第一話 二人の始まり
とうめい人間の話なんてよくありますから、読み飽きてると思います。
それでも読んでくれたら、感謝感謝です。
春。それは、出会いの季節。
引っ越してきて、小学生になったばかりの木藤勇太は一人で下校していた。
引っ越してきたところだからまだ友達はいない。
勇太が公園を通り過ぎようとした時、誰もいなかったはずの後ろから
「おい、そこの小学生。」
と声が聞こえた。勇太が振り返ると、一人の男が立っていた。
20代くらいの男だった。勇太はよくわからなかったが、とりあえず返事をした。
「なあに?」
「いきなりで悪いが、俺を君と一緒に行動させてくれないか?」
「なんで~?」
「理由は、とうめい人間だから。」
「とうめい人間?」
「まあ、誰にも見えない人間っていうことだ。」
「へ~、そうなんだ~。」
「迷惑はかけないし、本当に一緒に行動するだけだ。ついでに、一緒に住まさせてくれたらありがたい。」
「じゃあ、お母さんに聞かないと。」
「いや、だから見えないんだって。君さえよければ、そうしようと思っているんだけど、どうだ?」
「別にいいんじゃない。」
「本当か?」
「うん。」
「じゃあ、これからよろしくな。」
「うん。じゃあ、家に行こ。」
勇太は家に向かって歩き出した。男もそれについてきた。
「俺の名前は山岸浩冶だ。呼び捨てでいいからな。きみは?」
「木藤勇太だよ。」
「改めてよろしくな。勇太。」
「うん、よろしく。浩冶。」
桜が咲く春。こうして、二人は出会った。
そして、とうめい人間との生活が始まった。
へたくそですみません。
こんな調子で続けていこうと思っています。
次回からいきなり中学生になります。
次回予告
中学の入学式の日。
嫌な予感がする勇太。
無事に入学式を終われるのか?