第2次グレイトパール泊地沖会戦3
尺の都合で今回短めです。
評価、ブックマ感謝です。
楽しんでいただけたら幸いです。
行間修正。
―――そう、敵主力艦隊β群は88隻からなる大規模機動艦隊群であった。
敵はやる気充分であるな、結構な事である。こちらも負けてはいられないのであるな。ヴィオラ提督にも感謝である。
しかしヴィオラ提督もごく短期間でよくもマスターしたものであるな。タイムラグを感じない見事な状況解説であった。
もちろんルル大提督に言われずとも、戦闘艦のコインはチャリンチャリン済みである。
やはりチャリンはいいものであるな。
「貴方、敵機動兵器群の予測数は?」
1800誤差200、ルル大提督はどうか?
「最低1000最大で2000越えもあり得るかと思いますわ。」
うむ、ならば2000として作戦を立案すべきであろう。
「では2000で立案しますわ。」
敵は引き込むべきであろうな。
そうすれば増援として戦艦1隻と泊地機動兵器群を投入出来るのである。
「ええ、そのつもりです。此処でまず一戦交え、その後は引き込みつつ削っていき、頃合いを見計らって仕掛けましょう。やるならば一気に、散逸されては面倒ですわ。」
引き込み、ばらして、潰すであるな。
「はい、集結状況から予測すると、敵艦隊はおそらく打撃艦隊β1群を中心に据えた艦隊配置とするでしょう。中心のβ1の打撃力を生かす為に、前方に前衛艦隊β4並びにβ5群、最後尾に揚陸艦隊β3群、機動艦隊β2群は打撃艦隊β1群の近くかβ1群と揚陸艦隊β5群の中間付近に展開して艦隊支援を行うつもりでしょうね。」
うむ、ルル大提督の発言を支持するのであるな。
ならば目標は、打撃艦隊β1群であるか?
「はい貴方、この大艦隊の急所はβ1群です。この艦隊を引き抜き潰せば、この大艦隊は瓦解しますわ。すでに作戦は立案済み、人員各員への通達と必要となる特務艦隊を新たに編成出撃させましたわ。」
俺は作戦案を一読して了承し、宙域図に泊地から伸びる特務艦隊とグレイトパール泊地集結艦隊の動向を確認した。
「貴方、そろそろ始まりますわ、敵機動艦隊β2群に機動兵器群発艦の兆候あり。」
敵艦隊を観測していたモニターのひとつに、次々と大型母艦級および巡行母艦級から発艦するEvil機動兵器群が映る。
四本腕の有翼人のようなウォーチーフ、いくつもの獣が混じり合った姿の宇宙を駆けるキマイラを筆頭に生体ナパームに包まれた髑髏レッドスカルや、ハンマーヘッドシャークのような姿のスパークヘッドに混ざり卵を抱えたエビに似たシュリンプボムや翼上の突起物をもつ眼球ウィングアイなど多種多様な敵機動兵器群に混ざり、有翼人型のガーゴイルもいた。
さて、どれほど出てくるかであるな。
この敵の一手、第一次攻撃隊の数こそが、相手の本気度を測る物差しと言えるのである。少なければ様子見か足止め、多ければ多いほど艦隊殲滅を優先していると判断出来る。
ルル大提督、敵戦艦群から小型艇級の分離を確認である。
「敵機動艦隊β2群から機動兵器群計14群が分離、戦騎級が3群、戦闘機級3群、戦爆連合が8群。戦艦群より戦闘艇級1群が分離。」
読み上げるヴィオラ提督の声。
より詳細な戦域図に描かれ、ナンバリングを振られた敵戦力の内容と予想進路。
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戦騎級ガーゴイル80騎
重戦騎級ウォーチーフ34騎
重機動戦騎級キマイラ22騎
戦闘機級レッドスカル160機
戦闘機級ウィングアイ100機
攻撃機級スパークヘッド320機
重爆撃機級シュリンプボム115機
突撃艇級ランスフィッシュ32艇
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総数863―――。
微妙であるな。本気で艦隊殲滅を狙うならば1200機は出撃させたはずである。さりとて様子見としては数が多いのであるな。
「半端な数ですわね、でもこちらの作戦に変更はありませんわ。」
うむルル大提督、敵主力は攻撃機級のスパークヘッドであるが、この種の放つプラズマ弾の威力は低い、しかし重爆撃機級シュリンプボムの溶解球と突撃艇級ランスフィッシュの突撃はこちらの駆逐艦を沈める可能性がある、留意せよ。
「もちろん近づかせませんわ。敵前衛艦隊β4、β5群に動きあり、予想通り両サイドからの迂回機動でこちらの側方か、後方に廻り込むつもりですわね。
打撃艦隊β1群も移動開始、ふふふこちらも移動して射線上に敵機動兵器群を置いてあげましょう。さて撃てるかしら、もちろんこちらは遠慮なく撃たせて頂きますわ、ソウジ提督始めなさい。」
Evil機動兵器群は種類が多いです。
これはいろんな生物や技術を取り込み続けた進化の過程で、枝分かれしていった結果です。
もっとも多いのは、歩兵級なのですが・・・・・。




