サスケ団長、ご指名です。1
誤字報告ありがとうごさいます。
助かりました。いよいよサスケ団長が動き出します。
頼んで頂けたら幸いです。
行間修正。
『サスケ団長仕事じゃん、目標115番小ドック、有人小型武装船。敵性人類の疑いありじゃん、速やかに制圧するじゃん。』
「新たなる出演依頼お受けするでござる。この戦うエンターテイナーサスケ、全力で舞台を盛り上げてみせるでござる。」
係留中のファイネル級旧型軽巡航艦のリアウィングの下に立つ猫耳メイドワーカーサスケ団長が携帯撮影機をもったままポーズを決めてみせる。
「うーん、残念撮影は中断ですか残念です。早く行ってきてください。」
砲塔の上に座り、被写体として様々なポーズをとっていたリーフ艦長の猫耳メイドワーカーが、パタパタと手を振った。
「何を言うでござるか、さんざん撮影を手伝ったでござろう。今度はリーフ殿の番でござる。スペシャルなステージにはサプライズなゲストはつきものにござる。さあ拙者と共に新たなる舞台を盛り上げに行くでござるぞ。」
「ふぅ、分かりました。時間は有限、面倒事はサクサク片づけます。また撮影を手伝ってください。」
ステージよりも撮影のが大事なリーフ艦長が、しぶしぶと同意した。
「船内解析図によると、対象は23名、このクラスの有人船としては少ないです。艦橋区画に3名、船室区に11名、それと船外作業中なのが9名外殻に張り付いてます。で、サスケ団長は何やらかすつもりですか?」
網膜に投影されたマップと各種データにさっと目を走らせると、リーフ艦長の操る両耳がペタンとなったメイドワーカーが両耳がピンと立ったサスケ団長のメイドワーカーに聞いている。
「そうでござるな。此処はないない作戦でいくでござる。」
「なんですか、それ、また何かやらかすつもりですか、いいですか、また馬鹿なことをしたら、今度はバラバラ折檻じゃ済みません、ちゃんとわかってますか。」
「ふははは、心配無用でござる。拙者、芸に生き、芸に死ぬる覚悟は、とうに出来ているでござる。エンターテイナーサスケとして、どんな舞台でも盛り上げてみせるでござる。」
「嫌です、私は普通に制圧します。私まで巻き込まないでください。」
リーフ艦長はこんな事に時間を使いたくなかった。
時間は有限、彼女にはこの任務終了までのボーナスタイム中に、ファイネル級のすべてを味わい尽くすという使命があるからだ。
「何を言うでござるか、拙者たちはもはや一連托生でござる。拙者あれほどリーフ殿の趣味に付き合ったのでござる。今度はリーフ殿が拙者の芸に付き合い、共に折檻を受けるのでござる。」
「嫌です。てっなんで胸を揉むんですか、馬鹿ですか、変態ですかっ。」
リーフ艦長が彼女のメイドワーカーの胸を揉みしだくサスケ団長のメイドワーカーの手を掴み―――。
「この辺でござるな。」
―――チクリと肌を刺す感覚がして、リーフ艦長が一瞬でメイドワーカーの制御権だけを持っていかれた。
「え?ええ?何したんですか、嘘でしょっ、メイドワーカーをコントロール出来ません。」
「これぞ忍法傀儡操りの術でござる。ニンニン。ちなみにログ上はリーフ殿の制御下でござるから、諦めて拙者の舞台にご出演するでござる。」
「嫌です。そんなおかしなことを考えずとも、ハッキングで監視装置を潰して侵入、後は目標を制圧するだけの簡単な作業じゃないですか。既に目標の有人船は固定アームがロック済みで逃げられません。
ハッキングだって、技術レベルの低い人類のセキュリティなんか、無いも同然、1秒も掛からず制圧して、制圧された事にも気づかせない程度の小細工も同時に出来ます。
なのに、なんで、なんでっ、こんな事に付き合わなきゃいけないんですかーっ!」
「ふははは、共に最高の舞台を目指すでござる!」
「お断りです、ひとりでやりなさい、司令官っ司令官?きゃー通信が繋がらない。なら、本体から・・・・嘘でしょっ、通信がブロックされてる!」
「ふははは、拙者こう見えても団長でござる。指揮権限は拙者の方が上でござれば、この程度簡単なことでござる。ニンニン。」
「なんてことするんですかっこの変態っ!司令官、みんなっ、誰でもいいから誰か気づいてー!」
「ふはははは、ないない作戦開始でござる。」
リーフ艦長の意思を無視して、彼女のメイドワーカーはサスケ団長のメイドワーカーと共に小ドックの垂直な壁を駆けあがり、天井を駆け抜けていく。
『なんてことするんですかっこの変態っ!司令官、みんなっ、誰でもいいから誰か気づいてー!』
『ないない作戦開始でござる。』
サスケ団長、うかつであるな。
俺はモニター越しに先ほどまでのふたりのやりとりをずっと見ていた。
いくらリーフ艦長のメイドワーカーに細工をしても、肝心要の自分のメイドワーカーや小ドック内にある監視カメラに細工をし忘れているのである。
これではどんな悪事も露見するであろう。
「いいえ、貴方、これはサスケ団長のショーなのですわ、舞台には観客がつきもの、この映像も彼がわざと見せているのですわ。だってリーフさんはスペシャルでサプライズなゲストなのですからね。」
であるか。
ルル大提督、サスケ団長達には鉄拳娘が捕虜から聞き取った情報を通達済みであるか?
「ええ、惑星脱出前後の騒乱を狙って、多数の女子を誘拐して監禁、船で連れ出して何処かの惑星で売り払うつもりだった、らしいですわね。捕虜にした彼女も、隙をみて逃げ出したと言ってますわ。」
あきれたと言わんばかりのルル大提督の口調に、俺も同意する。
つまらないトラブルを、持ち込まないでもらいたいものである。
「まあ、彼女たちにとって、この誘拐騒ぎが幸いか、災いだったかはこれからの話でしょう。彼女たちのいた惑星はEvilによって攻撃を受けていると予測できますわ。」
・・・・既に陥落しているならば、地獄であろうな。
「ええ、そうでしょうね。」
ルル大提督、つまらないことを聞くのであるが、ないない作戦とはどんな作戦であるか?サスケ団長からはいまだ作戦案の提出が行われていないのである。
ゆえに委細不明である。
このままでは俺が作戦を補助できないのである。
「見ていれば分かるかと、サスケ団長にとって、わたしも貴方も観客なのですから、観客は観客らしく、観覧席から舞台を見ていましょう。」
ルル大提督が俺にもたれ掛かり、ふたりで同じモニターを見続ける事になった。
そして後半に続く・・・。




