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まじらぼ 異世界こぇえ…(((;゜Д゜))) 魔法で科学捜査して冤罪を晴らす研究所 異世界のCSI  作者: GIN
File01 異世界で、科学捜査官ならぬ魔法捜査官になった件
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#1-6.すごくヘンだよこの異世界

【まじらぼ 前回までは】

転移魔法のアクシデントで、ソータは、ただ一人、ファンタジーな異世界の街に放り出されてしまう──



     1



 ──ものすごくヘン!


 それが、はじめてクレイエラ王国の〈都〉を見た時の感想だった。


 建物の多くは白い壁と赤い瓦屋根。道は不揃いの石をきれいに敷き詰めた石畳。

 ヨーロッパの古い街みたいで雰囲気は明るく、賑やかだ。


 ここは街のメインストリートらしく、大勢の人や馬車が行き交っている。


 道行く人たちの中には鎧を着た戦士や、のじゃ子さんみたいなとんがり帽子にローブという魔法使い、そして人間以外の種族も混じっていた。


 金髪で長い耳のエルフ。小柄だけどがっしりしたドワーフ……。他にも色々な種族がいたけど、ファンタジーのファの字も知らないオレにはわからない。


 とまあここまでは21世紀の日本人がイメージする「ファンタジー世界の街」そのものだった。


 しかし、そこにとてつもない違和感があったのだ。


 居酒屋『月の坂道』

 靴屋『レプラホン』

 肉屋『大山』

 パン屋『アルフレッドの店』

 日用雑貨『アラン』

 大衆食堂『日の出』

 お茶とハーブの店『みつば』


 などなど……。


 街のあちこちにある看板や標示・標識が、すべて日本語なのだ。


 きっとのじゃ子さんに打ち込まれた〈スパイク〉が翻訳しているのだろう。


 いかにも「ファンタジー世界の街」なのに、そこにある文字のすべてが漢字、ひらがな、カタカナばかりだから違和感がハンパない。まるで出来の悪いテーマパークにいるみたいだ。


「どけどけ!」


 突然の怒鳴り声。振り向くと、すぐ後ろに穀物袋を満載した荷馬車があった。


 道を空けようとして固まってしまった。


 その荷馬車は一頭の馬が牽いていたのだが、なんとその馬は木で出来ていた!


 メリーゴーランドとかの木彫りの馬じゃない。無数のパーツを組み合わせ、関節の動きも本物と同じように作られたその姿は、まるでロボットだ。魔法で動く、木で出来た馬ロボットだ。


 呆気にとられ、後じさりながら道を空ける。オレの目の前を、ロボットの馬が牽く馬車が通りすぎて行く。


 よく見たら、他の荷馬車も同じだった。木で出来たロボット馬が荷車や箱馬車を牽いている。


 肉屋の『大山』では店先で串に刺した肉を焼いているのだが、そのグリルには魔法陣が微かに浮かび上がっている。薪とか炭じゃなく、魔法の火で焼いているんだ。


 上を見れば、青と白の半透明な小鳥が飛び交っていた。


 後で知ったのだが、それはメールバードという魔法の手紙だった。封筒に魔法がかけられていて、宛先まで小鳥に変身して飛んで行くのである。


「ほんとうに、違う世界に来たんだ……」


 あらためてそう思う。しかし街には日本語があふれている。


 ヘンだ。ものすごくヘンだ!


 なんか頭がくらくらしてきた。そこに──



     2



 どん、と何かにぶつかった。固くてデカいものだ。


「うえっ!?」


 壁かと思ったら人間だった。


 身長は2メートルを超えていて、装甲板みたいなゴツい鎧を着ている。全身が筋肉の塊みたいなマッチョで、ひげ面の顔はゴツい。


 ──マッチョのヒゲダルマ。


 思わず、そんな言葉が頭に浮かんだ。


「貴様、見かけない顔だな」


 ギロリ、とヒゲダルマがオレをにらんだ。

 あまりの迫力に、オレは声も出せず震え上がった。


「またか」

「団長は誰でもそう言うよな」


 そばにいた同じデザインの──でもずっと軽量な鎧をつけた男たちが言った。


 団長?


 あらためて連中を見ると、鎧には簡素だが金と銀の装飾がされていて、赤いマントをしている。


 騎士だ。

 この男たちは王国を守る騎士団だ。騎士団長が悪役プロレスラーみたいだから騎士だと思えなかったけど。


「おかしな服を着て、キョロキョロオドオドして…見るからにあやしいぞ」


 2メートル超えのひげ面の大男ににらまれて、キョドらないヤツはいないと思う。


「よぉし、わかった!」


 ばんっ! と団長が手を打った。


「貴様が犯人だな!」

「へ?」

「連行しろ!」

「ま、待って! 犯人ってなんの?」

「しらばっくれるな! 話しは後で聞いてやる」


 わけがわからないまま、オレは騎士たちに両脇を抱え上げられた。どんなにもがいても振りほどけない。


「ちょ…まって! 話を聞いてくれぇえええ!」


まさに問答無用。聞く耳持たないとはこのことだ。


 オレの抗議は無視され、騎士たちに連行されてしまった。



     ×   ×  ×



 オレが連行されたのは街の外れ、河の中州にある牢獄だった。


 岩の塊みたいな見るからに頑丈で威圧感のある建物は、元は砦だったという。

 薄暗い石の壁の廊下にずらりと並ぶ鉄格子の檻。その一つに、オレは文字通り放り込まれた。


 石の床に投げ出されて、肘やら肩やらをぶつけてとても痛い。


 でも、今はそんなことに構ってられない。


「オレは無実だ!」


 鉄格子をつかんで叫ぶ。


 不安だった。とにかくおそろしかったのだ。

 薄暗い牢に加え、入り口の辺りには手枷やら拷問の道具やらが、これ見よがしに置いてあるのだ。


「出せ! 弁護士を呼んでくれ!」


 鉄格子を揺さぶって叫ぶ。そこに──


「もぉ、うるさいわね」


 と、気怠げな声がした。


「だ、誰?」


 あまりに静かだったので、他に誰かいるとは思わなかった。しかも声は若い女性のものだった。


 声がしたのははす向かいの牢からだった。


 鉄格子の向こう、ベッド代わりの木のベンチに、のっそりと起き上がる人影が見えた。


 オレは息を呑んだ。


 人間? それともファンタジー世界特有の異種族なのか?


 青みがかった灰色の肌。薄暗い牢の中で銀色の髪がさらりと揺れ、ルビーみたいな赤い瞳がオレを見つめている。


 黒いローブを着ているのだけど、その下の服は水着か下着かっていうくらい布地が少ない。

 豊かな胸の谷間。くびれた腰。むきだしの太もも……。


 オレは状況も忘れ、彼女に見とれてしまった。


 そのくらい彼女は異質で、そしてキレイだった……。



よくあるファンタジーな異世界と思わせて、ちょっと(かなり?)異なる世界です。

察しの良い方はもうお気づきでしょう。

ここは魔法が科学のかわりをしている魔法文明の世界です。

おいおい色んなアイテム、システムが出て来ますのでお楽しみに!


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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