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プロローグ

 小学生の時から友達は多かった。小さい頃にCMに出ていた事も大きいかもしれない。でもなぜか、いや、だからこそなのか、僕は「こうちゃん」という分類から抜けることが出来なかった。それは中学生に上がってからも同じだった。

 「男子」「女子」「こうちゃん」という分類は、僕が同世代の女子から「男子」と見られていない証拠で、友達としてはいい付き合いが出来るけれど、恋愛対象には成り得ないことの表れだった。

 でも、そんな僕のことを「朝倉」と名字で呼び、それでいて友達付き合いもいい女子がいた。

 一ノ瀬春奈(いちのせはるな)、小学校では一度も同じクラスになったことがなかった彼女とは、中学一年生の時に出会った。当時からアニメなどのオタク趣味に目覚め始めていた僕は、同じ趣味を持つ一ノ瀬と話が合い、休み時間にはよく話すようになった。

 中学生なんて単純なものだ。共通の趣味を持っていて、話が合う異性のことを気にならないわけがない。僕が一ノ瀬に好意を持つのにそこまで時間はかからなかった。


 そして夏休み明けの9月、僕は一ノ瀬に告白して、付き合い始めた。

 付き合い始めた次の日から一緒に登校し、僕が生徒会に入ってからは部活の合間に一ノ瀬が生徒会室に遊びに来たり、いつしか学年で知らない人はいないというくらい有名なカップルになっていた。

 残念ながら二年生では同じクラスになれず、教室で一緒に過ごすことは出来なくなってしまったけれど、休み時間には廊下で話すし、生徒会室に遊びに来ることも変わらない、そんな仲睦まじい様子を変わらず周囲に見せていた。


 時は経って、三度目の春。中学三年生となった僕らは始業式の日も一緒に登校していた。

 だってその日は同じクラスになれる、最後のチャンスだったから。

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