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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
廃墟の眠り姫編
55/140

再設計、重戦闘母艦

予約投稿分のラストです。

楽しんでいただけると幸いです。

行間修正。


 チェリー艦隊長並びにプラム艦長に問う。貴官等に任せた1500M級重戦闘母艦の進捗状況はどうなっている?両名からの経過報告がまるでないのであるが、何らかの問題が発生したのであるか?現状の進捗状況を報告せよ。


 俺の問いかけにプラム艦長が―――。


「あははは、ごめんなさーいっ壊しちゃった。」


―――てへぺろっと軽い感じで返してきた。


 チェリー艦隊長、何があったのであるか?データ状の仮想モデルなど、いくら壊してもバックアップから復旧できるのである。しかし何があったかは報告すべきであろう。


「えーと、その、ごめんなさい。問題解決に無理な改装に挑戦して、こうなりました。」


 チェリー艦隊長がデータクリスタルから取り出した試作重戦闘母艦は、艦の中ほどから真っ二つに折れていた。


 なかなかの惨状であるが、何があってこうなったのであるか?


「はいはいっ司令官、想定外に脆かったですっあはははは。」


 プラム艦長、まさか、まさかであるが、アインホルン級重巡航艦のノリでぶん回したのであるか?重戦闘母艦は戦闘力はあっても、あくまで母艦枠である、頑丈なアインホルン級とは違うものであるぞ。


「えーだって、艦隊戦はカチコミかけなきゃ面白くないって、無茶の出来ないお奇麗な戦い方ってなんか苦手~。」


 理論より感性で戦闘艦を操るプラム艦長らしい発言に、俺は自分の失敗を理解する。


 この結果は艦設計に両艦長、特に彼女の戦闘方針を取り込まなかった俺が悪かったのだ。


 俺は両名に預けたデータクリスタルを回収し、破壊された重戦闘母艦の仮想モデルを解析しつつ、並列処理で両名のシュミレーション結果を検証する。


 やはりというか、なんというか、プラム艦長の突撃思想が酷い。


「ええ~アインホルン級はちゃんと応えてくれたよー。」


 あの艦が特別頑丈なだけである。激突して一方的に吹き飛ばす艦と一緒にされては堪らないのであるな。比較対象としては非推奨である。


 両名のシュミレーション結果に残されたデータによれば、船体激突によるダメージが機構上複雑な構造体を持つ艦中央部から艦後部にかけて発生するようであるな。おそらく頑丈な構造体を持つ艦前方部分に与えられた衝撃が、発着場や格納庫という脆弱な機構が密集している箇所に集中したのであろう。


 これを改善するとなると、複雑で脆弱な回転機構を持つ格納庫区間を見直して、単純かつ頑丈な構造体に形成し直さねばなるまい。


「ついでに改修もよろしくっ!」


 うむ、わかっているのである。


 変更箇所は主砲口径と艦体後部格納庫。そして高角砲の増設であるな。


--------------------

【報告】艦艇再設計を開始します。

 主砲変更、艦前部1番2番4番5番24メートル口径3連装重レーザー砲塔4基12門を16メートル口径連装レーザー速射砲塔4基8門に変更。

 さらに4連装レーザー高角砲40基160門を艦側面に20基づつ追加。


 マテリアル装甲を12%増量。


 斜面4面配置の電磁カタパルトを大型に変更し、各1箇所の格納庫と固定。


 下面大型電磁カタパルトを撤去。


 艦体上部2基の大型電磁カタパルトを大型艦対艦ミサイル、多弾頭艦対艦ミサイル、ホウセンカ等より弾種選択、格納庫ひとつにつき合計15基搭載可能。


 艦体下部2基の大型電磁カタパルトは重戦騎専用として格納庫1箇所につき15騎配備。


 それに伴い後部大型格納庫は重戦騎専用として40騎を格納する。

--------------------


 主砲火力が大幅に低下した半面、主砲の発射間隔が大幅に改善されたのであるな。


 さらに側面に並んだ40基の高角砲により、艦隊防衛射撃網は120%強化されたのであるな。半面、搭載できる機動兵器は重戦騎のみ70騎となるが、このクラスの母艦としてはかなり少ないのである。


 本当にこれでよいのか?


「はい、ふたりで話し合った結果です。」


「でも、あたしとしては、反対したんだよ。でもでもチェリーが頑固でさ~。」


「いいの、ふたりの船なんだから。」


「うーん、チェリーがそれでいいなら、受け入れるけど・・・。」


 プラム艦長らしくない、なんとも煮え切らない態度であるな。


 たしかに上部カタパルトも艦載機に充てるのならば、追加で60~80機は搭載出来たであろうな。


「でしょでしょ、ほーら司令官だってこう言ってるんだよ。やっぱりミサイルなんか捨てて、艦載機にするべきだって。」


「いいの、こうするって決めたから、司令官さんこれでお願いします。」


 うむ、改修はいつでも引き受けるのである。


 俺は再びデータクリスタルを作成してコピーを作り、ふたりに―――。


「貴方、大規模転移反応を確認、来ましたわ。」


―――うむ。


 ルル大提督の発言を受けて、俺は渡し損ねたデータクリスタルをふたりに預けてから、宙域マップを拡大した。



しばらく1日1回 21時投稿にもどします。

ペース落とさないときびしくなってきましたので。

次回からは後半パート、第2次グレイトパール泊地沖会戦です。

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