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平和にならなかった平和な世界  作者: 能(YOSHI)
1/1

エピソード0 「平和の裏」

初の執筆、投稿と初心者丸出しな文章の拙作でございます。生暖かい目で見ていただけると嬉しいです。


 今にして思うとここに来る前に気が付くべきだったのであろう…街を出る前に…剣を握る前…いいや、もっと前から呼ばれた時点で気が付くべきだった。


 

 この世界は歪であり狂っている。



 その原因たる自分は…()()()はーーーー



 -----------------------------------



「カラスさん⁉カラスさん‼」


 自分の名を呼ばれ、ソファーに腰掛けながら目を落としていた書類から顔を上げて声の方を伺う。

 廊下から忙しない足音を立て、ドアが破れんとする勢いで王宮の書記官補佐であるラーラが部屋に飛び込んできた。

「そんなに慌ててるとまたこけるぞ」と、そう嘯く私に彼女は息を整えながら数枚の紙束を突き付けて「通りました‼通りましたよ‼‼」と興奮冷めあらぬ様子で言い放った。

 突き付けられた書類を受け取り内容を確認する。

 ナジュセント王宮公文書管理局より発行された正式文書用紙にナジュセント王国含め数ヶ国の調印、そして各国代表のサインがされている。


「そうか…通ったか」

「これは我が国用の写し文書ですが正式可決です!すごいですよ!アネルガル公国、五山連合、難しいと思われたヤヅキ帝国も条約締結に同意しました!」

「見りゃわかる」


 パラパラと書類をめくりながらざっと確認を終える、するとラーラが不安気に

「あの……その…?満足いく結果では無かったですか?」と小声でいう。


「いや、私が挙げた条約内容はほぼ通ってる、それどころか各国から追加で挙げられた提案もこちらにかなり寄せてくれている。想像以上に良い結果だよ」

「それでは…」

「午後からの会議で王や大臣らに最終確認と説明を行う。今後の行動指針と活動予算案をまとめて必要分刷っておいてくれ」


 それを聞くと彼女は「もう手配してあります」としたり顔で胸を張る。


「そうか、テーブルの上にスリムベックの焼き菓子がある」

「あの人気店の⁉やった!いただきま~す!」


 ラーラは菓子を包み箱ごと手に取り入ってきた時よりも素早く部屋から出て行った。

 扉が閉まる音と離れていく足音を聞いて一つ大きな息を吐く。

(いよいよか…)

 目を閉じソファーに背を預けながらしばらく天を仰ぐ。

(もう後戻りはできないな、全くここまでで既にえらい苦労をしたもんだ)


 ゆっくりと目を開け菓子が置いてあったテーブルの上に置いてある紋様が描かれたカードサイズの紙を摘み取る。

 それを顔の前に近づけ慣れた様子で一息に言葉を発する。


「カラスよりディンゴへ、ここより彼の地に寄って声を送り我が意を伝え彼の者声を求めん。」


 すると紙に描かれた紋様が淡く光りだし、ゆっくりと明滅しだした。

 しばらくすると明滅が止み光が灯り続ける、それと同時に紋様から人の声が発せられる。


「よう書記官殿、思ったより連絡が早かったな」

「あぁ、申請が通った、各国との条約も締結も問題なしだ。バーデン外交官がいい仕事をしてくれた」

「それじゃ今度はこちらの番だ、セントの大高炉からアレの受け取り終えたし例の約束も取り付けた」


 紋様の向こうから声と共にグラスに液体を注ぐ音が聞こえてくる。


「そっちも随分早いな」

「俺も手こずるかと思ったが、お前の名前と書状で一発だよ。日頃の行いがいいと仕事も楽だな」

「対処予定の目標は?」


 ゴクリと飲み干す音とコトンというグラス置いた音。


「ウッ…確認済みだ、バンテ村に滞在中。今は下っ端に張らせてる、いつでも行ける」

「そうか。あまり強いのは飲むなよ」

「あぁ…バンテのやつは絶品だと聞いていたがこいつは効くわ」


 二人の軽い笑いが出ると同時にカードに描かれた紋様の光が小さくなっていく。


「時間だ。また連絡する」

「おう、いよいよだな」

「…あぁ…」


 言い終えると同時にカードは音もたてずに青い火に包まれ一瞬で燃え尽きた。

 窓を見ると随分日が高くなっていて昼時特有の喧騒が聞こえてきた。


(午後からは大仕事だ、なんかいいものでも食うか…)


 ゆっくりと立ち上がりソファーに掛けてあった上着をとる。

 お気に入りの店を頭の中で物色しながら歩む足取りは…軽くはなかった。







この後の続きはもう頭にはあるのですが執筆には時間がかかるかと思います(というかほぼ確実に)

ここまでのお話はまだ本編と言えないところです、ゆえにエピソード0です。

次回投稿からは本編書けるといいなと。

こういうライトノベルはあまり読んでこなかったのできっとネタ被りとかあるんだろうと思われますが、少しづつ楽しんで書いていけたらなと言い訳してみたり。

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