表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

彼は俺は綺麗に死ぬのだ

作者: 絡濁

話し手の性別は想像にお任せいたします

何処か遠くを眺めていた。何もなかった。いや、何もないわけはないのだが、特別気を引かれるようなものがなかったのだ。

彼の死体を見ると笑いそうになる。どうも笑いが堪え切れない。そうして先程、不謹慎だと親戚の叔母さんに酷く怒られた。まあ不謹慎なのは間違いないけど。怒られて気分が悪くて、葬式から抜け出してきた。見えるのは川。向こう岸の住宅街。遠くの方には大きいビル。存外つまらないものだ。

「つまんねぇよなあ、葬式。はやく終わってくれねぇかなあ」

面白いのは彼の死体だけで、他は泣く親戚ばかり。面白すぎて泣いているのだろうか。

彼の死体は綺麗だった。あまりにも綺麗なものだから、思わず触れて見た。冷たい。冷たいけど未だ人間の肌。後一日するかしないかのうちに此れは骨になる。なんて面白いことだ。こんなに面白いことはない。以前母方の祖父が亡くなったときは、酷く目を赤くして泣いたものだ。曽祖母が亡くなったときは葬式に出ていない。何せ母と祖母が曽祖母を嫌っていたから、学校があるのを理由に俺だけ葬式に出られなかった。その時もまた不謹慎に「お年玉が減るじゃねぇかよ」なんて。此れこそこっぴどく怒られそうだ。

彼は死んだ、彼が死んだ。服毒自殺だ。

「服毒自殺はいいよな、綺麗に死ぬぜ」

「ああ、そうだな」

彼が死んだぞ、おい、俺よ。お前はどうする。このまま川に落ちて入水自殺か。それもいいけど彼に言うことがあったろう。











「じゃあな、愛してたよ○○」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ