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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
廃墟の眠り姫編
66/140

第2次グレイトパール泊地沖会戦8

感想感謝。

グレイトパール泊地沖会戦もそろそろ終わりです。

読んで頂いて感謝。

行間修正。

 これは不味いのであるな。


「ええ、遊兵化していた敵前衛艦隊β4群が有人武装船団に向かう軌道に乗りましたわ。」


 ルル大提督、退去勧告はしたのであろうな。


「間違いなく、ただ未到着の輸送船の出現まちと再度の恒星間跳躍に必要なエネルギーの充填まで、この宙域に残留許可を求めてきました。もちろん断わった上で、退去勧告は現在も続けております。」


 前衛艦隊指揮中のルル大提督が、忙しい合間を縫って応えた。


 この退去勧告が出来たのも、調査解体した有人調査船とマイア・ユースティティア調査士官並びにデイジーから提供されたデータの中に、人類側が緊急時に使う人類共用回線データがあったからだ。

 このデータがなければ、退去勧告など出来なかったであろう。

 やはり再度の退去勧告に、現状の状況をつけておくるべきであろう。


「了解しましたわ。貴方、もし従わない場合は?」


 最悪、放置であるな。現在出撃可能な艦隊は存在しないのである。

 ウル、ヴィオラ提督の出撃準備はどうか?


「もうしばらくお待ちください。ヴィオラお嬢様の初陣です、手落ちがあっては許されません。」


 うむ、状況は流動的である、留意せよ。


「了解しました。旦那様、万事滞りなく準備いたします。」



 結局、勧告を受けた有人武装船団は従わなかった。

 軽巡か巡航艦に相当する有人武装船が34隻、大規模船団より分離して敵前衛艦隊β4群の迎撃ルートに変移する。


 どうやら人類側はやる気らしい。

 交戦距離まで18分、Evil艦隊の戦力データはあるが、有人武装船のデータ不足により、結果は予測不能である。

少し保険をかけておきたいものであるが―――。


『こちらヴィオラ提督です、お待たせしました。出撃準備完了です。』


―――ヴィオラ提督の報告に俺は頷き、命令を下した。



「こちらアオイ家族艦隊第1艦隊アオイ艦隊長、目標座標に到達、これより敵機動艦隊β2群撃滅にむかいます。」


 事象界面を超えて短距離空間転移した2隻の重巡が、派手に重力震をまき散らして通常空間に出現する。想定されていた敵からの転移直後の攻撃もなく、目標である敵機動艦隊β2群は第3次攻撃隊の出撃中だった。


 想定時間より若干遅れたものの許容圏内、宙域情報を更新したアオイ艦隊長はそう判断して、借り受けたケルベロス級高速重巡航艦を引き連れ、リントヴルム級重レーザー重巡航艦を飛翔させる。

 宇宙を駆ける機械仕掛けのドラゴンと地獄の番犬の名をもつ高速重巡が、機動戦力をすり減らし弱体化した敵機動艦隊β2群に向かう。


 当然、敵機動艦隊β2群も迎撃する。

 揚陸艦隊β3群救援に向かわせた機動兵器群の大半を呼び戻してまで、アオイ艦隊の迎撃に向かわせ、さらに敵機動艦隊β2群が第4次攻撃隊の発艦を始めている。

 しかし、第4次攻撃隊として出撃したのはわずかに50機余り。


「総数439機、さすがにもう打ち止めかな。さぁケルベロス行きなさい。」


 2番艦の位置につき、リントヴルム級重レーザー重巡航艦に従っていたケルベロス級高速重巡航艦が隊列を離れ加速する。

 当然のようにその進撃を阻もうと殺到する機動兵器群を―――。


「竜の意を示せ、リントヴルム。」


―――ドラゴンブレスが薙ぎ払った。


 そして、囮であり本命でもあったケルベロス級高速重巡航艦が、その間隙をついてさらに加速する。残存機動兵器群のカバーは間に合わない、ケルベロス級が穴の空いた防衛ラインを素通りして球形陣内に飛び込んでいく。


「さあ、狩り尽そう。竜の如く。」


 球形陣内に突入して敵大型母艦級に肉薄したケルベロス級の猛攻で、最初の1隻が撃沈する。

 ドラゴンブレスで消費したエネルギーを充填しつつ、リントヴルム級重レーザー重巡航艦が翼を広げた。


 残存戦力を結集して機動兵器群が迎撃するも、アオイ艦隊長の指揮するリントヴルム級の艦隊防衛射撃網に捕らわれ次々と落とされる。

 護衛にあたる艦載機もなく、球形陣内で暴れまわるケルベロス級の猛威を止めようとした随伴中の損傷駆逐艦級3隻もあっさりと沈んでいく。


 外からやってくる猛威が、残存する機動兵器群を潰して進む。

 内と外、暴れまわる重巡2隻によって球形陣は崩壊し、残存母艦達はバラバラになって逃走を始める。

此処に機動艦隊β2群はその戦力を喪失した。



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