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【連載版】本格異世界グルメ ~チートを断って異世界転生してみたら本格中世の村で俺のグルメ無双がヤバイ~  作者: 川獺右端


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第40話 領祭に向けて働く

 目が覚めたらどこにいるか一瞬わからなくて、ロッカさんを見て、ああ、領館の寮に泊めてもらってたと思いだした。


「おはよう」

「おはようございますー」

「朝飯食べてがんばろうぜ」

「はーい」


 寮の食堂に行くと不良メイドさんたちが朝ご飯を作っていた。


「おう、リュージ、おはよー、飯食え」

「今日の朝ご飯は、ハムエッグにトースト、そいからスープだ」

「朝からごちそうですね」

「領館だと、いつもこんなもんよっ」


 朝から卵とハムか。

 夢のような環境だけど、領館の人にとっては当たり前なんだよなあ。

 中世の貧富の差がすごすぎるぜ。


 あー、ハムエッグが美味い。

 バター付きパンが夢のようだよ。


 朝ご飯を食べたら、メインキッチンへ出勤して朝食の支度を手伝う。

 フリッツさまが居ないので朝食にも簡単なサラダを付ける事になったらしい。

 朝からスダラマッシュである。


 そんな感じで和やかに一日が進んで行き、領祭りがだんだん近づいてきた。

 お祭りには信じられない量のスダラマッシュとマヨネーズ、ケルシャ漬けを仕込まなければならないのだ。

 お肉料理は豚の丸焼き、牛串、鳥の丸焼きなどが出るらしい。


「蒸し豚とケルシャ漬けはマヨネーズに合いそうですけど」

「豚を、蒸すだと?」


 そういや、こっちの世界だと蒸すがほとんどないのか。

 豚を蒸すとあっさりするのでマヨネーズと合わせやすいんだよね。


 まあ、レシピというほどのレシピでも無いので実証実験で豚の塊を蒸して、薄く切って、ケルシャ漬けと一緒にマヨネーズを掛けた一品を作った。


「あ、これ、美味え」

「あっさりした豚ってなんだか不思議な感じだが、マヨネーズの味で引き立つな」

「またレシピとして買ってもらえよ、リュージ」

「いやあ、それほどのレシピでも無いですよ」


 晩餐に出してみると、お嬢様も、御領主さまも、大絶賛で、領祭りの一品として出す事が決まった。


「蒸し豚は美味いな、マヨネーズに合う」

「蒸し鶏はどうだ?」

「たぶんあっさりしてマヨネーズに合うでしょう」

「蒸し牛は?」

「牛は味が強いから、どうかな?」


 あんまり牛は蒸さない感じだよね。


 蒸し鶏実験も成功、お嬢様的には豚の方が好きだが、鶏も良いね、とのこと。


「鶏の方が安いが、豚の方が味わい深いよなあ」

「マヨネーズ道は果てしなく深いぜ」


 不良メイドさんたちは、変な道を追求しているなあ。



 そんな感じの平和な日々を過ごしていたのだが、ある日、フリッツさまが領館を脱走した。


 晩餐の準備も終わって、ほっと一息付いた所であった。

 わあっと、外が騒がしくなって、窓から外を見ると、ごろつきたちと騎士たちが戦っていた。

 どうも腕自慢のごろつきだったらしく、十人の武装集団で騎士たちが押されていて、そこに窓からロープを伝ってフリッツさまが降りてきて、馬に乗って逃げた。


 逃げる時に、窓越しにフリッツさまと俺の目が合って、ごろつきのクロスボウが発射されて、俺に当たりそうになった。

 あぶねえっ。

 矢は跳ね上げていた鎧戸に当たり、ドガンと音を立てて鎧戸が閉まった。

 目の前が暗くなった。


 さすがに騎士さんたちは怪我はしなかったが、フリッツさまを乗せた馬を見失ってしまった。


 俺はぼんやりと彼らが去って行った先を見ていた。


「ボナンザ一家、すげえな」

「気でも狂ったか、騎士団が黙っちゃいないぞ」


 不良メイドさんたちが、窓の外を見ながら、そうつぶやいていた。


 しばらくすると、騎士団が十騎くつわを並べて領街の方へ駆けだしていった。

 ボナンザ一家を強襲するのだろうね。


 さて、村に帰る……、帰っていいのだろうか。

 一応私服には着替えたのだが。


 領館の裏口を出ると、アマンダさんがいた。


「おう、リュージ、今日から領祭まで、お前は寮に住め」

「え、あ、そ、そうですか?」

「行き帰りの護衛をする人手が無いからな、まあ、ボナンザ一家を殲滅するまでの我慢だよ」


 そうか、そうだよなあ。


「村には知らせを送っておくからさ、寮に居ろな」

「はい、わかりました」


 しかし……、いかれたフリッツさまが村や俺の実家を焼き討ちしたら……。


「俺の村とか、実家とか、大丈夫ですかね……」

「わからねえが、意外と村は抵抗力が強い、ごろつきぐらいはわりと平気だぞ」

「そ、そうですね……」


  村と実家が無事ならばいいんだけど。


 しかし……。

 領館からフリッツさまを救い出してどうしようというんだ、ボナンザ一家は。

 いくら何でも子爵の騎士団がヤクザに負ける事はないわけで。

 十騎の騎士で一家を全滅させられるぞ。


 そしてボナンザ一家の元に行った騎士さんたちは、なんの成果も無く夜半に帰投した。

 一家の事務所はもぬけの空だったらしい。

 俺は寮のベッドの中で、騎士たちの帰還を寝ながら聞いていた。

 領祭の前にいろいろと大事になってきたな。



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あーこれは祭が襲撃されそう…… 酔ってる所襲われると騎士もキツいぞ
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