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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
廃墟の眠り姫編
40/140

おしおきです。

尺の都合で短くなっております。楽しんでいただけると幸いです。

行間修正。

 俺は損傷した駆逐艦の修理に複数の修理隊を派遣しつつ、修理計画に従いタスクを実行する。


 最初は駆逐艦4隻からである。


 内部スキャンデータによれば、4隻とも損傷は2次装甲まで届いておらず、修理箇所は1次装甲であるナノマテリアル装甲の洗浄と充填、そして再コーティング処理だけで済みそうであるな。


 次いでリントヴルム級重レーザー重巡航艦とアインホルン級重巡航艦である。


 どちらも小破判定であるが、駆逐艦に比べてナノマテリアル装甲の消耗度は大きいのであるな。充填量は駆逐艦4隻分の補修資材を2隻で軽く超えるのである。此処は修理隊10隊づつに分けて同時作業で進めるべきであろう。


 この後はエスプリ級小型母艦であるな。


 帰還スケージュールに若干の遅滞が生じたリーフ艦隊の2隻は、入渠しだい修理タスクを実行である。


 計算上、この9隻分の修理に必要な資材は充分に賄えるはずであるな。


「問題はこの後ですわね。」


 うむ。どれだけの資材を集められるかで、どの艦を修復するかを決めるのである。


 大破したリュミエール級巡航母艦やアインホルン級重巡航艦の大規模修復。そして1号支援砲艦の復元となれば、現在の備蓄資材量ではまるで足りないのであるな。


 もちろん長期的にはネルソン級戦艦の残骸解体や破損廃棄品の山を資源回収して、消費資材量は回収出来る予定ではあるが、現状の資材不足を賄えるものではないのである。


 修復の始まった駆逐艦群のモニター群を脇によけ、俺は空いた時間を使ってもうひとつの案件を片付けることにする。


「ゲストの依頼でしたわね。」


 うむ、制御ユニット内に残る人格データのサルベージ依頼であるな。フェイクコアに人格データを移転する形で回収する予定である。


 並列処理として人格データの損傷や復元作業も行う予定であるが、このタスクには若干の時間と多くの処理容量を振り分ける必要がある。


 ルル大提督、周辺状況に変化はないか?


「はい、現在までの処、グレイトパール宙域並びにその星系外縁部からはEvil艦並びに人類種の船もおりませんわ。」


 了解である。しばし集中して作業をするので、委細任せるのであるな。


 俺は入手したアクセスコードを武器にして、破損のはげしい制御ユニットからのサルベージ作業に挑むのだった。


--------------------

【報告】リーフ艦長が入室許可を求めています。

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『司令官?』


 艦隊の入渠作業が終わったリーフ艦長が、此方からの要請に対してまったく音沙汰のない状況に不信感を持ったのだろう、モニターに映る彼女がさらに言葉を投げかける。


「リーフ、いま彼は手が離せないわ。セルフチェックデータを提出して、其処でしばらく待機してなさい。此方から連絡を入れるわ。」


『えーマジですか、ルルさん。だったら撮影の続きしてます・・・・ルル大提督?』


「あら、何かしら?」


 嬉々として再出撃準備を始めたリーフ艦長が動きをとめ―――。


『艦の拘束を外して下さいっ動けないじゃないですかっ!』


―――ルル大提督が仮想コンソールに添えた手を離してにっこり笑った。


「リーフ艦長、おとなしく其処で座って待ってなさい。いいわね。」


『はい、命令受諾しましたっ!』


「よろしい。」


ルル大提督がひとつ頷き、リーフ艦長がなぜか正座で待機していた。



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