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【連載版】本格異世界グルメ ~チートを断って異世界転生してみたら本格中世の村で俺のグルメ無双がヤバイ~  作者: 川獺右端


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第25話 フリッツさまが蹴ってくる

 ほくほくしてメインキッチンの控え室でコック着を脱いで私服に着替えていたら、フリッツさまに後ろからドカンと蹴られた。

 痛え。


「な、なんですか、フリッツさま」

「褒美、出せよ、前のと合わせて、俺に献上しろっ」

「嫌ですよ、なんでですか」

「お前が農民だからに決まってるだろうがっ!!」


 うわ、ゲシゲシ蹴ってきたぞ。

 のっぽさんが黙って割って入ってきてくれた。


「フリッツさま、いけません」

「なんでだっ!!」

「旦那様に知られますよ、リュージはお気に入りですし」

「……」


 もの凄い目でフリッツさまは俺を睨んだ。

 そしてロッカーを蹴ると控え室から出て行った。


「ありがとうございます、ええと」

「ロッカだ、よろしくな、リュージ」

「助かりました」

「難しい人だし、理不尽な事も言われるかもしれないが、まあ、メインキッチンに馴染むまでの辛抱だ、がんばれよ、リュージ」

「はい、ありがとうございますっ」


 俺は直立不動でロッカさんに頭を下げた。

 ロッカさんは大体メインキッチンでの三番目ぐらいの人だな。

 無口だけど温厚で優しい人だ。


 ケハンさんも黙って苦笑して、災難だったなというよういにジェスチャーしてくれた。

 煮方のマッチョのヨハンさんも肩をすくめて控え室を出て行った。

 これからメインキッチン組は領街で飲むらしい。

 俺は誘われてないので直帰だな。


 領館の廊下で、ファビアさんとミレーネさんとすれ違う。


「リュージ、ご褒美出たんだって」

「領街で奢れよう、あとデートだ」

「あはは、そのうちね」


 この二人は本気なのかからかっているのか解らないので軽口を本気にしてはいけないな。

 うん。


「また、明日なー」

「気を付けて帰れよー」


 気の良いキッチンメイドの二人に手を振って領館を後にする。

 しかし、マヨネーズの受け方は凄かったな。

 さすが異世界グルメ物では定番の調味料だ。

 なんか変な薬でも入ってるのでは、というぐらいの食いつきだったなあ。


 ランタンをぶらぶらさせて川沿いの道を行く。

 ご褒美は今日だから、フリッツさまはゴロツキを派遣はしていないだろう。

 明日からは面倒そうだけどなあ。


 レシピの報奨金は家令さんに管理して貰えないかな。

 食材を領館の出入り業者から仕入れるのに使いたいんだよな。

 領館クラスの食事を作るとなると素材なんかも結構なお値段がするんだよね。

 卵とか、オリーブオイルとか、村では、お祭りでもないと出ない食材なんだけど、領館では毎日のように使われるしな。


 川沿いを歩いて村の外柵まで帰って来た。

 門番も居ないので、勝手に戸を開けて村に入る。

 ふう、帰ってきたなあ。

 やっぱり夜道は怖いね。

 俺は喧嘩も弱いし、魔法も使えないからなあ、そこら辺の娘さん程度の戦力でも倒されてしまうよ。

 ゴロツキが出て来たら簡単に死ぬ自信があるな。


 家では、母ちゃんがまだ起きていて、針仕事をしていた。


「おかえり、リュージ、マヨネーズはどうだった?」

「すごい受け方だったよ、御領主さまがレシピを買ってくれた、家に少し入れる?」

「いいよいいよ、前の金がまだあるし、料理の材料に金がいるだろ、自分でお使いよ」

「ありがとう、母ちゃん」


 とはいえ、家の為に金を出してもいいな。

 キッチンの賃金も合わせると、新しい家とかも不可能じゃなさそうだし。

 綺麗な家に家族を住まわせたいね。


 俺は服を脱いでベッドに潜り込んだ。

 母ちゃんが服をはたいて衣紋掛けに

引っかけてくれた。


「兄ちゃん、マヨネーズをもっとくれ~、むにゃむにゃ」


 ピカリは寝言も食べ物の事だなあ。



 朝になり、犬がもぞもぞ起き出して目が覚めた。

 一家中、犬猫込みで一つのベッドで寝ているから、誰かが起きると連続して目を覚ますのだ。


「おい、リュージこれ」

「お、泡立て器、もう出来たのか」

「そんなに難しく無いからな、ピカリにもやる」

「うおおおお、小兄ちゃん、ありがとうっ!! 私もシャカシャカするぜっ!!」

「がんばれ」


 とはいえ、素材に卵を使うので、家ではなかなか作れないかもなあ。


「近所に作り方を教えて半分いただく」

「おお、そういう手が」

「スダラマッシュに抜群に合うからなあ、村でも結構流行りそうだよ、リュー兄ちゃん」

「たまにのご馳走になるしね。それでいて肉ほど高くは無いし」


 肉より卵の方が安いんだよな。

 んで、マヨネーズがあれば塩を付けて囓るしかない野菜がご馳走になるわけで、村でも大流行しそうだな。


「今日、クララとか呼んで、婦人会で作るんだあ」

「そうか、それは良いな」

「というわけで、マイ泡立て器は嬉しいよ、小兄ちゃん」

「村でも欲しがる奴が増えそうだな。これは良い商売になりそうだ」


 小兄ちゃんもにっこり笑った。

 彼の自慢の泡立て器を子細に観察してみたが、作りが意外にしっかりしていて良い感じだ。

 領館の奴より針金が少々細いけど、その分ホイップがしやすそうだ。


 スダラマッシュも領館経由で三郷六村に広まったからな、マヨネーズも流行るであろうし、泡立て器需要も高まりそうだ。

 領も嬉しい、家も嬉しいで、WinWinだな。

 うむうむ。

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