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道楽推理  作者: 鴨音と翁
5/15

事情聴取(的ななにか)その1


「じゃあ黒崎に会った順番通りに、まずは小川辰夫に会いに行こうか。」


「…それ自体は別にいいんだけど、警察官でもない俺が行ったら警戒されるんじゃないか?」


「大丈夫だよ〜。1人が警察手帳だしてきたらもう一人も警官だと思うよ、きっと。

もしも何か言われても、やましい事は何もしてないんだから捜査を頼まれた探偵だって言えばいいんだよ。」


「……お、おう。」


……こいつ時々怖いんだよな…。

さっきの遺留品にしても靴下とか血だらけだったし…。

普通にグロいっつーの。


「…それじゃ、その小川さんってどんな奴なんだ?」


「そうだね…。特に特徴は無いかな…。職業も会社員だし、もちろん前科とかもないし。」


「なるほど…。一般市民ってやつか…」


「しかし、こんな所で黒崎みたいな奴と二人で会ってたって事は、多分小川さんも脅迫されてたんだよな?

そんな一般市民に脅迫されるネタがあるもんなのか?」


「そりゃ、人には言えない秘密くらい誰にだってあるよ〜。

君だってどんなエロ本を持ってるか、なんてバレされたくないでしょ?」


「……確かにな。」


って言うか例え話だよね?

ほんとに俺の性癖をしってるわけじゃないよね?



まあ実際浮気とかみたいにバレたら本当にマズイ場合もあるしな…。

……エロ本の例は置いておくとしても。

碓氷くん!!信じてるからね!!


「で、小川さんにはどうやって会うんだ?小川さんは真面目な会社員なんだろ?今の時間なら会社にいるだろ。

待ち伏せするわけにもいかないだろ?」


「………。」


おい、なぜ黙る。


すると碓氷が番地と喫茶店の名前を口にした。

まあ、ここからそんなに遠くはないが…

そこで時間を潰すわけでもあるまい。


「その場所がどうかしたのか?」


「この喫茶店、小川さんの通勤路の途中にあるんだよね。」


待ち伏せする気まんまんじゃねーか……。


「待ち伏せとかめんどくせえ……。

どのくらい待つことになるんだ?」


「そんだね。だいたい3時間位だね。」


そんだね。じゃねーよ…。

俺、待つのがかなり嫌いなんだけど…。

待つのが嫌すぎて、かの有名なネズミ王国においてもアトラクションにほとんど乗らずにひたすら王国内をぐるぐる回っていた男だぞ……



結局俺は碓氷と2人で喫茶店に3時間も小川さんを待つハメになった。


3時間って長いね…。

ましてや男と2人だとね…。


この3時間に喋った内容は割愛。

というか大したことは何も喋ってない。

もう内容が無いよう…っていうだじゃれが成立するレベル。

まったく…だじゃれを言うのはだれじゃ…。



まぁ何はともあれ今は目の前にいる小川さんだ。


…ちなみに小川さんは本当に碓氷が警察手帳を出して連れてきた。

俺も警察官だと思われてるっぽい。

…俺、今めちゃくちゃ普段着なんですけど。

私服警官だと思われてるのか…。

国家権力スゴ――イ


いつまでも向き合っていても時間の無駄だし、何より悲しくなるので早速質問をする。


「いきなりですが…、一昨日の夜、黒崎庄吾という男に会いましたよね?」


すると驚きと恐怖が半々といった表情をして、

「……はい。確かに会いました。」

と言った。


黒崎に脅迫されてた訳だからな……、警察がこんなことを言ってきたらそりゃあびびるよな…。


「実は昨日、黒崎さんが亡くなっているのが見つかったんです。」


「……えっ?…なぜですか?」


「……何者かに殺されたようです。」


……うーん。だめかー。正直、

「亡くなっていました。」


「え!?誰に殺されたんですか!?」


「おやぁ?私は「亡くなった」と言っただけで「殺された」とは言ってませんよ?」


「ハッ!!しまった……!!

……えぇ、私が犯人です。どうやら私の負けですね…」


……的な展開を期待してたんだけど。

まあそんなチョロいわけないか。

この人が犯人かわからないしな。


「……その様子からすると黒崎さんが亡くなったのは今知ったようですね。」


「はい…。共通の友人もいませんでしたから…。」


ふむ…。友人がいない…?親近感が出てきたぞ。

限定解釈?ちょっと何言ってるかわからない。


「黒崎さんと最後に会った時、気になる事はありませんでしたか?」


「いえ…特には気がつきませんでした。」


全く得られるものが無いな…。

もう少し踏み込むか…。


「黒崎さんの事はどう思っていましたか?」


「……あまり、得意ではありませんでした。

…もちろん殺すほどではありませんが。」


「そもそも黒崎さんとはどのようなご関係で?」


「……知り合い以上、友人未満、といった所ですかね…」


「なるほど…」


まあ脅迫してきた人と友人にはなれないよな…。


しかしどうするかな…

ここでも得られるものがほとんど無いぞ…

この人が犯人だったらかなり面倒だ……。

証拠集めるのとか無理ゲーじゃないの?これ。


まあ、仕方ないな…。

あと2人いるし。

次に期待、って感じか…。


「ありがとうございました。なにかまた、思い出した事があったらご連絡ください。」


碓氷に名刺を渡させる。

……え?俺?やだな。持ってるわけないだろ☆


「あ、どうも…ご苦労様です…」


小川さんは喫茶店から出ていった。



「それにしても君、意外とちゃんと敬語使ったり出来るんだね。

正直かなり驚いたよ。」


「いや…流石に敬語くらい使えるわ。

…まあちょっと疲れるけどな。」


「これで普通に働いていれば立派な社会人なのにねぇ」


「社会に迷惑はかけてないんだから別に良いだろうよ。」


「そういうセリフが子供っぽいんだけども…」


子供心を忘れないのは大事だと思います。


「そういう言い訳?みたいなのもね」


心を読むんじゃねーよ…

エスパータイプなの?

って事はこいつとバトルするなら格闘技じゃなくて[あくのはどう]とか[かみくだく]ならこうかはばつぐんだな。

[あくのはどう]とか撃てねぇけど。


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