Christmas
鐘の音が聞こえる。雪が少しだけ地面に積もって、その存在を告げる。それもやがては踏み鳴らされ、地面の一部となってゆくのだろう。
人々はヤドリギの下で誰かを待っている。おそらく大切な誰かだ。
吐く息は白く、空は黒い。
緑と赤に照らされた建物は、どこか遠い地を感じさせるものがある。
今年もまたこの季節がやってきた。年に一度のこの季節は、たくさんの人が待ちわびていた。
おかえり、ただいま。
そんな言葉が、少しだけ特別に聞こえるかもしれない。
なんでもない日常を鮮やかに染め上げる、そんなこの季節が、私は好きだ。