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眷属じゃないよ純血だよ  作者: 赤旗な白旗な
1/1

異能者達の戦の発端


 水面を蹴る音が山に鳴り響く。

 透き通った赤い髪の君は、瞳を輝やせて山を駆ける。

 人間の身体能力をはるかに上回る君はあっという間に山の麓に辿り着いた。

 一呼吸つき、ドアノブに手をかける。

 ドアを引くと口角を釣り上げ中に入っていった。

 何もないはずの空間が波を打つ。

 その波が収まると何事もなかったように静まり返る。

 そう、これは異空間につながるドア。

 肉眼じゃ見えないし普通の人間じゃこのドアには触れない。

 逆に言えば普通の人間じゃなければ触れる。

 人々はその普通の人間ではないもの達を異能者、または魔法使いという。

 この世界に魔法使いという概念は存在しないが、魔法使いはいる。

 魔法使いのほとんどは異空間へ入り、そこに住んでいるがこの世界にも魔法使いはいる。ごく少数だが。

 人間と変わらない普通の暮らしをしているので気づかれないのだ。

 だが、魔法使いはいる。

 そのごく少数の魔法使いは争い続けている。

 地球を自分達のものにしようと長年にわたり争い続けているのだ。


 遡る事数千年。

 魔法使い達は自分達の国を作り普通に暮らしていた。

 その国には住宅地と学校という教育施設があった。

 水力発電所や電力発電所は魔法が使えるからいらないのだ。

 だから、機会という概念は存在しないし、なかった。

 魔法使い達の国は新たな魔法を発明する事によって発展していった。

 そして、いつの日か魔法使い達は異空間を見つけた。

 その異空間が人間達が住む惑星、地球に繋がっているのだ。

 魔法使い達は数十人でその異空間へと足を運んだ。

 そして、驚愕した。

 魔法という概念が存在せず、ここまで発展してる国がある事に、だ。

 ある魔法使いはいった。


「この国は魔法という概念が、存在しないにも関わらずこんなにも発展している。

 ならこの国を乗っ取ろう。魔法、とこの国の発展があれば、我らはさらなる発明ができるに違いない」


 と。

 そして、その発言に反対する魔法使いもいた。

 仮に魔法使いBと名付けよう。


「この国の人々とは、友好な関係を築くべきだ。

 魔法という概念が存在しなくても、魔法を教えれば彼らも使えるだろう。

 それと引き換えに、彼らの知識を我らにも分けてもらうのがいいだろう」


 その発言に魔法使い、仮に、魔法使いAと名付けよう。

 魔法使いAは魔法使いBにいった。


「乗っ取るのが手っ取り早い。

 それに、下手に魔法を教えるのは危険だ。

 素人に魔法が扱えるものではない」


「我らも生まれた時は皆素人だ。

 1から教えれば彼らも使いこなせるだろう」


「とにかく私は反対だ。

 裏切られでもしたらたまったもんじゃない」


「その意見に賛同する事はできない。

 我らは彼らと接触を試みる」


「私に楯突くというのか? 後々痛い目を見るぞ、ここは黙って従え」


「それは無理だと言っている。

 なぜわからない? 恐怖で人を支配しても何も始まらない。

 人に憎しみと憎悪を与えるだけだ」


 そして、魔法使いA、後に反乱軍のリーダーとなる。名をテダロという。

 魔法使いBは人間側、つまり、魔法が使えない人間を守り、そして魔法を教えながら反乱軍と戦っている中心にいる存在になる。名をセリラという。

 普通の人間よりは寿命が長い魔法使いは、純血の魔法使いを増やす為に子供を沢山作った。

 数十人しかいなかった魔法使いは反乱軍と人間側にいる魔法使いを合わせ数千年で数百人にも数が増えた。

 戦で命を落とした魔法使い達は数多く。

 今や、生き残っている魔法使いよりも戦で命を落とした魔法使いの方が多いだろう。


 そして、人間側の魔法使い達は人間達の知識を蓄え不死身の力を手に入れた。

 実験に失敗し、命を落とした仲間も少なくはない。

 だが、不死身の力を手に入れる事によって魔法使いは有利に立ち回れるだろう。

 不死身の力を手に入れたのはセリラただ1人だけだが。

 不死身の力を手に入れるためには体にかかる負荷が多く大体は自我が保てなくなり死に至るのだが、その力を手に入れたいと望む少女が立ち上がったのだった。

 今や、人間の学校に普通に通い、会社にも務める魔法使いな少なくはない。

 だが、戦や実験で亡くなったせいで魔法使い達は数百人しかおらずこの日本という国の中では数百人は少なく同じ魔法使いでも見つける事は困難だろう。

 なので、魔法使い達は異空間を作りそこに住む事にしたのだ。

 その異空間は日本に数十個存在する。もちろん人間側についた魔法使い達のものだが。

 そして、さの異空間から学校や会社に行くのだ。

 数十個の異空間は全部同じとこに繋がっており、反乱軍に、その異空間の扉はわからないように結界を張っている。

 反乱軍は空に異空間を作り、そこに住んでいるようだ。

 いつ仕掛けてくるのかもわからず、地上にいる魔法使い達はいつも警戒している。


 今日午前8時に異空間から飛び出した1人の少女は、学校へと向かっていた。

 山から学校は数百キロ離れているが魔法を使いスピードを何千倍にも上げる事により、十分という短い時間で学校につけるのだ。


 この少女は不死身の力を欲しているが、母親のセレラから止められているため実行に移すことができないでいるのだ。

 そのことを根に持ちつつ今日も音速で学校に向かう少女のなはレミ。

 魔法が使える高校生だ。


 学校につくと、足早に教室に向かい元気よく「おはよー!」と口を開く。


「あれ?」


 挨拶を返す者が誰もいない事に気付いたレミは、教室を見渡す。

 正確には焼けちり、形も残していない空虚な教室だ。

 レミは思い出す、靴箱に靴が一足も入ってなかった事を、そしてまた思い出す。

 うちのクラスの靴箱に一足だけ入ってた事を。そして今日は体育館で学年で朝会をする事を。

 急いで体育館へと走ったレミは最悪の事態を想定しながらも体育館へと走った。

 そして体育館につくと、中は、体育館と言える場所はそこにはなく体育館へと入るドアを開けるとそこからは地面が広がっていた。

 雑草は焦げちり地面は所々黒く灰になっていた。


 遅かったか。

 そう思った刹那、1人の男の子が体育座りで体育館があった場所にポツンと座っているのが見えた。

 その男の子が座っている場合だけ、なぜか床があり、周りには防御結界が張られていた。


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