事情聴取(的ななにか)その3
とりあえず碓氷の指定した喫茶店に到着
当然の様に碓氷は既に来ていた
いや、やらねーよ?
「ごめん、待った?」
「いや、今来たところさ」
みたいな流れは絶対やらねーよ?
というか想像上の碓氷キモいな…
いや、勝手に想像しといてなんだけれどもさ…
とりあえず碓氷の前に座る。
適当に注文をしてから、早速事件の話に入る
「で、容疑者その3はいつくるんだ?」
「多分30分くらいでここを通りかかると思うけれど…容疑者その3ってどうなのさ
ちゃんと名前くらい覚えなよ」
「人の名前覚えるのは苦手なんだよ」
「そんなんじゃ社会でやっていけないぞ…って言おうと思ったけれど意味ないことに気づいたからやめとくよ
ちなみに名前は相田康之さんだよ」
「前半部分言う必要ありましたかねー?
もう少し早めに気付いて頂ければこちらとしても幸せだったと思うなぁ」
この男は人の精神を削ることに喜びを感じているのか…?
「じゃ、昨日みたいに国家権力を最大限活用してその相田さんの連行よろしくー」
「…国家権力のくだりを消して貰えるとこちらとしても幸せだったと思うけれど」
あれなんかこのセリフ、デジャブだな……
フシギダナー
暫くしてから碓氷は相田さんを連れてきた。
さすが国家権力。ステキー。
相田さんも前の2人とあまり変わらない、特徴なしの男だった。
いや、宮川さんは背が高かったからな…。
つまり個性コンテストが開催された暁には宮川さんが優勝か…。
皆さん真面目でいい人なんだけどな…。
そもそも背の高さって個性なのか?
しかしここまで個性の無い一般人ばかりだと困るんだが…。
容疑者が喋りすぎてボロが出る、みたいな事も望めないし。
皆さん聞かれた事しか答えない。
なにこれ、面接なの?
…仕方ない。とりあえず相田さんにお馴染みの
「実は昨日、黒崎さんが亡くなっているのが見つかったんです。」
「……えっ?…なにがあったんですか?」
「…何者かに殺されたようです。」
ですよねー。知ってた。
てかなにこれ。コピペなの?
とりあえず誘導尋問作戦オワタ。
そんなわけで真面目にインタビューする。
超ハイパーインフレが起こると同時に錬金術が可能になったりしたら記者にでもなろうかな。
いやごめん、嘘ついたわ。
その場合は野垂れ死ぬ。
「…何者かに殺されていたんですよ」
「殺された、って…いつの話なんですか?」
お、前の2人よりも食いついてくるな。
もうこの人が犯人でよくね?俺はいいんだけど。
「一昨日の夜だそうです」
「…ということはあれですか、僕は容疑者っていう事ですか?」
ぶっちゃけその通りです。
「いえいえ、そういう事ではなく。
碓氷さんの手帳を調べるとあなたとの予定が書かれていましたので」
すぐにフォローに入る碓氷。たまには役に立つなあ。
「ということは僕は容疑者の1人、という事ですね?」
碓氷のフォローを嫌な方向に解釈する相田さん。
ネガティブだねー。
なんとか碓氷がそれっぽい言葉を連発して持ち直した。
もうお前詐欺師とかになったら?
「黒崎さんとはどのような関係だったんですか?」
「友人…ですかね…」
「犯人に心当たりはありませんか?」
「いえ…黒崎さんの知り合いに会ったこともありませんし…」
小川さんの時も思ったけど、黒崎は恐喝している相手が出会わないようにしてたみたいだな。
3人で立ち向かわれたらマズいもんな…。
あーでも、もし3人が知り合いなら共犯って線もあり得るな…。