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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
廃墟の眠り姫編
50/140

スキンシップする?

怪しい惑星発見報告の回ですね。

そろそろきな臭い雰囲気を漂わせつつ、状況は推移していきます。

読んで頂き感謝です。

行間調整。

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【報告】改アインホルン級重巡航艦の修理改修が完了しました。(12/20)


【報告】ノービス級偵察艦3隻の建造が完了しました。(5/5)


【報告】艦艇を建造せよ。を達成しました。(115/120)

報酬として、功績点50点、建造短縮コインを受領しました。


【依頼】艦艇を10隻建造せよ。が発令されました。

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 挑発的行動を繰り返す例のEvil偵察艦が、7度目の逃走を遂げた頃、無事に改アインホルン級重巡航艦の大改修が完了した。


 ほぼ同時期に終わった3隻のノービス級偵察艦と比べてもその改修速度は異常である。


 恐らく時空間に干渉する技術が使われているのであろうが、詳細は不明。


 うむ、最重要機密指定により詳細不明であるが、俺の予測完了時間の10%ほどで完了しているとなると90%の削減という説明は嘘では無かったようであるな。


 俺は検証結果に満足して、予定通り3隻のノービス級偵察艦と改アインホルン級重巡航艦をルル大提督に預ける。


 ルル大提督は速やかにエクレール級高速巡航艦を返却されたし。


「ごめんなさい貴方、もう少しだけこのまま使わせて下さい。」


 むむ、どういうことであるか?


「まだ確証はありませんが、まずこれをご覧下さい。」


 ルル大提督がコンソールを操作して疑似空間に投影したのは、グレイトパール星系図だった。


 グレイトパール星系には7つの惑星が存在している。


 GP0と仮称した恒星に近い順にGP1~GP7と仮称し、さらに発見した衛星や小惑星についてはGP○●S(白丸には惑星番号、●には発見順の数字を割り振る)で表記しており、グレイトパール泊地の現在位置は、L級ガス惑星GP4の静止衛星軌道上、GP4を取り巻く小惑星帯の付近である。


 現在までの調査により、GP1~GP3は金属惑星。GP5はガス惑星、GP6~7は氷惑星であることが判明していた。


「先日までに入手した情報と累積していた観測データを反映してみましたわ。」


 うむ、だいぶ調査が進んでいるようであるな。


「いいえ、まだまだですわ。各惑星の調査は簡易測定のみですから、将来の資源確保を見据えて、資源探査を進めませんといけませんわ、いまはまだその事前調査も終わっていませんからね。この話はまた後でするとして、わたしが怪しんでいるのはこの惑星ですわ。」


 ルル大提督が惑星のひとつを手に取り、大きく拡大させる。


 うむ、エクレール級高速巡航艦を受領して以降、貴官がグレイトパール星系第2惑星GP2周辺を集中的に調査していたのは確認しているが、何か掴めたのであるか?


「ええ、GP2は重金属雲に惑星全体が覆われている天体で、将来の資源惑星としてチェックしておりましたわ。ですが、惑星位置と地表温度、そして重金属雲の密度が正比例していない様なのです。」


 うむ、言われてみれば確かに恒星の活性化の兆候もなく、惑星軌道としては遠ざかりつつあるのだから、恒星の高熱を受けて発生する重金属雲の密度は停滞か減少していくはずであるな。逆に急速に増大する要素が見つからないのである。


「勿論この惑星特有の現象かも知れませんわ。何分過去の観測データは存在しておりませんから、ですが人為的な要因が絡んでくるならば話は別です。」


 人為的な問題であるか・・・・・・。


 ルル大提督、我が星系内にEvil出現の兆候はあるか?


「いいえ、現状1隻で挑発行為を繰り返すEvil偵察艦を除き、星系内にEvilの兆候はありません。又、光学観測によるEvil発見の報告もありませんわ。しかし、GP2には何かがあるとわたしは意見具申いたします。」


 あのルル大提督が口調を改めてまで行った意見具申である。無視は出来まい。


 俺は改めて提出されていた資料と現状の観測データを突き合わせ、予測値との乖離を計測する。


 やはり、異常であるな。


 ならばこの惑星にEvilが存在すると仮定した場合、どのようなタイプであろうか?


・・・・・・環境適応したステルス型のEvil種であるならば、重金属雲の中あるいは地表に隠れ潜む事は可能であろう。過去のデータにおいて、恒星を住処としたEvil種は存在したのである。たとえ生物種において絶望的な環境であろうとも奴らが生存出来ない理由にはならないのであるな。


 ルル大提督の意見具申は了承したのである。引き続きエクレール級高速巡航艦は預けておくのである、他に必要な戦力があれば別途請求されたし。


「ならばこれもお願いしますわね。」


 容赦なくルル大提督が差し出した分厚い補充依頼書の束に、俺は泣きそうである。


「手早くお願いしますわね。」


 本当に泣きそうであるな。


 また空振りに終わった駆逐艦隊からも、どことなく哀愁が漂っているようである。


「貴方、それは唯の感傷ですわ。」


 うむ、肯定である。また資材が足りなくなったのであるな。


「仕事がなくなったのですね。」


 違うのであるルル大提督、資材不足でタスクが実行出来なくなっただけである。タマゴの頑張りに期待するのであるな。


「珠ちゃん、イジメ×」


 いじめてないのである。


「パワハラ?」


 否定するのである。


「セクハラ、する?」


 手も足も無いのであるな。


「楽しそうですわね、貴方。わたしともスキンシップしますかしら?」


 ルル大提督が緩やかに回転する俺に身を寄せ―――。



調査結果は閑話になるかな。


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