ファイネル再び1
お待たせしました。
ちょっと遅れましたが、更新します。
今回は珠ちゃんサイドのお話です。
読んで頂けて感謝です。
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【損害報告】
女王種討伐派遣艦隊
ヴィオラ無敵艦隊
扶桑級重戦艦【中破】
シャルラハロート級重戦艦【小破】
ミスリル級戦艦【中破】
ホワイトパール級戦艦【中破】
ホワイトパール級戦艦【中破】
ホワイトパール級戦艦【中破】
ベローナ級戦艦【小破】
ミストラル級軽巡航艦 【小破】
バルシェム級駆逐艦4隻【全滅】
ソウジ艦隊
スフェール級高速巡航艦【小破】
ソード級巡航艦【小破】
バルシェム級駆逐艦【轟沈】
バルシェム級駆逐艦【小破】
バルシェム級駆逐艦
クロガネ(アオイ)艦隊
リントヴルム級重レーザー重巡航艦【小破】
ケルベロス級高速重巡航艦【中破】
ミストラル級軽巡航艦【中破】
ミストラル級軽巡航艦【轟沈】
臨時砲撃艦隊
ミズーリ級ミサイル巡航艦2隻
リーフ艦隊
ファイネル級旧型軽巡航艦
ファイネルⅡ級強襲軽巡航艦【小破】
ブランシュ・ネージュ艦隊【ゲスト参戦】
クロスボーン級海賊戦艦ブランシュ・ネージュ号【小破】
ハウンド級高速要撃駆逐艦10隻【4隻小破】
チェリー&プラム遊撃艦【参戦せず】
シサク重戦闘母艦【戦闘中行方不明】
有人船団防衛戦
有人船団
クロスボーン級海賊戦艦ブランシュ・ネージュ号【小破】
有人武装調査船ビーナ号
ファーネ級有人武装船【小破】
駆逐艦級有人武装船ライブラ号【小破】
駆逐艦級有人武装船ソーン号
駆逐艦級有人武装船ヴァールハイト号【轟沈】
駆逐艦級有人武装船リップル号【小破】
駆逐艦級有人武装船ストーム号
救援艦隊
ハウンド級高速要撃駆逐艦15隻【4隻小破、1隻中破】
リーフ艦隊
ファイネル級旧型軽巡航艦
ファイネルⅡ級高速軽巡航艦
チェリー艦隊
コーラル級巡航母艦
プラム艦隊
アインホルン級重巡航艦
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うむ、ようやく損害報告が揃ったのであるな。
参戦した38隻中損傷艦は25隻、小破20隻、中破8隻、轟沈7隻、行方不明1隻であった。
戦闘中行方不明となったチェリー艦隊長以下6人の安否は不明、完成したばかりのシサク重戦闘母艦からの連絡はいまだにない。
しかし、俺は彼女たちの生存を諦めていない。
如何にEvilの罠だったとはいえ、これが跳躍事故である以上、低確率で起こるとされている超空間に閉じ込められるという最悪のケースを除けば、時間軸か空間軸のズレによる通常空間復帰後の空間座標の狂いで出現するはずである。
まだ、諦めるのは早いのであるな。
そして、大破艦がいないのは、自力航行が出来なくなった時点で沈められたからであろう。
各艦から提出された戦闘レポートを元に、損害分析をした結果は、推進器損傷による速力低下からの轟沈というパターンと海栗型大戦艦級の薙ぎ払いレーザーによる一撃轟沈というふたつのケースに分かれていたのである。
特に正面から戦った戦艦と囮を務めた駆逐艦の損耗率が酷いのであるな。
さて、何処から手を付けるべきか?
「順当ですと戦艦の修理を進めつつ、駆逐艦の補充かしら?」
ルル大提督の意見に俺も同意する。
やはり中破艦を後回しにして小破艦から先に済まし、稼働艦を増やしていく方針でいくのである。
まずは、要請であるな。
大型艦の修理は時間が掛かるのである。とにかくワーカーズと修理隊の数を増やさねばなるまい。
俺は景気づけとばかりに、戦力化していなかった艦船コインをチャリリーンと投入する。
「それに威力偵察艦隊も必要ですわよ。それに廻す艦も必要ですわ。」
であるな。それは予定通り、複数の軽巡で編成するのである。
問題は率いる提督であるが、トンボ羽の小妖精シエル提督か、黒服の企業戦士アイン提督のどちらに行ってもらうべきか、まだ検討が済んでいないことである。
「まったく状況が分かっておりませんから、しかたありませんわ。」
うーむ、人類勢力からも情報が届かないのであるな。
やつらは約束を果たす気があるのであろうか?
「あるでしょうが、私たちとは生命サイクルが違いますわ。気長に待つべきでしょう。」
であるか。
俺が事後処理に追われていても、各任務艦隊は順調に任務をこなしている。
第二次水資源輸送艦隊は無事にGP6に到達、積み上げてあった物資を積み込んでいるところである。
討伐艦隊も順次帰還中、一番損害の多いヴィオラ無敵艦隊の到着は、損傷軽微な第1集団につづく第2集団、ほぼ無傷な艦で構成された第3集団と救援に送ったウェスタ艦隊は周辺宙域の捜索と残骸の回収、そして残敵処理任務に就いている。
イディナローク方面に対する強行偵察艦隊は編成待ちであるな。
交渉の結果、有人勢力からもたらされた情報の精査と駐留駐留の整備、そして要求物資についても用意せねばなるまい。
「駆逐艦級有人武装船もお忘れなきように。」
分かっているのである。
代艦の有人武装船はゾロア級駆逐艦6隻ともに建造中であるな。
その後は、複数の中型ドック艦を建造するのである。
そして、大型ドック艦は特型ドックではないと建造できない為、複数の浮きドック併設した宇宙港をGP6静止軌道上に建築予定である。
そちらに送り込む建設艦隊も用意せねばなるまい。
俺は修理作業中の有人武装船団の作業進捗状況を確認する。
無人戦闘艦に比べて手間がかかるものの、修理作業は問題なく進行中であるな。
どちらかというと負傷者の治療と復帰の方が時間がかかりそうである。
「ダイジョブ、フェザーに任せて、任せて~♪」
うむ、フェザーに委細任せるのであるな。
さて、功績点は34134点ある。
これをどう使うかであるが―――。
やはり、ワーカーズを中心に揃えるべきであろうな。
雑務ワーカー1000コイン10枚と指揮ワーカー10コイン2枚。そして軽巡コイン4枚、工作艦コイン10枚。採掘艦コイン10枚にするのである。
合計で29800点消費であるな。残り功績点は保留である。
俺は要請を実行する。
「あら?今回は駆逐艦の要請は見送るのかしら?」
何気ないルル大提督の疑問に俺は頷きを返し―――。
うむ、駆逐艦の代わりに採掘艦と工作艦を拡充して兵站面を強化するのであるな。
―――改めて、そう答えた。
いかんな、彼女から俺が頷いたのは見えないのであった。
初めての事態に、動揺しているのであろうか、どうも小さなミスが増えているのである。
此処は一度手を止めて、自己診断プログラムを実行すべきであろう。
そう考えた俺は、支援物資が届くまでの間に、セルフチェックを済ましておく。
セルフチェックの結果は良好、問題なしだった。
ふと、近くから視線を感じた。
ペタッと床に尻をつけて座る体勢で、木槌を背負ったぬいぐるみが俺を見ていた。
じっと―――。
じっと―――。
じーと見ていた―――。
「珠ちゃん、ワーカーズ。」
周回軌道をやめたタマゴが俺の傍に留まり、ピクリとも動かないぬいぐるみと視線を合わせている。
うむ、了解しているのであるな、支給品が届き次第、タマゴにも増員するのである。
「ワーカーズ、頂戴、だよ。」
もっとであるか?
「珠ちゃん✕、うさ子、ワーカーズ、だよ。」
了解しているのである。
支給品が届き次第、うさ子にも2000機を増員する予定である。
うさ子の管轄は食糧施設区画であり、施設の稼働にはワーカーズの補充が必要であるからだ。
同じような理由で、特型ドック建築中のチャンプにも作業員としてワーカーズが必要であり、それはフェザーも同じことであるな。
俺はタマゴに4000、チャンプとうさ子に2000、フェザーに1000機のワーカーズを労務隊として増員予定だと伝えた。
「了解・・・我慢、」
以外にも残り1000機をせびることなく、タマゴが了承した。
「こちらにいらっしゃいましたか、うさ子お嬢様。」
完璧執事ウルが床に座るうさぎのぬいぐるみを拾い、休憩広場に歩いていく。
どうやら、危機は去ったらしい―――。
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【報告】支援物資が到着しました。
【報告】3号輸送船コイン→3号輸送船を受領しました。
【報告】小型輸送船コイン→4号輸送船を受領しました。
【報告】病院船コイン→中型有人病院船を受領しました。
【報告】中型支援砲艦コイン→2号支援砲艦を受領しました。
【報告】大型輸送艦コイン→スクエア級大型輸送艦を受領しました。
【報告】リーフ艦長が入室の許可を求めています。
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「リーフ艦隊、無事に帰還しました。司令官、ファイネルもどきの性能は悪くはないです。改名することを意見具申します。」
よく戻ったのである。リーフ艦長、貴官の意見具申は却下である。
詳細はレポートとして、提出せよ。
「了解しました。」
不機嫌そうに敬礼するリーフ艦長が、休憩広場に向けて歩き去った。
俺は彼女の観察をやめ、新たに入手した大型輸送艦のカタログスペックを確認する。
スクエア級大型輸送艦は1300メートル級の箱型輸送艦であるな。
同級の輸送艦に比べて直線構造を多く取り入れる事で生産コストを抑えているが、誤差範囲内である。
問題は2号支援砲艦であるな。
この艦は既に艦寿命の尽きた重巡級である為、戦闘中に自艦の攻撃で動力炉が暴走、そのまま自滅しかねないぐらいに老朽化が進んでおり、もう修理する価値もないのであるな。
俺はこのまま解体処分して、資源化するべきだと判断するが、ルル大提督ならば何か面白い活用法を考え付くかもしれないのである。
この艦の運用については、一度ルル大提督と検討すべきであろう。
そんな検討を重ねている内に、支援物資が届いたのであるな。
俺はチャリリリーンを大いに楽しみ、各種コインを戦力化していく。
ああ、いい音であるな。気持ちが休まるのである。
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【報告】雑務ワーカー1000コイン10枚→ワーカーズ10000機を受領しました。
【報告】指揮ワーカー10コイン2枚→リペアワーカー10機を受領しました。
→ビルドワーカー5機を受領しました。
→メデカルワーカー3機を受領しました。
→ポリスワーカー2機を受領しました。
【報告】軽巡コイン4枚→ホッパー級軽巡航艦2隻を受領しました。
→コリアンダー級軽巡航艦を受領しました。
→ファイネル級旧型軽巡航艦を受領しました。
【報告】工作艦コイン10枚→工作艦10隻を受領しました。
【報告】採掘艦コイン10枚→採掘艦10隻を受領しました。
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俺は慌てて1隻の軽巡航艦を映す小ドックのカメラをオフにしようとしたが―――。
「さすがです!司令官、凄いですっ!現存するファイネル級ってホントに少ないんですよ。まさか2隻目の稼働艦に出会えるなんて信じられませんっ!もうこれは奇跡ですっ!。」
―――間に合わなかったのであるな。
老朽艦を問題児に見つかってしまったのである。
とりあえず廃艦処分に―――。
「ホントにすごい奇跡なんです・・・だから・・・廃艦しちゃヤダ・・・・。」
俺の行動に気づいたのか、両手いっぱいに広げて俺に抱き着いたファイネル大好きっ娘リーフ艦長が、上目遣いの瞳にウルルっと涙を溜めて見つめてくる。
・・・・指揮権は貴官に預けるのであるな。
ただしその使用については、ルル大提督の許可を得るように―――。
「ありがとうございますっ!ルルさーん♪」
俺はルル大提督に、問題を丸投げした。
ルル大提督には頑張ってもらいたい。
「却下します。いいですかリーフ、あなたのお仕事はまだ終わってませんわ。遊びたいのでしたら仕事を片づけてからにしなさい。」
ルル大提督が、俺から依頼されている新型軽巡の採用試験についてのレポート提出がされていないことを理由にリーフ艦長を説教している。
「そんなーあれ、ファイネル6型なんですよ!5型よりもさらに生産量の少ない先行生産だけで建造終了になったモデルなんですっ!20隻も作られなかった幻の艦なんですよっその1隻が此処にあるのにっ、のっちゃダメだなんて酷いですっ!」
しかし、リーフ艦長も諦めない。
「却下ですっ!お仕事なさいっ。貴方もですよっ。」
しているのであるな。
まとわりつくリーフ艦長の説得に苦慮するルル大提督を横目にしつつ、俺は遅れていたワーカーズの編成作業を進めていた。
設定上6型は製造中止モデルとなっており、先行生産された分だけしか市場に出回りませんでした。
故に20隻ていどしか建造されなかったんです。
マニア垂涎のお宝という奴ですね。




