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道楽推理  作者: 鴨音と翁
2/15

捜査スタート(?)

個人的に夏が終わって寒くなっていくこの季節は最高だと思う。


夏は虫が多くてムシムシするし、冬は虫はいないけど乾燥してカサカサする。


……なんか今うまいこといった気がする。


どこかで使える場面ねーかなー


でも今この場で俺が考えなきゃいけないのはそんなことじゃない。


なんでこの男が俺の前に唐突に座ったのかだ。


ちなみに現在地はカフェのテーブル。


こいつが俺の前に現れて幸運が訪れた試しはない。


言ってしまえば疫病神だ。


とりあえず塩でも撒いて「悪霊退散!!」とか言えば蒸発しないかなあ、こいつ。


エアー塩を投げる寸前で男が口を開いた。


「あのさ、目の前に突然座ってみたのに5分も放置プレイはひどいと思わない?」


うん、思わない。


「普通さ、久しぶり、とか何の用?とか聞くんじゃない?」


めんどくさい。


そうやってひたすら無言を貫いても男、というか知り合いの碓氷景(うすいけい)は話しかけてくる。


同じケイくんでもどこぞの星人を狩ってるケイくんとは大違いだ。


仕方ない。無視しても成仏はしてくれないらしい。


「……何の用だよ?」


「おっ、やっと返事したかー。もう少しで筆談でも始めようかと思ったよ」


……始めないでくれてホントよかったです、ハイ。


「いつも通りの依頼ならお断りだ。」


「え――、まあそう言うなよ、ちゃんと報酬も払うんだしさ。」


「知っての通り、金には困ってないんで。」


「まあそりゃあ資産5億円の男が満足する額じゃないけどさ、スーパーインフレが起こったらどうすんのさ。」


半分は純金に変えてるのでご心配なく。


「インフレが起こったら仕事するよ。なんか荷物運んだらウン万円なんて仕事もあるらしいし。」


「なにその怪しい仕事。一応僕も警察組織の一員だって分かってる?」


「え?警察の仕事ってカフェで人の穏やかな時間をジャマする仕事だったっけ?」


ぜひ就職したいところだ。


「いやこれも仕事の一環なんだよ。腕利きの探偵さんに仕事を依頼したくて。」


……勘弁して



「そもそもいつからつけて来てたんだよ?」


「ハイ第1問!!いつからつけてたんでしょうか!!


①カフェでたまたま見かけた。

②さっきまでいた本屋で見かけた

③道で見かけた。 」


まあ②か③だよな…。本屋にいたって知ってるし。


「じゃ、②で。」


「……………………残念っ…」


み○もんたかよ…


「じゃあ③か?」


「正解は、④の[家からついてきた]でした――。」


お巡りさーん、ストーカーがいまーす。


あれ、でもこいつ警察官か…。 世も末だな…



国民の味方である警察官が俺から職業選択の自由を奪ってくるんですけど。

これあれじゃない?

憲法違反じゃないの?

ちょっと最高裁判所、仕事してよ。


「まぁいいじゃん。

どうせ暇なんでしょ?時間潰しだと思えば。」


「いや、俺って凄い真面目だからそんな態度で働くのはどうかと思うんだ。」


「真面目な人間が就職活動せずにニートなわけないでしょうに」


だって生きていけるし…


なんなら蓄えもあるから老後も安心!!


うん、やっぱ働く意味ないわ。


「たまにはニートからフリーターにクラスチェンジしてみたいとか思わない?」


思わない。


「働いて世の中の為になりたいとか思わない?」


思わない。


「頼むって。知り合いの女の子紹介してもいいから。」

「現場はどこだ。事件は現場で起こってるんだぞ。」


「手のひら返すの早いなぁ…」


いや、ほら、ずっと家の中にいると出会いが無いんだよね……。


そう、別に俺が浅ましい訳では断じてないっ……。


「…さて、フリーターに昇格して世の中の役にたつとしようか。」


…あと女の人との出会いもね。





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