第一次グレイトパール泊地沖会戦4
第一次グレイトパール泊地沖会戦もいよいよ明日で終わりです。
そのあと閑話を挟んで2章に入るのですが、まだ前半パートしか完成してません。
どうしましょう・・・・。
行間修正。
「球形陣内に突入、中央部到達まで420秒。」
プラムとルル大提督による十字掃射を受け続けた敵大艦隊α群は大きくその数を減らしていたが、小型揚陸艦級とそれが運んでいたEvil兵士級の死骸がデブリとなって漂う戦場を舞台に、残存Evil小型揚陸艦級から放たれる防衛レーザーの光線や近接拡散砲弾の炸裂光が幾度となくチェリー艦隊長の艦載機群に襲いかかっていた。
「ヴォルフ04、被弾、編隊落伍。」
彼女の艦載機群は防衛レーザーの照射なら1秒程度は耐える耐レーザーコーティングに護られてはいるが、実体弾の直撃には効果がなく艦隊陣形内に切り込む肉迫攻撃では、レーザーよりもむしろ広範囲にばらまかれる実体弾の方が怖ろしい。
そして、編隊を襲う危険はそれだけでない。
先頭を飛ぶ戦闘機【ヘクセ】が、残骸の影から飛びかかってきた残存上陸兵級に取り付かれ、諸共にデブリに突っ込み爆散して果てる。
「ヘクセ12、爆散。」
突入僅か1分、ここまでで8機が失われた。
それでもチェリー艦隊長は諦めない。
本来ならば、このような任務には投入しない偵察機まで、攻撃機隊の護衛として随伴させての浸透突破作戦である。其処からでも彼女の本気度がうかがえた。
「ヘクセ16、被弾、編隊落伍。」
刻々と被害は増え、編隊は進む。
残存していた2隻の敵Evil巡航母艦級から飛び出したのは4本腕と翼状の突起物が特徴のEvil戦騎級ガーゴイル、対艦能力を捨てて近距離格闘戦に特化した種だ。
今まで出てこなかったのは航続距離の問題だろうが、現状での遭遇は避けたい敵だった。
それが敵母艦から次々と羽ばたき、その発艦途中に1隻がレーザー光に貫かれ爆散する。戦艦級の主砲火力をもつ1号支援砲艦の砲撃だった。
『敵巡航母艦1隻轟沈、チェリーやりとげなさい。』
ルル大提督の心強い支援の下、編隊はさらに侵攻する。
ガーゴイル群れが編隊に迫る。数はおよそ48騎、護衛として残存するドラッヘ重戦闘機3機とヴォルフ偵察機4機のみを残し、チェリー艦隊長は12機のヘクセ戦闘機隊を編隊から分離してガーゴイルの群れに突入させる。
ガーゴイル48騎対ヘクセ12機、僅かばかりの時間を稼ぎだす為の全滅覚悟の迎撃戦が始まった。
そして―――。
「攻撃目標捕捉。」
絶え間なく続くルル大提督の砲撃によって抉られた護衛戦力を潜り抜けたその先で、編隊は遂に大型艦群を捕捉した。
「ブリッツ攻撃機隊、攻撃開始。」
残存14機のブリッツ攻撃機隊が一斉に散開して、それぞれの攻撃目標に向けて機首を向けると、攻撃機1機に付き2基づつ抱えてきた対艦熱核誘導弾を一斉に発射した。
「全機離脱。」
誘導弾の投弾に成功すると、戦果確認もせずにチェリー艦隊長は編隊を離脱しに掛かる。
こちらの予測通りならば―――。
『大型揚陸艦級03、05、06、08、11、15に命中。』
爆発を確認―――。
忙しいチェリー艦隊長の代わりに戦果確認をしていた俺がその発生を観測する。
熱量急速に低下―――。
―――やはりアレを積んでいた。
休眠中の結晶体から目覚めた狂喰アメーバが、運んでいた母艦を内部から食い破って、外へとあふれだし母艦を飲み込むように広がっていく。逃げ出すことも、振り払う事も出来ずに飲み込まれ、敵大型揚陸艦が、内と外からむさぼり食われていく。
狂喰アメーバには組織への帰属意識もなければ、Evilという種への同胞意識もない。
あるのは強力な飢餓感とその飢えを満たしたいという欲求だけであり、自分以外はすべてエサとばかりに時には同族さえ捕食する。特に休眠状態にある結晶体から目覚めたばかりはとても飢えている。自分を運んできた母艦など丁度良いおつまみ程度にしか考えていないのだろう。
その現象は熱核誘導弾が命中した6隻すべての艦で起こっていた。
『珠ちゃんよりすべての艦隊へ通達、これまでの観測結果より敵Evil大型揚陸艦群はすべて狂喰アメーバ搭載艦であると推測する。これを速やかに駆逐せよ。』
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【緊急】狂喰アメーバを殲滅せよ。が発令されました。
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チェリー艦隊長は残存艦載機群の離脱を継続する。
艦載機で狂喰アメーバの相手は出来ない。
狂喰アメーバを討伐するのに必要なのは技術よりも熱エネルギー量である。吸収仕切れない程の熱エネルギー量を瞬間的に与えることで自滅に追いやる方法が一般的であり、純粋な熱エネルギー量ならば戦闘艦のレーザー主砲の方が優れているからだ。
残存機は13機―――。
撤退機動を封鎖する位置をとるガーゴイル群、残存する護衛戦闘機は重戦闘機【ドラッヘ】が僅かに2機のみ、進路上にいるガーゴイルは10騎程度だが、遅れて到着するであろう落伍群を含めると40騎は確実に残っている。
残ったドラッヘ2機に突撃を―――。
『チェリー、えへへ・・・きちゃった。』
―――する直前に防衛レーザーで群体を切り裂き、生き残りもデブリも纏めて体当たりで豪快に吹き飛ばして現れたのはアインホルン級重巡航艦。
プラムはチェリーの艦載機群を助ける為に、排熱行動を強制中断してきたのだ。当然の事ながら、残留熱量は危険水準こそ脱したが、まだまだ高く十全に戦える状況にない。
それでも―――。
『一緒に帰ろっ、ね!』
―――モニターに映るプラムは笑って手を差しのべていた。
「うん、一緒に帰ろう。」
届かぬその手にチェリー艦隊長も手を伸ばした。
「ううう、見せ場が・・・出遅れたー。」
大型揚陸艦を爆沈させ、彗星のような尾を引きながらファイネル級旧型軽巡航艦が駆け抜ける。
「釣りは要らないわ、取っときなさいっ。短距離誘導推進弾、全弾発射っ!」
艦尾上下面にあるリアウィングに搭載された20連ミサイルコンテナ計4個が保護カバーを展開し、直上と直下に向けて小型ミサイルを連続発射しつつ、艦体をクルリと横回転。
撃ち尽くし放棄されるミサイルコンテナを背景に、打ち上げ花火の様に広がった小型ミサイル群が上昇後、緩い弾道軌道を描いて向きを変え、80発の小型ミサイルが条件設定付き自動照準により、無作為に周辺の小型艦を捕捉し殺到した。
連続で発生して広がる爆発光。
ミサイルに追われ右往左往する小型艦群を無視して。ファイネル級が突き進む。
「くぅーこれよ、これ、これこそファイネル級、これがファイネルライダーの世界っ。最高!」
上機嫌に騒ぐリーフ艦長を乗せてファイネル級が進撃する。
その進路上から小型揚陸艦群をレーザー高角砲で追い払い、中型揚陸艦級をレーザー速射砲で穴だらけにし、大型揚陸艦級に重力アンカーを引っかけてのUターンからの、両弦リニアカノン乱れ撃ち。
押しつけられた推進力と実体弾の衝撃力に負けて、大型揚陸艦級があらぬ方向に吹っ飛んでいく。
「まだよ、共食いでもしてなさいっ!」
リーフ艦長がダメ押しとばかりに連装レーザー主砲の斉射をぶち込み、無理矢理結晶体をたたき起こす。半端溶解したレーザー砲の被弾痕を押し破り、大型揚陸艦の船体から噴き出す狂喰アメーバを置き去りにして、さらにファイネル級が駆ける。
「さっ先輩方、ユリユリしてないで逃げますよ、進路は切り開きますっ。」
リーフ艦長がさらなる獲物を見定める。
目標は決まっている。
最後まで残存していた前方に浮かぶ敵巡航母艦級だ。
これを狩ってミッションクリアすれば、もう誰もファイネル級を旧式だの、やれポンコツだの、ロートルなとど言えなくなるだろう。
いいや、言わせない。
ファイネル級の伝説は終わらないんだからっ。
「全砲門、前方の敵巡航母艦を指向。叩き込めっファイネル、フルバーストっ!」
それはファイネルの咆哮。
ファイネル級が多くを切り捨ててまで求め続けた瞬間火力投射力。
2基4門のレーザー主砲と6基のレーザー速射砲の光が―――。
遅れて着弾したプラズマカノンの閃光とリニアカノンの砲弾の雨が―――。
それすらも貫き、船体を抉り貫く荷電粒子砲の青白い光線が―――。
情け容赦なく敵巡航母艦に叩き込まれ、爆散こそしなかったものの、敵艦は戦闘力を完全に喪失。
止めとばかりに駆け抜けざまに投弾された対艦誘導爆弾が着弾。船体を叩き折る灼熱の華に呑まれて消えた。
「これでよし、こちらリーフ艦長、敵Evil巡航母艦を撃沈しましたっどう、今度はちゃんと見てた? 司令官、これがファイネル級ですっ!」
リーフ艦長の誇らしい戦果報告だった。
『後輩ちゃんもきちゃったって感じ~♪』
『ふたりとも、これ無人機、私は此処にいない。』
『だからなんです?それがどうだっていうんですか?馬鹿にしないでくださいっ味方を見捨てるファイネルライダーが何処にいますかっ!ケルベロス全力砲撃、目標進路上の大型揚陸艦、狂喰アメーバごと吹き飛ばせっ!』
リーフ艦長の指揮に従い、離脱航路を防衛していたケルベロス級高速重巡航艦が全力砲撃を始める。邪魔な小型艦を蹴散らし突っ込んできたファイネル級旧型軽巡航艦が、反転してアインホルン級重巡航艦の前方に躍り出た。
『進路クリア、先導します。付いてきてください。』
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【成功】敵巡航母艦3隻を撃沈せよ。を達成しました。(撃沈数に応じてボーナスあり)(4/5)
報酬として、功績点200点、戦闘機中隊コインを受領しました。
3隻撃破ボーナスとして、功績点200点、中型母艦コインを受領しました。
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狂食アメーバの吸収能力は凶悪です。
現代兵器はほぼ無効化して、吸収肥大化しますから、攻撃すればするほど嵌ります。
設定上これ1体が地球に落ちただけで、地球は滅亡しますから・・・。




