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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
災禍の討滅者編
81/140

商談、誰が担当する?2

評価していただきありがとです。

久しぶりのマイヤ譲は苦労しています。

楽しんで頂けると幸いです。

行間修正。



--------------------

【報告】プラム艦長が入室の許可を求めています。


【報告】クロガネ艦隊長が入室の許可を求めています。

--------------------


「チェリーお待たせー♪」


 プラム艦長が、帰還のあいさつもなしにチェリー艦隊長にぎゅうっと抱きついている。


「はー幸せ・・・・。」

「もうプラム、帰還のあいさつしないと、司令官さんに怒られる。」

「いいの、いいのー、チェリーてば、あいさつなんて後々―――。」

「プラム、帰還の報告をお願いできるかしら。」

「はいっルルさん!プラム艦長、ただいま帰還しました。ご命令通り有人船団は小ドックに係留中ですっえーと・・・。」


 一瞬でビシッとした気をつけの体勢を整えて敬礼するプラム艦長に、俺は返礼を返すが、やはり気づかれない。代わりにルル大提督が返礼を返してあいさつを終わらせる。


 うむ、プラム艦長ご苦労であった。

 いま鉄拳娘と要塞令嬢にゲストの出迎えをお願いした処である。貴官は戦闘詳報を提出のうえ、チェリー艦隊長らと共にしばしの休息を楽しむといい。

 貴官等の次なる活躍に期待している。


「さっすが司令官、分かってる~、さ、行こ、チェリー♪」

「うん、プラム、司令官さん、御用があれば呼んでください。」


 プラム艦長に押されてチェリー艦隊長が休憩スペースに移動していく。

 ふたりは仲良しであるな。


「でしょう、みんな、ああなれればいいよね。アオイ艦隊長、ただいま戻りました。どう今日も勝ってきたよ。」


 軽い調子でアオイ艦隊長が帰還のあいさつをした。


 うむ、アオイ艦隊長として差配見せてもらったのである。

 見事であった。


「ふふ、ありがとう、ルルさんの作戦指揮があればこそ、私たちも戦えてる、君はもっと感謝しなきゃダメだよ。」


 うむ、感謝は常にしているのであるな。

 ルル大提督にも改めて感謝を、貴官にはいつも助けられている。


「ふふふ、感謝の気持ちは物で頂けると嬉しいわ、ね、アオイ。」

「えーと、そうですね、例えば戦艦とか?」

「戦艦とは言いませんわ。ええ、駆逐艦をもっと増やしていただけると、すっごくうれしいわ。」


 ・・・・善処するのである。

 そういえば、まだ1500メートル級重戦闘母艦の最終報告が提出されていないのではあるが、彼女達に提出を促すべきであろうか、いや時間的にまだ早いのである。

 彼女たちならば、仕事もきちんとこなすはずである。

 ここは泊地の主らしく、じっくりと待つべきであろうな。


「また変な事考えてる。で、どうする、新人もいるみたいだし、歓迎会やってもいいかな?」


 うむ、委細任せるのであるな。


「よし任された。はーい新人さん、私はアオイ、ねぇあっちで一緒に飲まない?」


 こういう時、アオイ艦隊長は頼りになるのである。


「貴方、そろそろマイヤ譲にも協力を要請するべきでしょう。会談場所の設営が必要になりますわ。」


 であるな。

 人類種との交渉はいろいろ手間がかかるのである。


「ええ、ですから、借りられる手は借りるべきですわ。」


 ルル大提督の言葉に俺も同意する。

 俺はマイア・ユースティティア調査士官に協力を要請すべく、通信をつなげた。



 珠ちゃんからの要請を受けたマイア・ユースティティア調査士官や生存メンバーが、居住区画の使われていない住居のひとつを会談場所として選び、ようやく清掃作業とテーブルの設置が終わった処だった。

 マイヤ嬢達がこの使われていない建物を選んだのは、単純に自分たちの住居を知られないための自衛策であり、これから来る集団を警戒しているからでもある。


「盗聴器よし、監視カメラは?」

「設置完了です。」

「監視指揮所、映像は繋がってる?」


 マイヤ譲が通信機で通信を行い―――。


『良好です。監視拠点の選定も終了しました。』


 ―――その答えに満足する。


「飲み物と軽食は?」

「こちらも準備完了です。ただフェザーさんから、お客さんの滞在場所も決めて欲しいと要請がきてます。」

「フェザーさんから?デイジー、任せちゃっていい?」

『はい、おまかせくださーい・・うふふ。』

「デイジー?」

『はーい、なんでしょう?』

「なんか変じゃない?」

『ぜーんぜん平気ですよー、えへへ、ビールおいしいっ♪』

「酔ってるーっあなた飲めたの!」

『もう一杯おかわりー、えーと、えーと、その黒いのください♪』


 デイジーからの返答がない、完全にビールに夢中のようだ。

 仕事を忘れて、完全に飲みモードに入ってるらしい。

 よくいる仕事帰りの酔っ払いと変わらない返答をしてきている。


「みんなゴメン、ゲストの滞在場所もこっちで決めるわ。この辺でどう?」


 デイジーからの支援を諦めたマイヤ譲が候補地を探し始める。

 もしもの時に備えて、ある程度離れていて、それでいて監視しやすい場所がいい。

 そう考えたマイヤ譲が仲間の兵士たちにも意見を募り、その結果をフェザーに送った。

 ようやく船の建造が始まり、帰れる目途が立ったこの時期に、トラブルだけは勘弁してほしい。

 それが皆の共通認識となっていた。


「そういえば、各種兵器類も一括納入してもらうって話ですが、倉庫に届いたあの試作品も試乗していいんですか?」

「ええっ、もう届いてるのっはやいなぁ、要望書だしたのつい先日なのに。」


 無理を言って、持ち出した備品の整備と保管場所として湾港区間の一角を間借りさせてもらっていた場所に、頼んでいた装備がもう届いたらしい。

 新品の輝きを放つ反重力バイクと新型機動外骨格の映像をその兵士が見せてくれた。


「使えそう?」

「はい、シュミレーションなら何度でもやってます。ただ実機訓練はこれからですが、すぐにものにしてみせますよ。」


 実戦経験を積んだ兵士とは、こうも変わるものなのか。

 新兵同然だったはずの二等兵が、自信ありげにそう語った。


「ならば任せます。使える様になってください。」

「了解です。皆にもそう伝えます。」


 敬礼をしてくる二等兵に―――。


「お願いします。」


―――マイヤ嬢が奇麗な返礼を行った。


『おーいマイヤん、そろそろ、お客様お連れしていいかじゃん?』


 私も変わったかな、そんな感傷を感じていたマイヤ嬢に、新たなゲストの送迎に向かっていた鉄拳娘から連絡が届いた。



酔いどれデイジーは仕事しません。

自分のやるべき仕事はもう終わらせたので、完全に休暇を楽しんでます。

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