表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハカナイ夢  作者: さくら
4/6

03 再会

 信彦と姫君が手紙を交わすようになって、二ヶ月ほどたった。

 信彦はそれまで手紙のやり取りだけで満足していた。身分ある人と恋文を交わしているだけで、興奮したものだ。


 それが最近になってはちっとも満足できなくなっていた。彼はそれ以上のことを求めていたからだ。彼女に一度でいいから、会ってみたいと思った。


 いつも仲介を勤めてくれる、小春に何度か頼んだが、断られてしまった。

 「忙しい」や「これだけで精一杯」、「こうしてやっているだけでも感謝してほしい」などと言われて、最後の方はなぜかキレられてしまった。

 

 しかし、信彦はシキに頼めば、姫君と会えるかもしれないと考えていた。シキは姫君と文を交わせるように融通してくれたし。それに幼なじみである。ただ、ここしばらく会っていない。


 信彦は東市に行ってみることにした。あそこは店も多く、人の往来も激しい。それにシキに再会したのはそこだった。会えるかもしれないと思っていた。


 信彦は店を眺めるふりをしながら、シキを探していた。頑張って探したが、彼女は見つからない。半刻ほど(一時間)たち、もう帰ろうと思っていた。そのとき、ちょうど筆を買い終わったシキを見つけた。



「シキ!久しぶりだな」

 シキはかなり驚いた様子だった。

「二ヶ月姿が見なかったから、心配したよ」

「そう。。忙しくてね」

「それより、シキって字を書けるのか?」

「私だって書けるわよ。字ぐらい。話はそれくらい?」

 シキはあまり目を合わせようとしない。ずっと伏し目がちだった。

「シキ、どうしたんだよ。さっきから目を会わせないだなんて」

「ごめんなさい。帰らなくちゃいけないの。さようなら」

 シキは慌てて駆けていく。信彦は慌てて追おうとするが、人混みに紛れてわからなくなった。

 

 

 信彦はどうして彼女はあんな態度をとったのだろうと考えていた。しかし、考えれば考えるほど分からない。彼女は後ろめたいことなどないはずだ。なのに何故?



 翌日の夕方。信彦は家で父の診療を手伝っていた。そのときに少年が外から呼び掛けた。

「お若い先生!手紙だよ。シキって人から」

「ありがとう」

 信彦は出てきて、手紙を受け取った。その手紙は彼にとって、非常に驚愕的な内容だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ