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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
廃墟の眠り姫編
38/140

そして延長戦へ

グルグル案件延長戦です。キャラの中では一番たちが悪い団長登場回。

評価、ブックマありがとです。楽しんでいただければ幸いです。

行間修正。

 俺はヴィオラ提督に工作艦を任せ、チェリー艦隊長とプラム艦長、そしてアオイ艦隊長と新たに採用した新人ふたりをひとつの艦隊に再編する。


 ガーベラ隊長はシルバーソード、12メートル級の重厚な騎士甲冑のような重戦騎であるな。全身銀色の塗装と金色の縁取りで上品な仕上がりの近接特化型重戦騎である。


 逆にムツハ隊長のクリムゾン・タージェは空間戦闘を重視した15メートル級重機動戦騎である。


 大型のバーニアを背中に2基、両肩に1基づづ、腰と足に軌道制御用のスラスターが並んでおり、最大の特徴は対レーザーコーティングの厚みを増した対レーザー防御を極限まで高めた装甲であろう。


 どちらも量産仕様であるため、それぞれの癖に併せて改修する時間も必要であるな。


 この辺は当人達と先任3名に任せるのである。


--------------------

【成功】士官コア配備機動兵器を5機配備せよ。を達成しました。(5/5)(101/120)

報酬として、功績点50点、団長コインを受領しました。


【依頼】士官コア配備機動兵器を10機配備せよ。が発令されました。(5/10)

--------------------


・・・・・・・ピ―――。


「ふんっ!」


 ルル大提督の容赦ない一撃。


「貴方、おはようございます。」


 うむ、おはようであるな。どうやら悪い夢を見ていたようである。


「ええ、貴方、まだ途中のグルグル案件を片付けましょう。」


 そうであるな、ルル大提督の番であったな。


「いいえ、貴方の番ですわ。」


 ルル大提督の番であるな。


「うふふふ、貴方の番ですわ。」


 ルル大提督の番である。


「貴方。」


 この件については一歩も引かないのであるな、グルグル案件は全力回避である。


 俺とルル大提督による譲り合いという名の押し付け合いが続く。


「ふたりともストーップ、ムツハちゃんの前で醜い争いはしないっ。」


 恒例となりつつあるトップふたりの争いを止めたのはアオイ艦隊長だった。


 新人ママさんである彼女に、ふたりの雰囲気に怯えたのだろう義理の娘になったムツハ隊長がギュっとしがみついている。


 む、アオイ艦隊長立候補であるか?


「アオイさん、直ぐに甘やかそうとする癖は直すべきですわ。」


 即座に丸投げしようとする俺を牽制しつつ、ルル大提督がやんわりとアオイ艦隊長に釘を差す。


「まーまールルさんも抑えて抑えて、ここはひとつゲームで決めましょう。」


 ゲームであるか?


「あら、いいですわね、ジャンケンでもなさいますか?」


 拒否であるな。それは処理能力の差で決着がつく不正し放題なゲームである。


「あら貴方、そんな事を言い出せば、すべてのゲームがそうなりますわ。」


「ふっふっふーん、処があるんです。それがこのあみだくじ。」


『あみだくじってゲームじゃねえだろ?』


 ぼそりと、モニター越しに疑問を呈するソウジ提督に―――。


「ゲームです、今決めました。」


―――そう、アオイ艦隊長が言い切った。


「スズヤさんも参加です。いいですね。」


「ソウジって呼んでくれよ、アオイちゃん、で誰が当たりを決めるんだ?」


「アオイでいいですよ、当たりはダイスで決めようかと、これでよしっ、さ、皆さん選んで下さいね。」


 スズヤ提督の言葉を軽く流し、アオイ艦隊長が提案を纏めきった。


 そして、見事に当たりを引き当てたのが、俺・・・・ではなく―――。


「え、え? ムツハが当たり?」


 うむ、ムツハ隊長、初グルグル案件であるな。子細はアオイ艦隊長と相談して、貴官はタスクを完了せよ。アオイ艦隊長、後は任せるであるぞ。


 グルグル案件からおさらば出来て、俺は一安心である。


「あーはいはい、じゃあママと一緒に頑張ろう、ね。」


「うん、ママ、やってみる。」


 うむうむ、俺はふたりの様子を見守りつつ、団長コインをチャリンと入れた。


【団長Sコア2と契約しますか?】


 俺は躊躇いなく契約した。


 黄色いソウルクリスタルが光の粒子となって弾けて消えると、其処には―――。


 む?誰もいないだと?


―――誰もいなかった。


 否、其処にいるのであるな。


「忍法、光学迷彩の術でござる。ニン。」


 身体を覆った布を払い其処に現れたのは、青紫の全身忍び服を纏った青年っぽい変人だった。


 プロフィールによると男らしいが、覆面をしている為に目元しか見えず、少しだぶついた感じがする忍び装束が、身体のラインまで上手く隠している。


「戦うエンターテイナー此処に推参でござる。ささ拙者にふさわしき名を頂けるでござる、ニンニン。」


 アオイ艦隊長、ムツハ隊長は大丈夫であろうか?初グルグル案件としては、少々衝撃がきつすぎる案件のようであるが?


「これはこれは可愛らしいお嬢さん、これを差し上げるでござる、ニンニン。」


 とても妖しい忍者がポンと拍手をすると、するりと現れた鳩がクル、クーと鳴き―――。


「おや、失敬、失敬、こっちでござったな、ニンニン。」


―――再びポンと手を叩くと鳩が消えて、今度は一輪の花が現れた。


「・・・あ、ありがとう。」


 受け取った花をムツハ隊長がアオイ艦隊長に見せているが・・・・アオイ艦隊長、笑顔が引きつっておるぞ。


「また、こんな変人ですか、貴方はよくよく奇縁に恵まれますわね。」


 うむ。照れるである。


「褒めてません。」


 うむ、見事にグルグル案件を回避出来たのである。素晴らしい事であるな。


 後の事はアオイ艦隊長に任せて、俺は仕事を進めるのである。


 グルグル案件よ、さらばである。



忍者でマジシャンで自称エンターテイナー、そして、もう一段階変身します。(笑)

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