帰還3
ブックマーク200件達成しました。皆さんに感謝。
読んで頂けて幸いです。
「チェリー艦隊長です。ただいま帰還しました。司令官さん、おめでとうございます。」
「プラムだよ、ただいま戻りましたーってね、v。」
腰に巻いた半重力ユニットでふわりと浮かぶチェリー艦隊長をエスコートして現れたプラム艦長が、軽い調子で敬礼を行い、チェリー艦隊長はしっかりとした敬礼をする。
俺もしっかりとした答礼を返しているのだが、やはり気づいて貰えないようだ。
ゆえに―――。
チェリー艦隊長、プラム艦長、よく戦い抜いたのである見事であった。しっかりと休憩を行い、次なる戦いに備えよ。
―――感謝を言葉で伝えるようにした。
うむ、やはりこれが一番であるな。
「はーい、先輩も一杯どう?」
軽い調子でいつの間にかウェイター役を務めているアオイ艦隊長が、ダイニングキッチンからふたりを誘っている。いつの間にかダイニングキッチンのある一角が皆の休憩所になっているようだ。
「きゃーなんですかこれっ、こんなの出撃前になかったですよねっ!」
「プラム、ちょっと落ち着こう、ね。」
「すーはーすーはー、アオイさん、取りあえずコーヒーを砂糖ちょっぴりミルク多めでお願いしますっチェリーも一緒でいいよね?」
「うん、一緒がいい。ありがとう。」
「ふふーん、あ、此処にすわろ、ね♪」
「うん♪」
周りに座る皆に軽く頭を下げたチェリー艦隊長が、ふわりと舞い降り、背もたれのない円形椅子に腰を落ち着ける。
しかし椅子と椅子との距離間が気に入らなかったのだろう。当然のようにプラムは立ったまま、チェリーの隣を占有していた。
そして、気遣いの出来る竜人マルス隊長が、爬虫類嫌いなプラム艦長が我慢しないですむように、ダイニングテーブルから離れた位置に移動していく。
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【成功】部材工場を整備せよ。を達成しました。(99/120)
報酬として、功績点50点、資材10コインを受領しました。
【依頼】部材工場の生産力を強化せよ。が発令されました。
【成功】鋼材工場を整備せよ。を達成しました。(100/120)
報酬として、功績点50点、資材10コインを受領しました。
【依頼】鋼材工場の生産力を強化せよ。が発令されました。
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「どうでい、タマゴ、完璧な仕事だろう。」
「次、船材工場、兵器工場、よろ。」
「おまえ、人使い荒すぎだろ、ちょっとは遠慮しろよっ。」
「忙しい、よろ。」
「少しぐらい感謝とかさ・・・。」
「やれ、負け犬。」
「がああああーーー、ぜってえっ泣かしてやるからなーーーーっ!」
「・・・・ん、ありがと・・・感謝。」
そういえば、フェザーが静かであるな。
「生活物資、食糧、とにかく食糧、たりない、たりないの、コンテナどこ・・・・・・。」
鬼気迫る勢いで仕事に打ち込んでおるようであるな。フェザーには、このまま頑張って貰うのである。
「あいつら、食い過ぎーーーっ!また無駄食いしてるーもーーーやだぁっ。」
うむ、ゲストの世話は任せたのである。
俺は現状から意識をそらし、仕事を進めることにする。
新編成した部隊を各隊に配備し、損傷艦の入渠作業を進めているのだが、先にルル大提督に許可をとらねばなるまい。
「あら、何かしら?」
うむ、ルル大提督、第2支援艦隊のことであるが―――。
「解隊しましょう。」
俺の言葉を遮り、ルル大提督が言い切った。
「あら? 3号支援砲艦の改装提案とミズーリ級ミサイル巡航艦の弾薬問題でしょう。違うのかしら?」
うむ、その通りである。
ミズーリ級ミサイル巡航艦は船体の半分が弾薬で出来ていると言われるほど、実体弾兵器を満載しているのであるな。
その艦が弾切れまで撃ち尽くした以上、膨大な量を必要とするミズーリ級ミサイル巡航艦に廻す弾薬を他の艦に廻して、同艦を補給完了まで予備艦にするつもりである。
ルル大提督には、また迷惑をかけるのであるな。
「お気になさらず、わたしでもそうしますから、ただ支援艦隊がなくなる以上、火力不足になりますわ。何かしら手を打つべきでしょうね。」
であるな。ならば損傷艦の修復を優先するのであるな。
当面は小破した駆逐艦を中心に修復と補給を進める予定である。
それにしても、リーフ艦長とソウジ提督が帰還しないのであるな。
「ソウジ提督は周辺宙域の警戒を続けておりますわ。リーフさんは、趣味を絶賛満喫中ですわよ。」
趣味?
俺はリーフ艦隊を示す位置アイコンを拡大し、モニターに映して彼女の様子を確認する。
・・・・あれは、なにをやっているのであるか?




