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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
廃墟の眠り姫編
54/140

デブリ調査隊3

戦闘パートも何とか完成。

読んでいただけて感謝です。

行間修正。


 隊列を組んだ警戒ワーカー群が纏めて叩き潰される。


「うふふふ、ええ、ええ、もちろんですわ。」


 棒立ちのまま、要塞令嬢がお喋りに夢中だった。


「まぁ、増援をくださるのですか、それはありがとうございます。ええ、ええ、それはもちろん大歓迎ですわ。旦那様のお気遣いに、わたくし、感激しておりますわ。」


 クルクルと指で髪を弄ぶ、無警戒の要塞令嬢を打倒せんと集結した保安ワーカー群が対人制圧用の電気銃や低出力レーザー砲を集中させるが―――。


「あら、そんな、うふふ。」


―――放たれる実体弾もレーザーも関係なく、悉く彼女が展開した立方体の作り出す力場に防がれ、虚しく散っていく。あっという間に脅威レベルがあがったのだろう、小型ミサイルや高出力レーザー機銃なども使用されたが、ただの1発も届かなかった。


「ええ、報告は以上ですわ。旦那様に必ず吉報をお届けしますわ。」


 煩わしくなったのか要塞令嬢が軽く手を振って球体を走らせ、通路ごと纏めてお邪魔虫をひき潰すと、彼女は名残惜しげに定時連絡を終了した。


 頬を赤く染めた彼女が、満足げに溜息をひとつ漏らす。


 幸せに浸る彼女の周りに転がるは残骸ばかり、荒れ果てたこの通路にはもう、稼働するお邪魔虫は残っていない。


「喜ぶじゃん、マイヤん、大将が増援送ってくれるそうじゃん。」


「はーようやく一息つけそうですね。残弾が心許なくてどうしようかと。」


「自分が補給パックを運んできます。」


「お願いします。」


 随伴していた兵士のひとりがそう言って、後方待機の補給兵の元に向かった。


 マイヤ嬢を含めた前線メンバーは何度かレーザーやニードルガンに被弾していたが、すべて無傷で済んでいる。これは事前に供与された携帯型シールド発生器が予想以上に性能が高く、戦闘用気密服に汚れや傷を残した程度で完全に防いでいたからだ。


「マイヤん、バッテリーの残量チェックしとくじゃん。残量3割切る前に要交換、忘れるなじゃん。」


「はい、・・・・まだ5割は残ってます、大丈夫です。」


「念のため交換しとくじゃん。命はお金じゃ買えないじゃん。」


「そうします。」


「うふふふ、さすがわたくしの旦那様ですわ。言葉と行動でこんなにも、わたくしの背中を押してくれる。ふふふふ・・・・。」


「ああ、うん、まー幸せそうでよかったじゃん。教授の方は解析終わったかじゃん?」


 幸せに蕩けているこの危険物には触れないと決めている鉄拳娘が、要塞令嬢の言葉を軽く流して構造解析にあたっていた教授の進捗状況を聞いている。


「もう一押しという処じゃな。中央制御室の在処は大体この辺りじゃろう。」


 教授が、かなりおおざっぱに半径1キロ程度の円形で包まれた範囲を示した。


「えーちょっと広すぎじゃん、もう少し何とかならないかじゃん?」


「時間を掛ければなんとかなるじゃろうが、虱潰しに探索した方が早かろう。時間的猶予がどれほどあるか分からんのじゃろう?」


「ええ、ええ再び中断となる前に、今度こそ成果をあげるのですわ。旦那様の為に、そう旦那様の為にわたくしが約束を果たすのですわ。」


「無駄に気合いが入ってるじゃん。」


「うふふふ、当然ですわ。恋をすれば人は変われるのです。そう、いつかあなたにも分かりますわ。」


「ますます不安が、ヤバヤバじゃん、どうするよコレ。」


 しかし危険物から寄ってくるこの状況に、鉄拳娘があるはずのない胃痛を感じていた。



ストック増えるまで明日から21時更新で1回のみで進めます。

申し訳ない。

第2グレイトパール泊地沖会戦はギミックいっぱいでお送りします。

予約投稿してから、ネタバレ含む話と三章に続く閑話を作らないと・・・・・。

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