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大提督は引き篭もる。  作者: ティム
大宇宙の囚われ人編
11/140

備蓄倉庫が・・・・・

行間修正。

 俺はここまでの経過を再確認し、一旦作業を停止する。


「2号副動力炉は修理隊と建築隊、それに建築資材をつぎ込めば修理は可能だわ。湾港施設のほとんどは補修が終わっても、ワーカーズを最低100機は配備しないと稼働できないわね。工場施設は最低でもワーカーズ1000機、推奨は1万機以上かしら。」


 うむ、やはりワーカーズが足りないのである。残存する未編成ワーカーズはたった350機、とても足りないのであるな。依頼消化で集めるにしても時間が掛かるし、なにより必要数が多すぎるのである。


「貴方、湾港倉庫の備蓄は確認したのかしら?」


 うむ、それなのであるが・・・・・。


 俺は湾岸施設に存在した4つある備蓄倉庫とその周辺に存在する監視カメラの状況を、複数のモニターに映した。モニターに映る映像に、定点ではなく移動中のものがあるのは、倉庫付近で活動中のワーカーズからの映像だからだ。


 数十あるモニター映像の中で、第4備蓄倉庫内にある監視カメラの映像は僅かに3つだけ、残りは第1~第3備蓄倉庫とその周辺からの映像であり、その大半が瓦礫の山や宇宙空間、そして浮遊するデブリを写していた。


「・・・・・半分も回収出来れば、いいですわね。」


 であるな。最悪全滅もあり得るのである。


 俺は映像を解析したルル大提督の意見に同意する。


「珠ちゃん、ワーカーズ?」


 タマゴの言葉に俺は謝罪し―――。


「拒否。」


―――仕事を頼む前に拒否られた。


 手透きなのはタマゴだけだったのだが、残念である。


「フェザーちゃんがやる~♪」


 フェザーはゲストの監視任務中であろう。兼任するつつもりであるか?


「うん、だいじょぶ、だいじょぶ、任せて~任せて~♪そ、の、か、わ、り~♪ワーカーズ、フェザーちゃんにも頂戴、いいでしょ、ねえ~♪」


 うむ、発見・回収したワーカーズの5%と生活備蓄資材に限り、フェザーの自由裁量での私用を許可するのである。


「やった~♪約束だよ~ご主人さま~♪撤回したらゆるさないよ~♪」


 うむ、口調は軽くともフェザーはやる気であるな。しかし仕事を進めるには人手が必要であろう。


 俺はワーカーズ200機をフェザー指揮下に臨時編入した。


「ご主人さま~ありがと~♪」


 うむ、後はフェザーに任せるのである。


「貴方、フェザーにも修理隊の派遣が必要ですわ。回収したワーカーズの整備員も必要でしょう。」


 であるな。しかし今は派遣出来る戦力はないのである。


「やはりワーカーズが足りませんわね。他のやり方ですと主動力炉を起動出来れば、支援要請ができるようになりますわ。それから兵器補充要請を出してワーカーズの補充を頼むのもひとつの手段ではありますが、お勧めはしません。」


 お勧めしない?なぜ?俺の疑問に答えるように、ルル大提督が説明を続ける。


「ひとつは功績点を消費するからですわ。受けられる支援内容に守護者や提督、そして紋章騎の派遣要請もありますから。単純にワーカーズや雑務船艇程度なら、交易で入手する方が安上がりですわ。」


 交易?だれと?人類種族とだろうか?


「いいえ、貴方と同じ泊地コア達とですわ。貴方、宇宙は広いわ、すべてを貴方ひとりにやらせる訳ないでしょう。泊地運営委員会を仲介して、泊地同士が物資と物資、物資と功績点をやりとりする制度が交易ですわ。詳しい事は湾港機能を回復すれば分かるでしょう。」


 現状、湾港施設の整備は出来てもワーカーズが足りない状況は変わらないのである。交易は当分先であろう。では、人との交易は有益か無益かどちらであろうか?


「それは難しい処ね、確かに人類種族との交易も手段のひとつではあるでしょうが、防衛手段を整えてから実行すべきでしょうね。たとえ戦力規模が弱小でも足を引っ張ることは出来ますわ。その辺は注意が必要でしょうね。」


 要請か交易か・・・・やはり要請を優先するべきだろうか、いつ敵が現れるか分からない以上、今は時間こそが貴重である。


「同意するわ。2騎編隊で哨戒偵察中の響隊の報告からも、Evilの痕跡は見つかっていない。でもいつ敵が現れてもおかしくない状況は、なにもかわっていないわね。」


 敵の拠点がわからないのが厳しいのであるな。哨戒範囲が広すぎるのである。


「そうね長距離偵察どころか今は定時哨戒がやっとよ。哨戒機もまるで数が足りていないわ。せっかく艦載母艦があっても艦載兵器は未搭載、自前で乗せないとダメですから。」


 ルル大提督の話に俺はしばし黙考する。


 艦船データを参照したが、本当に空船であった。どうやら母艦系はハズレ枠のようである。


「貴方、それは言い過ぎよ。艦載母艦系は戦力化に手間がかかるだけ、手間を惜しんでハズレ扱いはダメでしょう。」


 であるか。ルル大提督とこうして相談するだけでも、何もかもが足りないと分かる。やはりルル大提督は優秀であるな。


「貴方もね、頼りにしてるわ」


 うむ、俺も頑張らねばなるまい。


--------------------

【成功】2番ゲートを復旧せよ。を達成しました。(38/60)

報酬として、功績点50点、指揮ワーカーコイン3枚を受領しました。


【依頼】艦船用ドックを整備せよ。が発令されました。


【継続中】1~4湾港倉庫を整備せよ。を継続実行しています。(達成率5%)

第1湾港倉庫(10%)からワーカーズ180機、造船資材20コンテナ分、建築資材15コンテナ分、兵器資材30コンテナ分、部品資材12コンテナ分、金属資材28コンテナ分、生活物資3コンテナ分、弾薬資材12コンテナ分を発見回収しました。

--------------------


「どうでい頭領、2番ゲートの復旧終わったぜ。排除したゲストの小型船と大破した掃海艇は損傷艦の係留地に並べておいたから、あとよろしくなっ。予定通りおいらは艦船用ドックの整備に入るぜ。」


「ご主人さま~♪ジャンク、ジャンクっジャーンクでガラクタ山が出来ちゃいました~♪ジャンク置き場をきめてください~♪」


 さすがはチャンプである。そしてフェザーも始めたようであるな。俺も損傷艦の入渠準備を進めるべきであろう。


「貴方、艦船停泊地のデブリ掃除もお願いしますね」


 了解である、どんどん仕事が積み上がるのであるな、いいことである。


 俺はジャンク置き場とリペア品置き場の位置を指定し、ブルーメ級大型工作艦と工作艇2艇そして掃海艇からなるグレイトパール泊地内掃海艦隊を編成して、艦船停泊地のデブリ掃除に充てる。


 さらにチャリンチャリンとコインを投入。


--------------------

【報告】指揮ワーカーコイン3枚→リペアワーカー3機を受領しました。


【報告】雑務艇コイン3枚→輸送艇3艇を受領しました。


【報告】雑務ワーカー50コイン→ワーカーズ50機を受領しました。

--------------------


 おかしい、コインが直ぐに無くなるのであるな。


 俺は更なるコインを求めて仕事を進める。


 入手したリペアワーカー3機と輸送艇3艇にワーカーズ30機と稼働中の輸送艇2艇と併せて保全隊3隊と輸送隊を編成する。


--------------------

【成功】輸送艇5艇からなる輸送隊を編成せよ。を達成しました。(39/60)

報酬として、功績点50点、資材10コインを受領しました。


【依頼】輸送隊3隊編成せよ。が発令されました。

--------------------


 保全隊は2隊をフェザーにチャンプに1隊を預けるのである。輸送隊はそのまま輸送任務を継続であるな。


「貴方、そろそろ他のコアとも契約を進めましょう」


 待つのである。ルル大提督の意見は正論であるが、いまだチェリー艦隊長とプラム艦長からの返信がないのである。まずはふたりの生存確認が先であろう。


 決して仕事から逃げている訳ではないのである。


 俺はあきれ顔のルル大提督に気づかぬ振りをして、係留中の2隻が映るモニターを拡大した。


 モニターからでも分かる程に手酷くやられたアインホルン級重巡航艦とリュミエール級巡航母艦の損害状況からして、通信関連機器が全損していたとしてもおかしくないのではあるが、この距離まで近づいても、何の反応もないというのはいくら何でもおかしい―――。


 いや、リュミエール級巡航母艦の船体で、チカチカと瞬く標識灯の光に意味があった。


 これは光モールス信号であるな。チェリー艦隊長はよく古い通信法を知っているものであるな。


 内容は、ワレ ブジ シジ コウ であるか。ならば返信は キュウエン マテ であろう。


 プラム艦長の方は、放置しても問題はなかろう。


 アインホルン級重巡航艦の船体構造とコア防御機構の堅牢さは有名である。あの程度の損害ならば、損害は中枢まで届いていない可能性も高いのである。さらにあの娘の性格ならば、動けないならば救出されるまで、寝て過ごすつもりではなかろうか。


--------------------

【成功】艦船停泊地を整備せよ。を達成しました。(40/60)

報酬として、功績点50点、指揮ワーカーコイン3枚を受領しました。


【成功】艦船用ドックを整備せよ。を達成しました。(41/60)

報酬として、功績点50点、軽巡航艦コインを受領しました。


【指令】特型艦用ドックを建築せよ。が発令されました。


【依頼】ワーカーズ20機からなる船艇ドック専従隊を編成せよ。が発令されました。


【依頼】ワーカーズ100機からなる小ドック専従隊を編成せよ。が発令されました。


【依頼】ワーカーズ500機からなる中ドック専従隊を編成せよ。が発令されました。


【依頼】ワーカーズ1000機からなる大ドック専従隊を編成せよ。が発令されました。

--------------------


 俺はチャリンと軽巡航艦コインを投入する。


 一枚入れは侘しいであるな、やはりコインは大量に入れてこそである。


 チャリンよりチャリリンを、チャリリンよりチャリリリリーンであろう。


「おう頭領、こっちは終わったぜ。次は桟橋方面でいいよな?」


 うむ、さすがはチャンプであるな。ルル大提督はどうか?


「現状、グレイトパール宙域は安定しているわ。哨戒活動中の響隊からも敵Evil艦隊の発見報告はなし、重力波形観測にも敵Evilの反応はなし、光学観測による宙域観測でも発見出来ていないわね。あと先日より捜索中だったノルデン級戦艦の残骸はコア搭載部である船体中央部を発見した処よ。既に曳航準備を始めてるわ。」


 さすがはルル大提督である、充分な働きであるな。入渠の順番は損傷艦が先でよいか?


「それでお願いしますわ、ただ整備と補給を優先して修理を後回しにしても、とにかく稼働艦を増やしてくれるかしら。現状戦闘可能な艦が少な過ぎますわ」


 了解である。現在使用可能なのは、1番~5番大型艦用ドック、51番~60番中型艦用ドック、101番~120番小型艦用ドック、201番~300番船艇用ドックであり、すべての損傷艦、並びに補給待ちの艦艇を入渠させてもまだまだ余裕である。とはいえ、ワーカーズ不在で建造は疎か補給や整備もできず、係留するだけであるな。


--------------------

【成功】アインホルン級重巡航艦を曳航せよ。を達成しました。(42/60)

報酬として、功績点50点、雑務艇コイン2枚を受領しました。


【成功】リュミエール級巡航母艦を曳航せよ。を達成しました。(43/60)

報酬として、功績点50点、雑務艇コイン2枚を受領しました。


【報告】軽巡航艦コイン→ファイネル級旧型軽巡航艦1隻を受領しました。

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 うーむ、軽巡は軽巡でも旧型指定あり、それも年代物の旧式艦であるか。戦力としては期待出来まい、ハズレ艦であるな。


 俺は気持ちを切り替えて、51番、52番中型艦ドックに2隻の中型艦を入渠させ、湾港配備の修理隊3隊を向かわせる。とりあえず応急修理を進めて、リンクを確立せねばなるまい。


 その間に53番中型艦ドックにエクレール級高速巡航艦(中破)を、次いで101~104番小型艦ドックに、ゲスト小型船(大破)、バルシェム級駆逐艦2番艦(小破)、ゾロア級駆逐艦(小破)、3号支援砲艦2番艦(大破)を、最後に201番船艇用ドックに掃海艇1艇(大破)を入渠させれば損傷艦の収容は終わりである。


 この後は残存艦艇の補給と整備に各ドック専従隊の編成が必要であるが、それをやるにはまだまだワーカーズが足りないのであるな。


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【成功】桟橋施設を整備せよ。を達成しました。(44/60)

報酬として、功績点50点、雑務ワーカー10コインを受領しました。


【依頼】湾港労務隊を配属し、泊地第1桟橋を稼働せよ。が発令されました。


【継続中】1~4湾港倉庫を整備せよ。を継続実行しています。(達成率10%)

第1湾港倉庫(20%)からワーカーズ90機、損傷ワーカー160機、兵器資材100コンテナ分を発見回収しました。

第2湾港倉庫(10%)からビルドワーカー2機、ワーカーズ20機、損傷ワーカー26機、造船資材36コンテナ分、兵器資材13コンテナ分、弾薬資材26コンテナ分を発見回収しました。


【報告】雑務ワーカー10コイン→ワーカーズ10機を受領しました。

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「頭領、ばっちり整備終わったぜ。早いところ労務隊を配置してくれよっ、おっと、おいらはこのまま航宙基地の整備にはいるぜ。あとよろしくなっ!」


「ご主人様~♪ビルドワーカーあったよ~あげるね~♪代わりに損傷ワーカー直してください~♪」


 キラキラ、ふわふわなフェザーが可愛くアピールしてお願いしてくるが、どうやら俺はビルドワーカーと交換に、フェザーの下働きをするらしい。


「珠ちゃん、タマゴがやる、よ。」


 おお、タマゴの立候補である、素晴らしいのである、任せたのであるな。


 俺の周りをクルクルと周回していた大きな卵がピタリと空中に留まり―――。


「タマゴがやる、報酬、よろ。」


―――グイグイと接近して要求してきた。


 うむ、修理したワーカーズの10%でよいか?


「半分。」


 半分?50%も、であるか?


「うん、もっとくれても、いいよ。」


 ズイっとさらに迫るタマゴ。


 うむ、半分であるな。了解したのである。まあ、50%が自動で入手出来ると考えれば、安上がりであるな。


「ご主人さま~ボクの取り分も忘れちゃダメだよ~♪」


 なんとフェザーよ、損傷ワーカーズも契約に含むのであるか?


「当然だよ~♪」


 了解したのである。それでフェザーのやる気が維持出来るのならば、安い出費であるな。


「タマゴ、了解、珠ちゃん、ワーカーズ。」


 おお、そうであるな。損傷ワーカーズの修理には、保全隊が必要であるが・・・・。


「ダメだよっダメダメダメ、ぜ~たいにダメ~ボクのは絶対あげないよ~♪」


 フェザーは断固拒否の構えであるが、俺はまだ何も言ってないのである。


「しゃあねーなぁ、頭領、おいらの保全隊から1隊をタマゴにやるよ。」


 そんなチャンプの優しさも―――。


「全部、よろ。」


 ―――タマゴが一撃で粉砕する。


「冗談いうなって、それじゃ、おいらの仕事が廻らねーだろうが!」


「全部。」


「おいタマゴ、それ以上言うなら戦争だぜっ」


「全部。」


「上等だおらぁー!、おいらの実力教えてやるぜっ!」


「泣かす。」


 喧嘩上等とばかりに、両者が仮想兵器群を空間に展開する様子から視線を逸らし、俺はルル大提督に仲裁を依頼する。


「いいじゃないですか、丁度良い息抜きになりますし、あのままやらしておきましょう。そんな事より貴方、ノルデン級戦艦だったものがようやく到着しましたわよ。」


 ルル大提督、言葉を変えても現実は変わらないのである。


 あれは―――。


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【成功】ノルデン級戦艦の残骸を回収せよ。を達成しました。(45/60)

報酬として、功績点50点、雑務艇コイン1枚、指揮ワーカーコイン1枚を受領しました。


【報告】チェリー艦隊長が入室許可を求めています。


【報告】プラム艦長が入室許可を求めています。

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