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まじらぼ 異世界こぇえ…(((;゜Д゜))) 魔法で科学捜査して冤罪を晴らす研究所 異世界のCSI  作者: GIN
File01 異世界で、科学捜査官ならぬ魔法捜査官になった件
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#1-4.大賢者のじゃ子さん

【まじらぼ 前回までは】

異世界に転移した主人公ソータ。小さな女の子と出会うが、言葉が通じない。困るソータに、女の子はトンカチでソータの頭を一撃した──




     1



「ぎえぇえええええ!」


 脳天を貫く鋭い痛み!


 まるで頭に釘を打たれたような痛みに、オレは悲鳴を上げ、のたうちまわった。


「なんじゃ、デカいナリして大げさな」


 女の子があきれた声を上げる。


「このガキ! なんてことするんだ!」

「ガキではない。──まあ、この姿では仕方がないか」


 そう言うと女の子は


「わしの名はノーマ・ナージャ・コンリーロ。故あってこのような姿をしておるが、(よわい)500歳を超える大陸一の大賢者なるぞ」


 と、小さな胸を張った。


「大賢者ぁ? 魔法使いごっこでもして──」


 そこでオレは気づいた。


「──言葉! 言葉通じてる!?」

「ニブいヤツめ。やっと気づいたか」


 女の子──のじゃ子さんは、鞄から金属のクギのようなものを取り出して見せた。


 直径は五ミリほどで長さは7、8センチくらい。先端は鋭くとがっているけど、反対側、クギの頭にあたる場所は穴が空いていてパイプのようになっている。


「これは〈スパイク〉。脳の機能を拡張するアイテムじゃ。単体では会話の翻訳くらいの機能しかないが、今はこれで十分じゃろ」


 思わずその〈スパイク〉が打ち込まれた場所に手をやった。もう痛みはないし、血も出てない。


 指に金属質の感触…脳天に、丸い金属の穴がある。

 これが〈スパイク〉か。なんかイヤホンジャックが頭に出来たみたいだ。


「……まるで魔法だ。てか、のじゃ子さんはホントに魔法使いなの!?」

「ただの魔法使いではない。大・賢・者! じゃ」


 大賢者に力入れて言う。どう見ても小学生にしか見えないんだけど。


 ……そこでオレは、また気づいた。


「するとここは異世界? エルフとかドラゴンとか騎士とか勇者がいる、剣と魔法のファンタジーな世界に、オレは来ちゃったってわけ!?」

「平たく言うと、そういうことになるな」


 またしても愕然、呆然となったオレに、のじゃ子さんはうなずいた。


「稀によくあるのじゃ。異なる世界からこちらに迷い込む者が。おぬしの世界では、異世界転移と呼んでいたかな。われらは『稀迷客(マロウド)』と呼んでおる」

「なんてこった……」


 オレは頭を抱えた。


「どうしてこんな世界に来ちゃったんだよ……」

「星の位置。次元障壁のほころび。力ある者による召喚。よくあるのは、たまたま転移した、じゃな。じゃが、来た以上、何か意味があるはずじゃ」

「たまたま…なのは仕方ないとして、なんでファンタジー世界なんだよ?」

「は?」

「いや、異世界に飛ばされるとか、転生するとかって、どうしてファンタジー世界ばっかなんだよ? 禁酒法時代のFBIとか、スコットランドヤードの刑事とかあってもいいじゃないか!」

「何を言っとるのじゃ?」

「はぁ…どうせならハリーやリッグスみたいなスーパーコップにしてくれよ。剣と魔法とかふざけた世界じゃなくてさ」

「……ふざけた世界で悪かったの」


 不機嫌な声で言うと、のじゃ子さんは何かつぶやいた。


「えっ?」


 小さなのじゃ子さんの人差し指。その指先に金色の光がともった。


 金色の光がともる指で、のじゃ子さんが空中に不思議な文字を描く。光の残像ではなく、文字がそのまま空中に残っている。流れるように、なめらかに、光る指が空中に描く文字は数式のようだった。


 瞬く間に、ざっと50センチ四方の空間が光る数式に埋め尽くされた。最後に、フィニッシュとばかり、のじゃ子さんの光る指先が、空間に2本の平行線を描いた。すると──


「うわわわ!?」


 のじゃ子さんが巨大化した!



     2



 のじゃ子さんがみるみる大きくなる。

 あっと言う間に身長10メートル以上になった。


 いや違う。

 足下にあった草も10倍くらいの大きさになっている。オレが縮んだんだ!


「え? えぇえーっ?」


 おまけに、どういうわけか身体が動かない。手も足もぴくりともしない。


「コップになりたいと申したな? その願い、叶えてやったぞ」


 悪戯っ子みたいな笑顔でのじゃ子さんは言うと、鞄の中から小さな鏡を取り出した。


「な…っ!」


 そこに映っている自分の姿に、オレは絶句した。


 ──オレはコップになっていた。


 ガラス製の、いわゆるタンブラーってヤツだ。


 どうりで身動きできないわけだ。手足もないんだから。


 いやでも目もないのにどうして鏡に映る自分が見えているんだ? 口もないのに絶叫できるんだ?


 あまりのことにそんなことを考えていると、


「ちとノドが渇いたの。せっかくじゃ使ってやろう」


 のじゃ子さんはそう言うと、水筒からオレの中に水をそそいだ。


「わひゃあああ!」


 冷たい水が自分の中にそそがれるという、経験したことのない感覚に、おかしな声を上げてしまう。そして──


「わー! ちょっと待って!」


 のじゃ子さんがコップになったオレを手に取り、口に近づけてゆく。


 どういうわけか、身体がコップになっても、どこが手足でどこが目や鼻かということがわかっている。


「そこ! そこオレの口、唇っ! ダメ!」


 のじゃ子さんが唇が触れようとしているのは、オレの唇にあたる場所だった。


「なんじゃ、情けない声を出しおって。わしからすれば、おぬしなぞ赤子も同然。はずかしがることなぞない」

「ああっ! ダメ!」


 もがき、あがこうとしても、文字通り手も足も出ない。


「いやぁあああ!」


 オレの叫びはのじゃ子さんの口にふさがれてしまった……。



異世界ファンタジーは転生ものが圧倒的に多い感じです。

その理由のひとつは言葉があるかと思います。

いきなり異世界の言葉が通じるのはおかしい。でも言葉が通じないと話が進まない。

そんなわけで、本作ではとっとと言葉が通じるよう魔法のアイテムを使用。

この〈スパイク〉は今後もおもしろアイテムとして登場しますので、覚えておいてくださいね。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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