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【連載版】本格異世界グルメ ~チートを断って異世界転生してみたら本格中世の村で俺のグルメ無双がヤバイ~  作者: 川獺右端


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第38話 楽しい領街宴会


「また良いレシピを発明したなリュージ、偉いぞ」

「ありがとうございます、御領主さま」

「うむ、また三十金貨でレシピを買い取ろう、また何か作ったら食べさせてくれ」

「がんばります」

「謝礼金は家令に任せてあるそうだが、それで良いのか」

「はい、家に持ち帰っても不用心ですし、実験用の素材の購入もありますから」

「レシピの実験なら、領館の物を何でも使っても良いのに、リュージは律儀だな」

「そこがリュージくんの良い所でございます、お舘さま」

「うむ、今後も努めてくれ」

「ははあっ」


 御領主さまに頭を下げて執務室をあとにした。

 謝礼金は家令さんに渡しておく。


「金は少々掛かるが、領街の銀行で口座を作ったらどうだ? 何時でも好きな時に引き出せるぞ」

「そうですね、ちょっと考えてみます」

「うむ、金の管理は何も問題は無いのだが、リュージも何か使いたいときに私に言うのは面倒だろうしな」


 まあ、独身男性の大金の浪費先と言ったら酒場のお姉さんとか、色町のお姉さんなのだろうが、まあー、何かなあ、うん、なんかなあ。

 あと、銀行だが、前世はお金を預けるのは無料、そして利子が付いたが、この世界の銀行は有料で保管料が掛かる。

 銀行というよりも貸金庫に近いかな。

 謝礼金もあるし、あと月給も出るから、どこかに仕舞っておかないとなあ。

 あ、あと初給料が出たらピカリになにか服でも買ってやろう。

 あと、母ちゃんと姉ちゃんにも。

 たのしみだね。


 晩餐のスダラマッシュサラダのお皿を作り終え、今日の俺の業務は終了である。

 ちょっとケルシャ漬けを増産するのを手伝う。


「意外にすぐに無くなるな」

「お嬢様が美味しい美味しいとおかわりされるから」

「気に入って貰って嬉しいですよ」


 控え室で着替えてボフダナさんに今日のコック着を渡し帰りに着く。

 廊下で仕事上がりのキッチンメイド二人組とすれ違う。


「リュージ、ケルシャが好評で良かったな」

「騎士どもも美味い美味いと食べてたそうだぞ」

「それは良かった」


 漬物だから結構心配だったけど、杞憂だったようだ。

 全体的に好評だな。

 これで、お嬢様と御領主さまが健康になってくれれば良いのだが。


 さて、怖いけれど夜道を帰ろう。


「おお、リュージ、漬物美味しかったぜ」

「漬物かあと思ったけどよ、喰ったらなんか違うよなあれ」

「そうそう、野菜の何かだよな、美味かったよ」

「ありがとう、おじさんたち」


 衛兵のおじさん達にも褒められて嬉しい。

 門を出て領館を振り返る。

 西棟の三階にフリッツさまのお部屋があるらしい。

 今も灯りが点いている。

 どうなるのかなあ、フリッツさま。


 まあ、考えていても仕方が無いのでぶらぶらと家に帰る。

 腰の練習用短剣が重いぜ。


 とぼとぼと夜道を歩いて村に着き、家に帰って寝た。

 またも母ちゃんは寝ないで待っていてくれた。

 ありがたいよなあ。


 穏やかな日が続いていた。

 フリッツさまがいないとこんなに和やかなんだな。

 休日の前に、飲み会をしようという事になった。


 メインとサブキッチンの料理人とメイド、あと配膳メイドさんが二人という面子で、晩餐の後片付け後に繰り出した。

 夜の領街は初めてなので色々と浮つくな。

 夜更けなのに結構人通りが多い。

 まあ、前世の繁華街とは比べ物にはならないけど、今世で味わった中では一番華やかな街だ。

 連れて行かれたのは大衆酒場みたいな宿屋の下の酒場であった。


「酒場ってどうなんだろう、危なく無い?」


 俺がそう言うと、キッチンメイドの二人が吹き出した。


「へーきへーき、ここは中程度の酒場だから、そんな危なく無いよ、冒険者もいねえし」

「冒険者居る店は殺伐としてやがるけど、ここはまあ、安いけど治安はまあまあだ」


 そ、そうなのか。

 なにしろ、農村の息子なんかは金が無いからな。

 領街で飲むとかありえねえのだ。

 村の酒場でくだをまくのがせいぜいだな。


 村の酒場は安いが、親戚の目とかが光っているのであまり、はしゃげないのである。

 エール飲んで、まずいつまみでほろ酔いするぐらいだなあ。

 飲み食い、歌って踊って大騒ぎは、年に一回の村祭りぐらいだな。


 領館キッチン連合軍が店に入ると、予約してあったのか、店の隅のテーブルに案内された。


「おお、マスター、リュージ連れてきたぞ」

「わあ、あんたが天才料理人のリュージさんか、おれはこの店のマスター、ドミニクだ。スダラマッシュ、マヨネーズ、ケルシャ漬けの発明者に会えてうれしいぜ」

「ああ、いや、ありがとうございます」

「今日は楽しんで行ってくれよ、なっ」


 そう言ってドミニクさんはにっこり笑った。


 おっぱいの大きい可愛い給仕さんが、どかどかと料理とエールを運んできてくれた。


「そいじゃあ、領館の料理人組合の宴会を始めよう。今日はリュージも来てくれて俺は嬉しい、じゃあ、乾杯!」


 ロッカさんの乾杯で宴会は始まった。

 いやあ、良いなあ、こういう宴会。


 俺はスダラマッシュを口に運んだ。


「お、ちゃんとしてる」

「ああ、俺らがレシピを横流ししたからな」

「本当は領主さまが買い上げたから良く無いんだけどよ、でもまあ、凄い料理だから、伝播するのはしょーがねえしな」

「ぎゃはは、ここのケルシャ漬けも味が違うぞ、食べてみろリュージ」

「はいはい、ああ、こっちはしょっぱいね」

「ああ、保存がさあ、どうしても塩を強くしがちでなあ」

「もっと塩しなけりゃ、もっと美味いぞ」

「いやあ、料理人の宴会はめんどくせえなあ」


 ドミニクさんはガハハと笑った。


 マヨネーズもちょっと味が違うが、基本的に良い味だな。

 野菜が美味いな。


「ドミニクよ、リュージに飾り切り教えてもらえ」

「あ、俺も知りたかったんだ、いろいろ教えてくれ」

「あ、あたいらもー」


 俺は飾り切りの講習をしたり、味付けに意見をいったりして、大盛り上がりで宴会を楽しんだ。


 やっぱり宴会は楽しいなあ。

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>料理人の宴会はめんどくせえなあ 出される料理が気になっちゃうの職業病なんだろうな
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