からの反応はない。それでもマイヤは喋る。


「だから、助けてください。お願い・・します。」


 何も反応が返ってこない。


 もしダメだったら・・・・・その先を考えるだけで、マイヤの声は震える。


「お願い・・・助けて。」


 何も反応が返ってこない。


「死にたくない・・・死にたくないよぅ。」


 何も反応が返ってこない。それでも―――。


「さっすが大将っ太っ腹じゃんっ!」


 鉄拳娘が耳元を抑え、カメラに向かってグッジョブと親指を立てて褒め称えている。


 唐突に自動ドアが開かれ、水、フリーズドライ食品、カロリーブロック、栄養補助錠剤といった長期保存食品に混じって、炭酸飲料やビール、お菓子やハンバーガーといった足の速い調理食品を満載に積んだ輸送用箱型ワーカーズが部屋に侵入してくる。


「立つじゃんマイヤ、大将から援助と提案じゃん。しばらく調査と施設復旧を手伝ってくれるなら、マイアのお願い叶えるそうじゃん。どっするマイヤ?」


「お願いします。」


 これでみんな助かる―――マイヤにとってこれ以上の成果はない。


「さぁみんなも食べるじゃん、いっぱい飲んで食べて早く元気になるじゃん。」


 ウォーターボトルやビール瓶をポンポン兵士達に投げ与える鉄拳娘が、手に取った1本をマイヤにも投げてくる。


「マイヤ、うちの大将は約束を守る男じゃん。マイヤも安心して任せるといいじゃん。」


 いろいろな注意が必要な無重力下での味気ない食事と違い、なんの気兼ねもいらない人工重力下で水滴を撒き散らし、浴びるように水を飲む兵士達に混じって―――。


「これこれ、このジャンク感が癖になるじゃん。」


―――豪快に鉄拳娘が1本目のビール瓶を空にした。


--------------------

【依頼】ゲストの小型船を調査せよ。が発令されました。


【依頼】ゲストの情報を収集せよ。が発令されました。


【依頼】アリゼ連邦の情報を収集せよ。が発令されました。


【依頼】周辺宙域情報を入手せよ。が発令されました。


【報告】フェザーが入室許可を求めています。

--------------------


「ただいまー届けてきたよ~。ご主人さま~ほめてほめて~♪」


 よくやったとフェザーに伝え、引き続きフェザーと鉄拳娘にゲストの相手を任せる。


「宙域データとEvil情報の収集、少しでも進展すると信じましょう。フェザー、最悪でも余計な真似をさせないように、監視もお願いね。」


「はい、ルルさん♪」


 ルル大提督の言葉に、フェザーが手を振って返事をする。


 俺もルル大提督の意見に同意である。


 この宙域の何処か、或いは近隣の星系にEvilの巣があるはずである。


 敵の拠点が分からなければ、効率的な迎撃も反撃も出来ない。早期警戒網の再構築には、まだまだ時間が必要であり、防衛艦隊の再建を優先する状況では、こちらの侵攻艦隊の編成がいつ頃になるかも分からない。


 それでも―――。


「なんとか凌いで、一撃お返ししたいわ。ね、貴方。」


 うむ。俺は当初の計画に従い、タスクの消化を進める。


「頭領、3号、6号、4号副動力炉の修理終わったぜ。軽く試運転してくれよ。」


 ずっと沈黙していた喋る工具箱チャンプが、蓋をカパカパさせて喋りだす。


 予定時間よりもずいぶん早い。かなり頑張ってくれたようであるな。


「よせやい、任せろっていったろーが、おいらと部下達が頑張ったんだぜ。頭領、なかなか見込みありそうな部下達をありがとよ、もうちょい増員が欲しいとこだけどよ、まー贅沢は言わねえぜ。次は予定通り湾港方面でいいのかい?」


 俺はチャンプの報告に了承を伝え、各方面の進行状況を確認する。


 ついでに増員もするのであるな。


 チャリン、チャリン、チャリン、チャリン。


--------------------

【報告】指揮ワーカーコイン4枚→リペアワーカー2機を受領しました。

【報告】           →ビルドワーカー2機を受領しました。

--------------------


 指揮ワーカーコイン4枚すべてを使って、リペアワーカーとビルドワーカーを2機づつ入手しワーカーズ40機と併せて保全隊と建築隊を2隊づつ編成してチャンプに預ける。


--------------------

【成功】保全隊を3隊編成せよ。を達成しました。(22/30)

報酬として功績点50点、指揮ワーカーコイン、資材10コインを受領しました。


【依頼】保全隊を5隊編成せよ。が発令されました。


【成功】保全隊3隊以上を編成し、修理部門を稼働せよ。を達成しました。(23/30)

報酬として、功績点50点、雑務ワーカー50コイン、資材100コインを受領しました。


【成功】ビルドワーカー1機、ワーカーズ10機からなる建築隊を編成せよ。を達成しました。(24/30)

報酬として、功績点50点、資材10コインを受領しました。


【成功】保全隊・建築隊を合計5隊以上編成し、保全管理部門を稼働せよ。を達成しました。(25/30)

報酬として、功績点50点、雑務ワーカー50コイン、上位ワーカーコインを受領しました。


【依頼】建築隊を3隊編成せよ。が発令されました。

--------------------


「頭領、おいらやるぜ。期待して待ってろよっ。」


 うむ、チャンプに任せたのである。


 そろそろ、中型輸送艦の救出作業が終わりそうであるな。


 現場の様子を写したモニターには、要塞令嬢の指示の元、邪魔な構造材を雷隊、響隊が分担して破壊し、暁隊は船体に引っかけた牽引ワイヤーを引っ張り、亀裂から中型輸送艦を引き釣り出していた。


『ぼっち、ぼっち、ぼっち~おきらくぼっち~ふふふふふ・・・・・。』


 モニターから要塞令嬢のボッチリサイタルも聞こえてくるのであるな。


 俺はモニターから流れてきた要塞令嬢の歌を聞かなかった事にして、修理の終わった3基の動力炉の試運転を開始する。


--------------------

【成功】6号 予備動力炉を稼働せよ。を達成しました。(26/30)

報酬として、功績点50点、雑務ワーカー20コインを受領しました。


【成功】3号 副動力炉を稼働せよ。を達成しました。(27/30)

報酬として、功績点50点、指揮ワーカーコイン6枚を受領しました。


【成功】4号 副動力炉を稼働せよ。を達成しました。(28/30)

報酬として、功績点50点、施設Sコインを受領しました。

--------------------


 報酬で施設Sコインが届いたのである。グルグル案件が増えたのである。


 グルグルグル―――。


「さあ貴方、工場か湾港、どっちにしましょうか?」


 良い笑顔でルル大提督が問いかけるが、俺はグルグルグルグルと廻っている。


「工場施設なら、資材と兵器群の生産が出来ますわ。」


 グルグルグルグル―――。


「船を造るなら湾港施設に配置しましょう。湾港整備が進めば交易も出来ますわ。」


 グルグルグル―――。


 グルグルグルグルグル―――。


 グルグルグルグルグルグル―――。


「貴方、お仕事の時間ですっ起きなさいっ!」


 ルル大提督の一喝で、俺はフリーズから再起動した。


 危なく無限ループから出てこられない処だったのである。グルグル案件恐るべきである。


 ルル大提督に感謝であるな。


--------------------

【報告】施設Sコイン→施設Sコアを受領しました。

--------------------


 再起動した俺は、速やかにコインを投入して青いクリスタルと接触した。


【施設Sコア3と契約しますか?】


 続けて同意した俺の前に50センチほどの大きな卵が浮かんでいる。


 青いクリスタルから生まれた宙に浮かぶ卵が淡々と告げる。


「ご利用、ありがと。名前、つけて・」


 俺は浮かぶ卵に名前をつける事になった。


「お任せで、いい。」


 俺は浮かぶ卵に名前をつける事になった、お任せで―――。


 お任せ?お任せって何?


 グルグルグル―――。


「つけて。」


 俺は名前入力画面にタマゴと入力した。


「うん、それでいい。施設Sコア3改め生産担当のタマゴだよ。よろしく、珠ちゃん。」


 珠ちゃん?珠ちゃんって?


「うん、珠ちゃん。」


「きっと貴方の事ですわ、珠ちゃん。良かったですわね、珠ちゃん、貴方にもようやく名前が決まりましたわ。可愛い珠ちゃん。」


 なぜかルル大提督が怒っていらっしゃる。


「いえいえ、私は怒っていませんわ、ええ、怒ってませんとも。」


―――空気は読むべきであるな。仕事だ、仕事をしよう。うん、それがいいのである。


 俺は予定通り、タマゴを工場施設に配備した。


--------------------

【成功】工場施設コアを配置せよ。を達成しました。(7/10)

報酬として功績点100点、中型工場艦コインを受領しました。

--------------------


「ん、頑張る。」


 シンプルで良き名を感謝である。タマゴの働きに期待するのであるな。


 チャリンチャリンとコインを投入していく。


--------------------

【報告】雑務ワーカー10コイン→ワーカーズ10機を受領しました。


【報告】雑務ワーカー100コイン→ワーカーズ100機を受領しました。


【報告】雑務ワーカー50コイン2枚→ワーカーズ100機を受領しました。


【報告】雑務ワーカー20コイン→ワーカーズ20機を受領しました。


【成功】シャンス級中型輸送艦を救出せよ。を達成しました。(29/30)

報酬として、功績点50点、雑務艇コインを受領しました。


【報告】雑務艇コイン→○哨戒艇

           ○輸送艇

           ○駆逐艇

           ○揚陸艇

           ○連絡艇

           ○掃海艇

           ○作業艇

--------------------


 うーむ、上位ワーカーコインは入るスリットがないのである。


 取りあえず保留であるな。


 どうやら救出作業が終わったらしい。


 新たに入手した雑務艇コインは指揮ワーカーと同じく選択製らしい。取りあえず輸送艇を選んでおくのであるな。


 サクサク作業を進めつつ、俺は要塞令嬢に引き続き巨大デブリの調査に当たってもらうよう通信を送る。


『ふふふ、完了報告も聞いてもらえない。不幸なわたくし・・・・。』


 すまない、悪かったのである。モニターに成功報告ログが表示されたから、つい聞かなかったのだと俺は何度も何度も彼女に謝罪し、同時に増援派遣を約束した。


--------------------

【報告】中型工場艦コイン→中型工場艦を受領しました。

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