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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
廃墟の眠り姫編
36/140

グルグル

この場を借りて京アニ放火事件の犠牲者達へ深い哀悼の意を捧げます。

好きな作品が多くて、もうショックです。あのクオリティはもうダメなのでしょうか・・・。

行間修正。

 これでグルグル案件はあとひとつである。


 あとひとりで終わりであるな。


「ええ、貴方分かっていますわね。彼女の担当はあ・な・たですわよ。」


 うむ、ルル大提督に言われるまでもないのであるな。


 この結果は予測済みなのである。


 そして名前の候補は既に選定済みであるな。


 俺は同じ失敗は犯さないのである。


「おい頭領、全力でフラグ立ててるぜ。」


「うんうん、フラグフラグ~♪」


 仕事の傍らでお約束を期待するチャンプとフェザーが茶々を入れる。


 外野は黙って、仕事を進めるのであるな。


「名前を決めて。」


うむ、クール系女史・・・クール。


「貴方。」


 本気ですか、というルル大提督の言外な声が聞こえて来そうな一言であるな。


 スノウでどうだろうか、雰囲気にぴったり―――。


「嵌まりすぎてて嫌です。」


―――拒否されたのである。


 ならばアイス―――。


「嫌です。」


―――拒否されたのである。


 拒否されたのである。


 拒否されたのである。


 グルグルグル・・・・。


「貴方、まさか、冷たいイメージのものばかり選定されたのかしら?」


「ほらやっぱりフラグだったぜっ。」


「うんうん、フラグフラグ♪」


 お約束の到来に、ふたりが俺の近くまで寄ってくる。


 雰囲気はダメ、雰囲気はダメ・・・・。


 グルグルグル―――。


 スノウガール、ホワイトレディ、ダイヤモンド、縮めてダイヤ・・・・。


 ダメである。ダメである。ダメダメである。

 

 すべて拒否されたのである。


「冷たいイメージが嫌です。もうちょっと柔らかいイメージがいいです。」


 柔らかいイメージとはなんであるか?


 具体的な条件を提示するのである。


 グルグルグルグル―――。


 ふわふわ。


 もこもこ。


「貴方、それは女性につける名前ではありませんわ。」


「無しです。」


 ふたりから拒否られたのである。


 なぜであるか、どちらも柔らかなイメージである、要望通りである、何がダメなのであるか?


「貴方、まだ回転が足りないようですわね、もっと廻りましょう。」


 グルグルグルグル―――。


 雰囲気はダメ、表現もダメ。


 柔らかいイメージ。


 柔らかいイメージ・・・・・・。


 グルグルグルグルグルグルグル―――。


「もっと、もっとだぜっ頭領、男になれよっ!」


 出来る工具箱チャンプがエールを贈り、俺は更なる高みに―――見えた。


 とうふ。


 まさにイメージ通りである、これなら・・・・・。


「これなら、じゃありません。もっと廻りなさいっ!」


 当然の如く却下され、ルル大提督の無茶ぶりが続く。


「グールグルン、グールルン、それグールグル♪」


 フェザーがキラキラ粒子倍増でクルクル廻り―――。


「珠ちゃん、ガンバ。」


―――そっとタマゴが声援を贈る。


 何がいけないのか?


 何がダメなのか?


 なぜダメなのか?


 そもそも柔らかいイメージとはなんだ?


 グルグルグル―――。


「クツクツクツ、珠殿は難しく考えすぎじゃ。妾の様に花の名に因むとよかろう。」


 花、花、色、見えたのである。


 バイオレット・・・いやヴィオラでどうであろう?


「ふふ、いい響きね。瞳の色から決めたのかしら?」


「ヴィオラ、良いかも。」


 どうやら気にいってくれたらしい。


 終わりであるか?


 グルグル案件が終わったのであるか?


 本当に終わったのであるか?


「ねぇねぇ珠ちゃん、菫の花言葉には誠実とか小さな幸せとかあるんだって、知ってた?」


 む、アオイ艦隊長。貴官の仕事は終わったのであるか。


「もちろん、ムツハちゃん、こっちにおいで自己紹介よろしくー♪」


ムツハちゃん?


変わった名前であるな。


「ふっふーん、彼女の腕にちゅうもーく、ほらほらここにね、ロットナンバーがあって、その下3桁628からムツハってなづけちゃいました。」


 アオイ艦隊長が指で指し示す装甲少女の上腕を覆う金属装甲には8桁の製造ナンバーが刻まれていた。


 ルル大提督、審判を、それは有りなのであるか?


「セーフですわ。少なくとも彼女は気にいっていますから。」


「残念でしたー、これは語呂合わせって技法でーす♪」


 ぐぬぬぬ、納得いかないのである。


 理不尽である。


 それでよいのかルル大提督、俺は再審を求めるのである。


「本件は棄却されました。」


 残念である、無念である。上告するのである。


「棄却します。」


 俺の提案をルル大提督がバッサリと切り捨てた。



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